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GENERAL HEAD MOUNTAIN TOUR2011「音楽家とバタフライ」@代官山UNIT

GENERAL HEAD MOUNTAIN TOUR2011「音楽家とバタフライ」@代官山UNIT

GENERAL HEAD MOUNTAIN『TOUR2011「音楽家とバタフライ」』2011年3月4日

初めてGENERAL HEAD MOUNTAINを観たのは、この代官山UNITだった。
彼らが発する音は衝撃で、Vo.Baの松尾昭彦が生み出す世界は美しすぎて私は音速で、その何もかもに心奪われた。
…だからこそ、私は今日一番書きたくないライブレポを好きなように書くことにした。

完成、解散、青い空。
2011年1月12日
GENERAL HEAD MOUNTAIN

彼らの公式サイトで発表された突然の解散報告。
2009年11月4日に「羽」でメジャーデビュー。バンドとしては11年目だが、メジャーデビューから間もない彼らに何があって、解散に至ったかは分からない。だが今ここでそれを詮索しても意味のないことなので、東京で観ることが出来る彼らの最後のステージに足を運んだ。
3月4日の代官山UNITは、人で溢れかえっていた。聴き慣れた『花とカルテット』のSEでGENERAL HEAD MOUNTAINの3人が登場した時、「菜々」の一節ではないけれど、喉の奥が切れた感覚に襲われた。

「想像力を解放せよ」

松尾のその一言で『鳥籠』からライブはスタート。オーディエンスはしょっぱなから力いっぱい応えていた。『薊』が終わり頭の中がマグマになっていると言った松尾は「今日は誰が何と言おうがここは僕の世界。ちょっとでも何か思ってることがあればそれに触れてみて。」と続け、「ひとつ…ふたつ…」と疾走感を連れ立ち『紅色』の世界へと私達を運んだ。オカダはいつものように吠えながらギターを弾き、煽る。アタックが強くドラミングに面白みが出て来た海太はいつものように激しくリズムを刻み、オーディエンスはクラウド・サーフィングでウネり、一緒に歌う。それが全てだった。ツアー初日の”青山月見ル君想フ”では、解散にショックを受けたファンのあちこちからすすり泣く声が聴こえたが、今回はみんな腹を括り、まずは涙より、彼らと共有できる時間の濃度を優先しているように思えた。
 

GHM20110304_1.jpg実はライブ前にもらったセットリストを見て驚いた。本編だけで27曲。 GENERAL HEAD MOUNTAINのありったけが詰まっていた。
『糸』『揚羽蝶』『羽』と、もの凄い勢いで駆け抜け、松尾はぽつりぽつりと語りながら『手紙』でフロアは彼らの温かく優しい世界に包まれる。『青』のMVの後ろで映っていたスカイツリーはまだ半分も出来ていなかったけど、今は完成に近い。私はスカイツリーが形を変えていく度、あのMVを思いだす。


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『深まる日々に、微笑みを。』を僕の一番大事な曲と松尾は言った。胸がぎゅうっと締め付けられ、ここでどうすれば涙を抑えることが出来るだろう。この日のライブで松尾は普段最後にしか見せない笑顔を何度も見せた。オカダも弾けるオーディエンスの動きにとびきりの笑顔を見せる。
「残された時間の中で何ができるかをいっぱい考えて、結局歌うことしかなかった。あなたのことを何も知らないけど、あなたのことを考えて歌作って、CD出して、ライブやって日本中ぐるぐる回って、こういうのをちゃんと自分の口でこの一杯の人の前で言えるようになったのは本当に素晴らしい日々だったんだとつくづく思います。本当にありがとう。」そういう松尾は以前インタビューでも、伝えることの大切さを実感し始めていると語っていた。そうして感謝しながら『すばらしい日々』で本編終了。



熱いアンコールの拍手に包まれ再登場した3人。ぐーっと伸びをして「疲れましたね。とりあえず」と、本編よりリラックスした顔で松尾は笑い、大勢のファンが集まったことに再び感謝。ホームの宮崎ではなく、ここ東京で彼らがこんなにリラックスしているところを見られるのが、ただ嬉しかった。

アンコールが終わり、ダブルアンコールで三度登場した3人。松尾は「僕的にはそんなやっかいな音楽をやってるつもりはないんだけど(笑)、僕たちに気づいてくれて僕たちを見つけてくれて本当にありがとう。」と挨拶しながら「音楽センス良すぎるよ!」と笑い「楽しかったです。本当にありがとうございました。生きていればまたどこかで会えると思います。」というと合唱と歓声と手拍子が東京最後の『町』を作った。「変わることを恐れるな」と松尾はいい、『群青』『午前四時』で最後を駆け抜け、「ありがとう、またね。」といつものように退場。SEで流れる「風車」の中、オーディエンスも「ありがとう!」と拍手、そして歓声を送り GENERAL HEAD MOUNTAINとしての東京でのライブは終わった。

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3月13日の宮崎SR BOXでのライブが終了。
本当に本当にこれでGENERAL HEAD MOUNTAINとして、松尾昭彦、海太、オカダコウキの姿を観るのが最後だと思うと、今はまだ想像しがたいし、想像したくない。
でも、あえて最大の強がりを言わせてもらえるとするなら、彼らが想像力を解放し、また新たな姿を見せてくれることを今は見守りたい。そして GENERAL HEAD MOUNTAINへのメッセージを最後にこのレポをしめよう。

拝啓 GENERAL HEAD MOUNTAIN 様
ライブ終了、そして松尾君は11年、オカダ君、海太君は8年、 GENERAL HEAD MOUNTAIN としてお疲れ様でした。別れ際に松尾君とは握手しながら挨拶が出来たね。「このレポは好きなこと書くから」と松尾君には言ったけど、本当にレポにあなた達への手紙までしたためました。あなた達を初めて観たこの代官山UNITが GENERAL HEAD MOUNTAINとしてあなた達を観ることが出来る最後のステージとは何とも皮肉なものです。初めてオカダ君の歪むギターと、海太君の激しいドラミング、そして松尾君の狂気を観た時には体がまったく動かなかった。それ位衝撃でした。ライブバンドであるあなた達が東京に来た時には出来るだけ時間を作ってライブに行っていました。時には音がとれなくなった時も、時には身震いする位に格好いい時もありましたが、そんなもんじゃ GENERAL HEAD MOUNTAINは語れません。たかが一万回の口づけでも語り継げません!いつかまた音楽の中であなた達と出会える日を待っています。


取材・文/まさやん




<SETLIST>
鳥籠
蝉時雨

紅色

揚羽蝶

手紙
砂時計

眩暈
硝子
天照


蜃気楼
脱兎
少年
林檎
菜々
雪月花
万華鏡
感情線
感情論
東京
深まる日々に、微笑みを。
すばらしい日々


ENCORE1

追憶

ENCORE2

青空
群青
午前四時


 

◉GENERAL HEAD MOUNTAIN公式サイト
http://www.generalheadmountain.com/

 

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