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長澤知之「ライド5」@ EBISU LIQUIDEOOM  2011.2.26

長澤知之「ライド5」@ EBISU LIQUIDEOOM 2011.2.26

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「同じ音楽の中にいるので仲良くして下さい。」
長澤知之は、チケットがSOLD OUTになった満杯のリキッドのオーディエンスにそう言うと、弾き語りを始めた。
いつものように首のところがダラリとしたシャツを来て、鋭利な高い声と絞り出すようなシャウトを繰り返す。4月6日にリリースの1stフルアルバムから「俺はグビ」を演奏。
だが途中起きた機材トラブルのせいで、長澤の掻き鳴らすギターが聴こえなくなってしまった。しかし彼はそこで焦ったりひるんだりはしない。ストラップをクルッと滑らせギターを背中に回し、弾くのをやめたかと思うと手拍子を始めた。「♪俺はグビグビグビー」と、肉声で歌う彼にフロアも大興奮。おぉ!やりおるなぁって具合。
3曲程弾き語りをした後、今度はスガ シカオがギター1本で登場。この日がデビュー14周年というスガはデビュー曲「ヒットチャートをかけぬけろ」を1曲目に持って来た。「おめでとー!」と声援も飛ぶ。
長澤より低音の効いたスガのギターが「19才」のイントロを奏でると、わぁっ!と歓声が沸き、赤と緑のライトが毒々しくスガを照らす。

suga.onlyjpg.jpg「今日でデビュー14周年。記念日に出来の悪い後輩から…。」スガがそう言うと、フロアから笑いながらブーイングが起こった。するとまるで言い訳をするかのように、自分は長澤をとても可愛がっていると慌てて言い、その様子にまた爆笑の渦が広がる。
出来の悪い…いや、長澤からスガのデビューの日にライブをやりませんか?と誘われて、当然嬉しいであろうスガは、まんざらでもない顔をしていた。
「サヨナラホームラン」「雨あがりの朝に」と、しっとりナンバーが続きスガも「今日、バラード多いね。こんなはずじゃなかったんだけど、まぁいいか。」と、花粉症で時折鼻をグズグズさせながら14周年のお祝いにipadをもらったことを嬉しそうに語った。
「今、ここにあるんだけどさぁ。」と少し見せびらかしたそうに言うが、表示されているのはこの日のセットリストらしい。しかもスガは目が悪いからあまり見えないという、何ともオチのつく話だった。このライブの3日前、2月23日にリリースしたばかりの「約束」も披露。ラップのような抑揚のないメロディが逆に曲全体を盛り上げる。しかしスガは散々盛り上げておいて「段々みんなも飽きてきたでしょ。」なんて言い放つ!どれだけ自虐的なんだ(笑)。スガは最近ライブで、その場の音を多重録音するサンプラーを取り入れているが、この日もフル活用だった。ギター1本なのに音の厚みがどんどん広がり、スガのステージラスト「午後のパレード」では、ぎゅうぎゅうなフロアでみんな手を上げたり揺らしたりと、いつもこの曲でやる振り付けで盛り上がる。南国の太陽なライトがその何百もの手を赤や黄色に染めた。

もの凄い熱気を残しスガが退場すると、今度は長澤がバンドメンバーを引き連れて再登場。彼を見ていると、音楽の中にいる時だけ自信に満ちあふれ独自の世界観で他を圧倒するジミ・ヘンドリックスを思いだす。スタイルはまるで違うのだが、普段はどこか不安げなのに、ひとたびステージに上がれば孤高の美へと変貌するところが何となくそれを感じさせる。

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それでもMCではやはり少し言葉を探しながら「4月6日に1stフルアルバムを出すことになりました。皆さんのお陰です。」と、小さく言う。でもファンとしては待望のフルアルバム。大きな拍手が巻き起こった。

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このアルバム「JUNKLIFE」にも収録されている「THE ROLE」にはかなりシビれた。台詞めいた歌詞が長澤の狂気を増長させる。繊細な優しさと、エッジの効いた狂気、フレットレスギターが音を自由に上下するような独特の音階、すべてが長澤らしい。
「すみません、最後にもう1曲」といい、「零」で本編は終了。

アンコールで長澤とバンドメンバーが再び登場。「兄キを呼ぼうかと思います。」と長澤が言うと、兄キ スガ シカオ再登場!
「どうしよう…」スガと顔を見合わせた長澤はオドオドというより、単純に緊張しているように思えたが、やはり「…何か、緊張してきた。」とボソリ。
だがこの2人の「あまい果実」は、かなりヤバイ!格好よすぎる!!! 個人的見解だが、長澤はこの曲がかなり合うと思う。尖った長澤の声と倍音のスガの声が絶妙に絡み合う。

session.jpgアンコール後、鳴り止まない拍手を受け、長澤が登場。「一人でどうしよう」と、持っていたペットボトルの水をグビグビッと飲み、何も持たずに出てきた為、スタッフにギターをセットしてもらう。この人は本当に何となく出て来てしまったのかな?と思わせ、ちょっと笑ってしまった。「もう1回兄キを呼んでいいですか?」というと、背中にギターを背負って兄キ、三たび登場!
「1回キャンプでやった」と、スガが言うと、オーガスタファンの人達はすぐピンと来て歓声が飛ぶ。長澤の「真夜中のミッドナイト」だ。スガより高い声で長澤がハモる。清々しささえ感じるこのエンディングを迎え、演奏後手を出した長澤にタッチするスガ。ダブルアンコール後、会場スタッフがライブ終了を何度か告げ、やっと、本当にやっとそのトリプルアンコールを求める拍手は鳴り止んだ。


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カメラマン/杉田 真
取材・文/まさやん



<セットリスト>
■長澤知之(弾き語り)
01. ねぇ、アリス
02. 植木鉢
03. 俺はグビ

■スガ シカオ(弾き語り)
04. ヒットチャートをかけぬけろ
05. 19才
06. ひとりぼっち
07. お別れにむけて
08. サヨナラホームラン
09. 雨あがりの朝に
10. 約束
11. 午後のパレード

■長澤知之(バンド)
12. 片思い
13. ラブソング
14. 左巻きのゼンマイ
15. MEDAMAYAKI
16. THE ROLE
17. JUNKLIFE
18. 24時のランドリー
19. 茜ヶ空
20. 明日のラストナイト
21. 零

■アンコール1
22. あまい果実/長澤知之+スガ シカオ
23. 僕らの輝き/長澤知之

■アンコール2
24. 真夜中のミッドナイト/長澤知之+スガ シカオ

 

◉長澤知之 公式サイト  http://www.office-augusta.com/nagasawa/


<リリース情報>

JUNKLIFE_JK.jpg1st フルアルバム「JUNKLIFE」
2011.4.6発売
ATS-030
¥2,500(TAX IN)



 

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