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MISIA 星空のライヴⅥ ENCORE 2010 International Year of Biodiversity

MISIA 星空のライヴⅥ ENCORE 2010 International Year of Biodiversity

2001年から始まった「星空ライヴ」。6回目となった今回も、その時と同じ会場 河口湖ステラシアターで行われた。

M3.jpg「International Year of Biodiversity」という名前、MISIAファンならピンとくるだろうが、今年は国際生物多様性年でありMISIAはその生物多様性条約第10回締約国会議名誉大使でもあるのだ。生物多様性というのは生き物の「個性」と「つながり」。会場ではそれにちなんだイベントも催された。

2010 FIFA ワールドカップ公式アルバム「Listen Up!」収録のアジア代表ソング「MAWARE MAWARE」のイントロが流れると、 オーディエンスのハンドクラップに包まれ MISIA登場。
まるで南国の鳥のような鮮色の衣装を身にまとい、ステージ狭しと端から端へ飛びながら投げキッスをすると、オーディエンスは淡いグリーンやブルーのツアータオルを回し応える。
“Shining Star”  “陽のあたる場所”  ”KEY OF LOVE”  メドレーで会場のボルテージは最初からすごい事に!!兎に角驚いたのは、1曲1曲が終わるたびに、まるでその日のラスト曲のような盛り上がりを見せるという事。
しかし、それだけパワフルなステージなのに、肝心のツアータイトルを嚙んでしまい「昨日もここで嚙んだんだよ!」と悔しがる姿は妙に愛らしく会場も笑顔になる。
そしてあらためて少し静かなトーンで、このツアータイトルについての、つまり「生物多様性」について語り始めた。

M2.jpg地球環境を保全するためには生物の種の維持が大切であり、それを減らさないことが重要である事。今回会場で販売しているbiodiversity bandの収益の一部が、生物た湯尾性条約事務局に寄付されるということ。日本はまだまだこういう取り組みが少ないしそのせいか、ともすると売名的イメージを受けかねないが、それによく見られる浮き足立ったところがMISIAにはまるでない。
環境問題の事を話す時の彼女はアーティストとしてではなく、ひとりの人間としての顔になる。そして歌に入ると勿論アーティストMISIAの顔に。

ステージにを挟み、左右の両端ブロックは屋根がない為、そのブロックの人達はレインコートでの参戦となった。 時折強く降りしきる雨に、 MISIAはその席の人達を気遣いながら手を振り、アフリカに行った時の話をした。現地で雨に降られ、濡れたまま村を訪問したところ、とても喜ばれたそうだ。 雨の少ないアフリカでは、雨は貴重であり、その日出会った人に幸せをもたらすと言われている。この雨もきっとここにいる全ての人に幸せをもたらしただろう。

M4.jpg“ Work It Out “ はこの日のライブで初めて歌う星空ヴァージョン。
一緒に今の状況を良くして行こうという意味のこのバラードは、MISIAがしっとりと聴かせてくれればくれるほど、彼女の深い声が際立つ。

「心ひとつ」は、このツアーが決定した時に彼女がまず歌いたいと思った曲。
社会活動を通じてアフリカの現状や沢山の哀しみを知る。でも、知る事でこの悲しみを生まないで済む事もできる…という様々な想いを抱きMISIAは全身全霊で歌い、観客は息を飲み、その歌声だけをやはり全身全霊を傾け聴き入っている。

ドラマの主題歌にもなった” 逢いたくていま” は数年前に亡くなられたMISIAのおじいさんの手紙に込められたメッセージに後押しされ、作った曲だという。

雨の音、風、鳥のさえずり、時間と共に刻々とその表情を変える風景の色をしたがえて、MISIAの歌声は澄み切った空気の中、響きわたる。
“One!”  “太陽の地図” とポップチューンでボルテージはあがりっぱなし!
MISIAは、これでもか!と声の限りをふるって歌いあげる。オーディエンスが左右に振る手が波のように会場を揺らし “We are the music”で本編はラストとなった。

アンコールでは バンド演奏の “Change” 後に白い衣装に着替えたMISIAが登場。
ひとつの乱れも、だらけもない、こんな強いアンコールはそうはない。そんなアンコールのチカラだろうか。もう雨はすっかりやみ、” 星の降る丘” にあわせるように静かに会場の屋根が開き始めた。すぅっと緑のにおいをはらんだ風が吹き込む。

歌というのは不思議なもので、決して現実目の前にある風景だけを映し出すわけではない。雨はやんだものの、決して見えない星空が “星の降る丘” と共に瞬き始める気がした。まるで満点の星の元でこの曲をきいているような錯覚にさえ陥る。

「お願いがあります。MISIAと呼んで下さい!!」

そういうと、上から下へと水が流れ出すようなMISIAコールが起こる。胸の奥がぎゅうっと締め付けられるような、感情の全てがすごい勢いで解放されていくような、MISIAもオーディエンスも全てを出し切っているそんな瞬間がシンクロする。

バンドメンバーがステージを後にすると、息を整えながら 毎朝書いてると言う手紙の話を静かに語り始めた。アフリカの貧困、世界に向けた望み、時には個人的な事だったり、星の数ほどの願いだったり。
これが今回ツアーに参加してくれた皆さんに伝わるといいな。と…静かに語る。
そしてその手紙に、曲をつけた歌を披露。
この日の前日も歌ったけど毎朝かわる手紙なので内容も昨日と今日とではまた違う。そんな、まだ 題名もない生まれたての曲。

”鳥は大空を飛び
数えきれない程の命が繋がり生きている
親の荒れた姿に子どもは心痛める
独りでは生きていけない”

手紙というべきだろうか、歌詞というべきだろうか、そんなMISIAのメッセージは空を舞いながら、この日会場にいるひとりひとりと手をつなぎ合うように繋がった。

M1.jpgMISIAの音楽、ライブには魂がある。
それはどのアーティストもそうだろうが、彼女がしている社会活動などを通じて見て感じてきている事は多分他のアーティストにはそうそう無い事だと思う。だからそれを吸収し、「歌」というフィルターを通した時にちょっと言いがたい格別なものへと生まれ変わるのかもしれない。それはもしかしたらアフリカで飢餓や病気の為、亡くなってしまった人の魂かもしれない。MISIAの歌は、ある種のゴスペルのように思う。
 


撮影/長屋和茂
取材・文/まさやん


<セットリスト>
01.MAWARE MAWARE
02.Shining Star 〜 陽のあたる場所〜.KEY OF LOVE
03.MELODY
04.Work It Out
05.あの夏のままで
06.心ひとつ
07.逢いたくていま
08.月
09.地平線の向こう側へ
10.One!
11.太陽の地図
12. We are the music

アンコール
Change(バンド演奏)
EC1.星の降る丘
EC2. 未発表曲

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