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K「live K in武道館〜so long〜」@ 日本武道館

K「live K in武道館〜so long〜」@ 日本武道館

ステージにはこの5年間のKを現すような右上がりに背高くする5本の柱。
この日のステージは2年間兵役で日本を離れるKのラストライブ。
 

k6.jpg拍手に包まれ登場したKに、子どもが叫び声をあげる。(Kの名前を呼んでたのか?)
それに対しコミカルに振り返りながら椅子に腰掛け、ピアノの前へ。
…「Kー!」その子どもの声とKの動きに触発されたかのように次々とKの名前を呼ぶ声があがり、つど振り返るKだが、とうとう「始まらないよ。もう始まってるよ、みんな。」と、おどけて言ってみせる。さらに「武道館の一言目がこれって…。」
うん、確かにそう思う。けど、それも何かKのライブらしくていいじゃないか。

k1.jpgそれでも、一瞬の静寂の後、ピアノから「Beyond the Sea」のメロディーが流れると、がらりと世界感が変わる。観客はみな、一秒たりともKの歌声とピアノの音色を聞き逃すまいとしているのが、ある種の緊張感のようにして伝わる。しっとりしたムードから「Traveling Song」で、リズムの照明も軽快にステージを彩る。

「こんばんはー!僕の誕生日パーティーにこんなに来てくれてありがとう。」
Kらしい冗談に笑いが起きる。「初めての武道館でさっきまで緊張してたけど、声をかけてくれたお陰でリラックスできました。」

 

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2008年に自身も出演した舞台「RENT」に出会って出来た曲「525600min〜Seasons of love〜」や、ドラマ「1リットルの涙」の主題歌「Only Human」などの名曲を次々に披露。時にはしっとり、時にはピアノの椅子から立ち上がりアグレッシブなステージングを見せるKだが、トークになると何故あんなにひょうきんになるのだろう。
Kのライブに初めてきた人はどの位いるのかと挙手をさせた後、「じゃあ、デビューの時からしつこく追いかけてくれた人。」と挙手させる。しつこくって!
爆笑の中、沢山あがった手をみて「しつこくて嬉しい。」…だからしつこくって!(笑)
その他、この日の為に鼻パックをしてきたとか、サイトにある大型のモニタをチェックしようと身を乗り出したりとか、言動行動がユーモアたっぷりでまるで気どりがない。
これは取材をさせていただいた時も感じたのだが、歌は勿論、その自然体の姿が老若男女問わず愛される要因だと確信する。
 

k3.jpg兵役で2年間日本を離れるKにとって、そしてスタッフ、ファン全ての人にとってこの日の武道館ラストライブは特別なもの。だからこそ、この日は初めて歌詞にハングルをもちいた「ハラボジの手紙」を披露。天国へ旅立ったおばあさんへ毎日手紙を書いているおじいさんと、生前のおばあさんの様子を春夏秋冬を彩る花を通して歌っているこの曲は、実際のKのおじいさんとおばあさんがテーマになっている。とても優しげで深い愛情が詰まっていてハングルを取り入れていることで会場に広がるKの原風景に涙するファンもいた。この日はKのご両親や親戚の人達が観にきていたのでどんな思いでこの曲を聴いていただろう。
 

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「RENT」を通じてファン通しが結婚し子どもも生まれたということで彼らからずっとリクエストされていた「Birth of Treasure」を熱唱。
後半戦は、パワフルなインスト曲や、リズミカルに弾むKの歌声がどんどんと色を変える照明と共にダンスを踊るようにステップを刻む。歌っている時のKの表情も次々と色を変え、彼の音楽へ対する愛情の深さが伺い知れた。

「毎回思うことなんですけど、ライブって気持ちいい。今日も気持ちいいです!素晴らしい思い出ができました。今日の思い出を大事にして2年間行ってきます。」
神髄の部分のメッセージに大きな拍手が沸き、Kは笑顔でこたえた。
本編ラストの「Bye My Friends」では大合唱になった「ラララ♪」にマイクをむけるK。曲の最後で「本当にこう思っています。会えてよかったー!」というと、Kは執拗に顔をピアノに近づける。きっと顔をあげたら泣いてしまうからだろう。
…と、文字にするとやたら冷静にその状況を観ているように思われるかもしれないが、実際は私自身、ノドの奥に突き上げるものを堪えながらペンを走らせていた。
Kは日本に来た当時は武道館でライブをやるということへの憧れはなかったらしいが、5年間日本に住み、色々なミュージシャンのライブを観るうちに自分でもやりたいという思いが湧いてきたという。
「外タレで日本語のMCが一番長いのは俺だね。それを忘れないように!…あっ、アグネス・チャンがいた!」
な〜んて笑わせることも忘れてないところが何とも心憎い!

アンコールでKはいきなりビデオカメラを持って登場した。そして一通りファンの顔をぐるりと撮影した後、今度は「完全に趣味なので、どこにも出しませんから。」といい、スチールカメラで撮影。思い出をぎゅっと詰めてね!
 

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このアンコールのタイミングで持ってきたという新曲「スニーカー」を歌った後、ぽつりぽつりと確信に触れる話をしはじめ、言葉につまりながらも「気持ちが全部伝わったか分からないけど、日本に来れて良かった。また戻ってきてここで歌いたい!」と深々とお辞儀をしながら、精一杯のメッセージをファンに伝えた。Kそのものが詰まっている最新シングル「dear.」を熱唱した後、涙をぬぐいながら、「色々なことを学んで大人になって帰ってくるので、その時まで待っていてほしいと思います。」と続けると、今迄自分に携わってくれたスタッフやレコード会社、ライブの照明や各地方のプロモーターなど、Kを支えた周りの人へ涙ながらに感謝し、最後はデビュー曲「over...」。

「ここ(日本)で死ぬまで歌っていきたいな、と、そういう気持ちにしてもらったのはスタッフと、ここにいるファンの皆さんのおかげです。必ず2年後に帰ってくるので、待っててください!」

そう言ってステージの端から端まで手を振りお辞儀をし、このラストライブの幕は閉じた。

会場の入り口にはKへのプレゼントが山積みになっていた。沢山のアーティストからの花も届いていた。そんな色々な人の思いを抱えて「ひとまずは」旅立つKだが、2年後また一回り大きくなったKの楽曲やライブをファンの一人として私も心待ちにしている。


取材・文/まさやん


live K in 武道館 〜so long〜 2010.11.30 日本武道館

 
-セットリスト-

M1    Beyond the Sea

M2    Traveling Song
M3    Y.E.S.
M4    525600min〜Seasons of love〜
M5    LOVE FREAK
M6    Only Human

M7    KI・ZU・NA〜忘れないよ〜

M8    ハラボジの手紙
M9    Birth of Treasure
M10  Brand New Map
M11  Music in My Life
M12  INST

M13  Fly Away〜TAXI〜Cover Girl

M14  Last Love

M15  Play Another One
M16  Bye My Friends
                                                                                                     
EN1   会いたいから

EN2   スニーカー(新曲)
EN3   dear.


WEN1 over...

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