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サンボマスター 究極ベストツアー 前半戦 @ C.C.Lemonホール   2011.07.01

サンボマスター 究極ベストツアー 前半戦 @ C.C.Lemonホール 2011.07.01

私のサンボマスター好きというのは、かなり周囲では有名になってきた。

SEの「モンキーマジック」も、山口隆が叫ぶロックンロールも変わらない。
でも本当は変わらないものなど何もなくて、この7月1日のC.C.Lemonホールでの「サンボマスター 究極ベストツアー前半戦」というのもやはりちょっと特別だった。

「おい、渋谷、準備はいいかー!! 」
山口の煽りが始まった。…が、「つい2週間前にSHIBUYA-AX演ったじゃないかというお叱りの声もわかっています」という言葉に会場爆笑!

そうだ、確かにこのツアー、6月10日にSHIBUYA-AXからスタートしている。
でもね、知っているんだよ。サンボマスターのメンバーもファンも。そんなことは関係ないんだということを。今、ここでどうロックンロールが出来るかが一番の問題で、一番大切なことなんだと。


座席付きワンマンは初めてのサンボマスター。これじゃモッシュできない。…って、いやモッシュしちゃいけないんだけどね(笑)ほら、山口も言ってるじゃない。「怪我をしない、させないライブに」って。でも、こういう会場でのファンの新たなノリ方というのも見てみたい。

“青春狂騒曲” のイントロが流れると、歓声が響いた。慣れない座席に戸惑いながらフロアはノる。でも、山口は…サンボマスターはそんなもんじゃ許してくれない。
「あれ?今日ライブですよね」演奏する側と、観る側。殺るか殺られるかのガチのぶつかり合い。それが出来ているからこそ、山口はなおも求める。「君たちの本気を見せてくれよ!君たちはすごいロックが出来るんだから!!」と。

「渋公(あくまでも、渋谷公会堂という言い方を貫く山口!!)というのは、もっとジェントルマンだと思ってた。いつもは数学の研究とかやってるんだけど。」ほらほら、山口がチューニングしながら、またわけ分からないこと言い出したぞ。
自分達はあくまでも普段大人しいことやってるのに、おえらいさんに無理矢理こんなことを…なんていう小芝居続けながら「木内(Dr)が脱退して、近藤(Ba)とフォークデュオになるはずだった」なんて言うから会場も大爆笑。



でも、分かち合うことの美しさと、分かち合うことの難しさを “手紙 は、確かめさせてくれるし、”週末ソウル” はオーディエンスが感じた予感とサンボマスターが信じた世界を強い力で繋げてくれる。

 

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和田アキ子さんの “あの鐘をならすのは” を歌う時に山口は言った。「こうやって、ワーッてやって音楽聴いてくれるのが希望なのよ!君たちにしか希望のにおいがしねーのよ!」
これは心底の言葉だということを私は感じていた。今回はちょっと違う。木内のバスドラとコーラスの力強さ、うねる近藤のベースや、実はものすごく上手いギターも知っている。この曲では山口の中性的にも聴こえる声の優しさを前半で感じ、サビの力強さではSOULを感じられた。そういうことも全部全部自分なりに感じ取ってきたつもりだ。でも、時間の流れの中、環境も変わる。その変化の中で変わらないものは、結局ロックンロールで繋がっているオーディエンスとの関係なのだ。
「ホールでやっているとは思えない程のガラの悪さ!でもそんな君たちを最高だと思っているんですよ!! どうせなら宇宙で一番すごいライヴをしようぜ!!!」
座席付き会場にも慣れ、 はっちゃきになってライヴを楽しむオーディエンスへのアツい賞賛に、心底興奮する!!


木内のカホンは “想い出は夜汽車にのって” で登場した。この楽器を取り入れた当初よりも深くなって音色に、山口はギターを持たず、少し肩をすぼませて歌う。あぁ、何て優しい声…。


しかし、山口の美しい声に浸りきったかと思えばパワー全開にもなる。「あの男の時間がやってまいりましたよーーー!!!」キター!近藤洋一だ!!



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「3人の中で唯一、宮崎あおいちゃんと仲良くしゃべってるんです!!!」山口のその言葉に吹き出してしまう。「ソラニン」で共演しましたもんね。そんな役者もやったDJ近藤はヴォコーダーを使い、”スローなディスコにしてくれ” を先導! ピコピコ電子音にあわせ、ステージの電飾も右へ左へ動く。山口は酔拳みたいな変な動きを見せる。


アツさが増す中、山口は「ベストに入っていない曲やっていいか? 日本中がこんな哀しいこと、嘘だと思うけど現実なんだ」と “I Love You & I Need You ふくしま” を歌う。これは猪苗代湖ズのナンバー。猪苗代湖ズとは、箭内道彦が実行委員長を務めた『風とロック芋煮会』を機に結成されたバンドで、メンバー全員が福島県出身。

ライヴもあと数曲を残すのみになり、オーディエンスは声を合わせ “世界はそれを愛と呼ぶんだぜ” と、タイトルコールするし、「愛と平和! 愛と平和!」と叫び続ける。
「今日みんな帰ったら、このすげーライブ、自慢してくれよな!」多分この日集まった2,000人全員自慢したろう。勿論私も含め。


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アンコール最後の曲 “あなたといきたい” では、ステージの背景のカーテンも幕を開き、裏側にある木製のセットや、立てかけてある長テーブルが剥き出しにされた。
剥き出しの彼らの音楽には、凝った映像やキラキラと飛ぶリボン、お金をかけまくったセットなんかいらない。こういう無骨さこそが美しいのだ。
「今日のライヴは伝説のライヴになりましたよ!」
そう山口が言うと、突如近藤はステージを飛び出した。無口な近藤の最大のメッセージを感じ、触発されたかのように山口も客席へ降りて行った。鳥肌が立つ!
もう一時もサンボマスターから目が離せなくなり、いつも以上にレポを書きなぐるノートの文字はぐしゃぐしゃだ!山口と近藤は、互いのベースとギターを交換。ステージに上がってからも端にあるスピーカーとステージのギリギリスペースにまで身を持って行き、全身全霊ロックンロールしたまま、この伝説のライヴは終了した。

山口は「すげー景色をみせてもらいましたよ!」と言っていたが、きっとオーディエンス達は言うだろう。「すげー伝説をみせてもらいましたよ!」と。

 

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写真/山本倫子
取材・文/まさやん



<セットリスト>
M1、 青春狂騒曲

M2、 これで自由になったのだ

M3、 美しき人間の日々

M4、 世界をかえさせておくれよ

M5、 手紙

M6、 週末ソウル

M7、 美しき日々

M8、 あの鐘をならすのは

M9、 想い出は夜汽車にのって

M10、希望の道

M11、スローなディスコにしてくれ

M12、君を守って君を愛して

M13、I Love You & I Need You ふくしま

M14、歌声よおこれ

M15、ラブソング

M16、光のロック

M17、そのぬくもりに用がある

M18、世界はそれを愛と呼ぶんだぜ

M19、できっこないを やらなくちゃ

・アンコール

EN1、きみのキレイに気づいておくれ

EN2、あなたといきたい



サンボマスター 公式サイト  http://www.sambomaster.com/pc/top.jsp

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