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クラムボン LIVE @ よみうりランド オープンエアシアター EAST

クラムボン LIVE @ よみうりランド オープンエアシアター EAST

子ども達の夏休みも終わり、9月始めの日曜日、灼熱で陽気な夏ではない、緩やかな夏を楽しもうとしている大人達は、よみうりランド オープンエアシアター EASTに集まっていた。最新アルバム「2010」をひっさげてのclammbon tour「2010」を大成功におさめたばかりのクラムボン。遊園地の中のこの会場、ゆっくり登っていくジェットコースターが車輪の音や、スピードを上げて下降していく時の絶叫の声がステージを囲むように聞こえてくる。

_MG_9706s.jpg開演前のアナウンス…ん?嚙んだ?しかも笑ってる?…それに対しオーディエンスの拍手?? …実は伊藤(ドラム)がアナウンスをしていたのだ。後にライブ中、ミト(ベース)からは「影アナ大センセイ!」とイジられ、本人も「影アナ、噛んだ上に爆笑していたからね。」と吹き出す。

しかし、楽しませるのは当然そんな部分だけではない。
影アナではない、伊藤のドラムソロが始まり、それにあわせて頭の上で手を叩きながら原田(ヴォーカル、鍵盤)と、ミトが登場。それに続くオーディエンスのハンドクラップで会場が包まれる。

「みんなの顔が眩しすぎるぜ!」とミトが言うと 、“シカゴ “ で、clammbon 2010『☆SUPER☆STAR☆』がスタートした。
“パンと蜜をめしあがれ” では相変わらず原田が楽しげに弾むように歌い、展開するリズムのバランスに合わせ、オーディエンス達の肩が揺れる。

ミトは「始めっから楽しいぞー!」と、その言葉通りテンションが上がっている!
原田は端から端まで客席を見渡して「ようこそー!外、気持ちいい!」と笑う。
風をうけながらこの日 配られたシャボン玉がテクニカルでカラフルでポップなクラムボンの音を紡ぐ音符のように乱れ飛ぶ。「遊園地だったらこの曲やらなきゃね。」 “Merry go round!” のイントロで、椅子席も芝生席も関係なく盛り上がり、原田の声はメリーゴーラーンドのようにまわり、夕日は静かにゆっくりと沈み始めた。

“アンセム” の格好よさといったら何と表現したらいいのだろう!
B-52's の世界感をも彷彿とさせるこの曲、ミトの無機質な歌声が原田と絡まった時の、ゾクッとする感じや、ベースがずっと同じ音を響かせている感じがどうにもたまらない!

“波よせて”ではちょっとしたトラブルがあった。
「よみうりランドに、響かせましょう!」と、ボルテージをあげるミトのベース音が出ない!!…が、そこはやはり原田のスゴさ、「ベースが出ない! フゥワ、 フゥワ、 フゥワ♪」と、歌い始めたではないか。音が出ると今度は、「よみうりランドに、響かせましょう!」と仕切り直しのミトに、「それ聞いた!」と原田、「デジャブ?」とミトが返す。
勿論トラブルなんてない方がいいかもしれないけど、この人達の切り返しの面白さはそんなトラブルでさえオーディエンス達にとって「お土産」にしてしまう。

南伸坊氏と糸井重里氏の、おしゃべりと旅のコンテンツ「黄昏」の為に書き下ろした
“黄昏” は鍵盤や鈴の音が可愛い。そのまったりとした穏やかさにオーディエンス達は気持ちよくなってしまい、あっという間にビールの売り場は列をなす。
「買いに行き過ぎだろう!」と叫ぶ原田は笑いながらも、軽くこめかみに漫画でよくあるような怒りマークのエモティコンが出ていそうだ。 でも…だって野外だもん!ビール飲みたいよね!! しかもクラムボンのライブ観ながらなんて、最高に決まってるじゃん!

蝉の声から虫の声に変わる頃、気がつけばステージにもすっかり照明が入り、” ララバイサラバイ “ では、ステージ背景のシルバーテープがグリーンとブルーの光を浴び、水面のように揺れ、”バイタルサイン” では、彼らの演奏技術のクオリティを惜しみなくみせつけ、” NOW!!! “ ではクラムボンとオーディエンスの興奮がパンパンに膨らんだところで、☆SUPER☆STAR☆ と書かれた銀色のテープが会場へ発射!ライトを浴び、キラキラと光り “KANADE Dance” で本編は終了。

「おまたせぇ」と、原田がおどけながら再びステージにあがったアンコールでは、80年代のニューウェイブを彷彿とするカラフルなコスチュームを身にまとい、今回のライブタイトルでもある、エレクトロなダンスポップナンバー “SUPER☆STAR”を披露。
…と、 3人の独立したステージが、どんどんとせり上がり床の四方がトリコロールのような色合いでクルクルと光り出した。
もうすっかり暗闇となった野外に光を放つクラムボンのステージ、まさに音と光のイリュージョンだ!ステージがせり上がった事で、風に乗りながら音の広がりがグラデーションのように変化する。

しずかにステージが下降しながら再び3人は退場、そしてWアンコール。
「 今年はいい夏です!」「新しい場所が出来たかも!」「これ、またやろうな!」
琴線の深いところや軽やかなところのを色とりどりにかき鳴らしてくれたこのライブは原田が言ったように、本当にこれからのクラムボンの新たな場所になるのではないか。
そんな予感と、余韻を残してくれたライブであった。
 

取材・文/まさやん

 


SET LIST
M1 シカゴ
M2 はなればなれ
M3 パンと蜜をめしあがれ
M4 GOOD TIME MUSIC
M5 Merry go round!
M6 アンセム
M7 Ka-Ka-KaLMa!
M8 tourist on the 未来'n
M9 波よせて
M10 便箋歌
M11 黄昏
M12 ハレルヤ
M13 ララバイサラバイ
M14 バイタルサイン
M15 サラウンド
M16 NOW!!!
M17 KANADE Dance

En1 SUPER☆STAR
DEn1 Re-残暑
DEn2 Re-Folklore


_MG_7165s.jpg_MG_6940s.jpg_MG_6970s.jpg_MG_7184s.jpg_MG_7374s.jpg

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