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Augusta Camp 2011 @ 横浜赤レンガパーク  2011.7.30

Augusta Camp 2011 @ 横浜赤レンガパーク 2011.7.30

台風はどこかへ行ったはずなのに、週間天気予報はずっと傘マーク。twitterでもみんな、てるてる坊主に祈りを託していたが、7月30日当日の朝、曇ってはいるもののどうにかいけそうな感じ。

今年で13回目を迎えるAugusta Camp2011の当日がいよいよ来た。夏の恒例感を感じながらiphoneに入れたオーガスタメンバーの曲達と共に横浜赤レンガパークへ向かう。到着した13時頃には、晴れ間も見え、午後への気温の上昇が想像できた。それぞれのアーティストがプロデュースする「オーガスタ食堂」や、グッズ売り場はすでに長蛇の列。

今年は 東日本大震災を受けて発表された「With a little help from MUSIC」のスローガンのもと、いつものオーキャンメンバーに加え、7月27日に世界に先駆け日本先行デビューを果たしたロンドンのロックバンド「BELAKISS(ベラキス)」がスペシャルゲストとしてステージに登場。彼らを発掘したオフィスオーガスタ代表の森川氏の挨拶により招き入れられ、7月27日にリリースしたばかりのデビューアルバムから「SAID ENOUGH」を披露。ベースのTatiaがビールを掲げ「カンパーイ!」と挨拶すれば、会場も「カンパーイ!」と盛り上がる。ブリティッシュサウンドらしいギターの歪みやコーラスワークの中、 FMラジオのパワープレイを多数獲得しているミディアムナンバー「ONLY YOU」の他、 疾走感あふれる「RUN RED」ではギターのRuariに先導され、客席からは手拍子が起きた。やはり予想的中。晴れ間はどんどん広がり気温も上昇しテンションもあがる。
 

07307598_natsukore.jpg本編になり、出演メンバーが全員登場すると歓声が沸き、必死に日焼け止めクリームを塗っていた手は拍手へと変わる。あぁ、遂に来た!! という高揚感を福耳の「夏はこれからだ!」が一気に盛り上げてくれ、最後に秦 基博が「オーガスタキャンプ、始まりまーす!!」と叫ぶと、1万5千人の歓声が響いた。
冒頭、森川氏も言っていたが、今年は震災後初のAugusta Camp。観る側も演る側もそれぞれの想いを胸にこの夏の想い出はスタートした。
 

IMG9972_music.jpg今年のオーキャンならではのセッションは “繋がる” がテーマということで、COILの岡本定義と共演するのは長澤知之。2人のギターヴォーカリストはオープニングらしく軽快にCOILのナンバー「ミュージック」を聴かせてくれ、次のハタクヤ(大橋卓弥・秦 基博)へと繋げる。ハタクヤに挟まれる形となった岡本の「オーガスタの健康優良児に挟まれた、もやしっ子」 発言には会場も大爆笑。あぁ、今年も健在だ!このアットホームな雰囲気は!!!

0730774_8BIRDS.jpgしかしサウンドでは切なく美しいコーラスワークのCOILナンバー「BIRDS」できっちり聴かせてくれ、会場からは大きな拍手が湧いた。そして山崎まさよし、元ちとせ、あらきゆうこを招き入れ、さだまさよし(山崎まさよし・岡本定義)プロデュースのナンバー「やわらかなサイクル」を演奏。

07307774_yawaraka.jpgあらきのドラムセッションとギター、元の歌声は心地よく海沿いの風を受けながら爽やかに広がる。

COIL岡本定義のステージは終了し、ステージに残った元はゆったりとした服を指しながら「ダライラマ風の元ちとせです」というと、会場からは「可愛い!」の声。あらためて挨拶をすると「心をこめて歌います。ちょっとだけお付き合いください。」といい、3年ぶりのニューシングル「永遠(トワ)の調べ」、そして「カッシーニ」を披露し一瞬にして元の世界観に染め上げた。

hajime.jpgしかし歌い終わると一気にいたずらっぽい笑顔で「私の次に人気がある、あの人達を呼びたいと思います。」と、スキマスイッチの2人を招き入れる。3人で歌うスキマスイッチの「雫」は、元の昨年リリースしたカヴァーアルバムに収録され、NHK教育テレビ アニメ「獣の奏者エリン」のオープニングテーマでもあるが、なんとこの日がライヴ初共演! パーカッションとアコーディオンの音色、大橋と元のハーモニーが海風に溶ける。
 

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sukima0730.jpg元が退場。スキマスイッチのステージになると、配信でリリースされた「センチメンタル ホームタウン」に続き、1月にリリースの「さいごのひ」を披露。大橋の力強い歌声と常田が奏でる壮大なメロディ。しかし、大切な人を想うという人間としての根本的でシンプルな歌詞に会場は引き込まれていた。
 

07307935_view.jpgステージには杏子が登場。白いレースのキャミソールに水色のスカートという出で立ちに常田は「姉さん、可愛い」と一言。会場も「可愛い!」だけどさすが杏子姉さん!「聞こえない!」と、更に会場を煽る。いつのオーキャンでもそうであるように、この日の杏子さんも明るい笑顔と存在感でステージ最後尾ブロックまで呼びかけ、会場を一体とさせる。しかし歌ではしっとりとしたバラード「あの日から遥か遠く」や、幻想童話からインスパイアされた「青猫」を繊細に歌いあげた。

杏子のコールで登場したさかいゆうは「オーガスタキャンプって、何でこんなに緊張しないんでしょうね。みんなが家族みたい」と言い、会場を湧かせた。

今回2人が歌ったのは杏子がシングルリリースしているスガ シカオ作品の「Happy Birthday」。この日はドラマーとして入っていた阿部耕作(THE COLLECTORS)の誕生日であり、数日前には岡本定義、スガ シカオも誕生日を迎えている。そして「7月生まれのというと不公平になるから、今年Happy Birthdayを迎えるみんなに!」と言い、杏子はピアノを弾くさかいの隣りに座ると、そのハスキーヴォイスと、さかいのシルキーヴォイスは涼しさを伴った夕暮れに絡まる。

杏子が退場し、さかいゆうのステージへ移行すると挨拶をしながら「後ろの方、私たち米粒みたいで申し訳ないですがー…Are you ready? Augusta!! ヨコハマーー!!」と、シャウト。3月にリリースした「ONLY YU」では新たなさかいゆうの世界を見せつけてくれ、ちょっとした衝撃だった。その止まることない才能と歌声は会場一体となった「It’s YOU」のグルーヴに表れていて、揚がったヴォルテージをオーバーヒートさせることなく「夏のラフマニノフ」で優しくクールダウンさせてくれる。
…が、雲行きがかなり怪しい。折角「いいライヴ日和になりました」といいながらイントロを奏で始めたのに、ポツリポツリと雨の気配。

「…雨?サイテー、さかいゆう!!」と自ら叫ぶと、会場は慌ててカッパを着ながらも妙にテンションが揚がっていた。”午後の通り雨” という歌詞部分で笑ってしまうさかい。こういう肩肘張っていない自然な感じがいい。
 

07308077_uroko.jpgステージには秦 基博が登場。秦とさかいの2人はアツい抱擁。秦の「鱗(うろこ)」のイントロが流れると歓声と大きな拍手が起こった。少し質の違う、でも包み込むような2人のハーモニーはなんと美しいんだろう。会場がそうであったように私もまた、その歌声に酔いしれていた。

「休憩ーーーーー!!!!!」秦とさかいのかけ声で、約1時間の休憩に入り、人の波はトイレや飲食ブース、グッズ売り場の他、当然「オーガスタ食堂」へと流れていった。大桟橋に発着する大型客船が汽笛を鳴らし、席にいる観客は手を振ったり歓声をあげたりしている。

休憩時間が終わるとバンドが登場し、ステージに音が戻ると秦 基博も再び登場。

07308227_hata.jpgそのイントロが震災後生まれた新曲「水無月」に変わり、” 単純な言葉で今愛を歌おう” というストレートなメッセージが、冷たさをはらんだ空気に乗りながら、最後尾まで丁寧に届く。続く「新しい歌」のアウトロで巻き起こるラララ〜の大合唱。右へ左へとリズムをとるみんなの手の動きや歌声をマイクから離れ、じっと見ている秦。その笑顔につられるように、こちらまで笑顔になってしまう。

「それではここで、山崎まさよし!」と秦は山崎をステージに呼び寄せる。 2人だけで歌う、山崎まさよしの名バラード「心拍数」 は山崎のブルースハープにタイミングを合わせるような少しのブレイクの後からのギターがしびれる。そして質は違えど繊細さと力強さを併せ持つ2人の切ない歌声に会場は大きな拍手をむけ、秦は退場。

「待ち時間が長かったので、ほのかにおビールを」と、ステージに残った山崎がほわんとした口調で語る。こんなカッコイイ歌を聴かせてくれたばかりなのに…と、つい心の中で突っ込む。が、それも山崎らしく、何となく納得。ここで大橋卓弥が登場。「ヤマさんと演らせてもらうのは初めて」と言うと、2人でお酒を飲んだ話や、大橋が山崎に憧れてオフィスオーガスタに入った話などをする。ここでもやはり二人きりのギター弾き語りで聴かせてくれたのは、山崎まさよしのライブ定番曲「十六夜」。

07308308_izayoi.jpg冗談めかしに、「心の距離がある」などと言いながらも、出音から音楽で繋がっている感じが伝わり、客席からは感嘆のため息で溢れる。

その後ひとりとなった山崎は、再びステージにバンドを呼び込み、ピアノの前に座ると昨年夏にリリースしたバラード「花火」を披露。今度はエレキギターに持ち替え、「Bob Marleyの「Redemption Song」から夏のレゲエ・ナンバー「晴男」へと繋げるが、ここで大雨が降り出す。しかし、曲に背中を押されるようにテンションが揚がった会場は大盛り上がり!!

yamazaki.jpgボルテージがかなりあがったところで長澤知之が登場。二人で山崎の「真夜中のBoon Boon」をプレイ。会場が腕やタオルをブンブンとまわすと、長澤は山崎がいつも言っている “だけど、涙が出ちゃう。だって男の子だもん “ という台詞を言う。これには会場再び大盛り上がり!

でも盛り上がっているのは会場ばかりではない。ギターセッションでみせる山崎と長澤の言葉なき会話は、確実にボルテージが揚がっている。2人は互いのギターネックをすりあわせながら、ひたすら歪む音を楽しんでいた。こういうライヴ感がたまらなく好きだ!

湯気が出そうな程の熱気の中、ステージに残った長澤知之は未発表のバラード「カスミソウ」を弾き語り、その後バンドを迎えると、4月にリリースしたアルバム「JUNKLIFE」から「明日のラストナイト」を演奏。繊細さゆえのあたたかさと攻撃性を併せ持つ彼の世界に、ただひたすら聴き入る観客の立ち姿が印象的だった。


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すっかり辺りは暗くなり、ステージライトに照らされながらライヴもいよいよ終盤戦。
雨が強さを増すなか、長澤は「お友達を呼ぼうかな」といい、登場したのはスガ シカオ。なんと、傘をさしているではないか。しかも悪魔のように笑いながら(笑)「あんたのせいだぞ」笑いながら長澤は言う。たぶんスガは長澤を本当に可愛がっているのだろう。その関係性がみえておもしろい。「何かみんな、俺に言いたげだね」とスガが言うが、雨男で有名なスガはどうも楽屋で雨を呼び込んでいたという(笑)。
 

07308596_pssos.jpg気を取り直して(?)2人は長澤知之の代表曲「P.S.S.O.S.」を歌うが、ミュージシャンとして濃厚な個性のスガ シカオと長澤知之のセッションは実に鮮烈で刺激的だった。

長澤を送り出すと、スガはCOIL岡本定義とさかいゆうを呼び込み、「みんな踊ってくれ!!午後のパレード!!」とシャウトすれば、サビでPVでおなじみのダンサーも登場し、ステージはヒートアップ! さかいゆうの超絶キーボードソロも炸裂し、雨が降ろうが、雷が鳴ろうが、もうこうなったら関係ない!! 興奮で会場中が笑顔に包まれている。

IMG8489_suga.jpgスガは若干時間が巻き気味の為に急遽もう1曲演ることなったステージに、秦 基博を呼び込んだ。急遽決まったので、秦も当然急遽言われたらしくネタ半分本気半分で、歌詞カードを持って登場。会場は爆笑と歓声が入り交じっていた。「お前、よく来たなー!」というスガの言葉に「あなたが呼んだんでしょ!!!」と思わずツッコむ秦。しかし、さすがというべきだろう。スガの珠玉の名バラード「愛について」の二人セッションは急遽というわりには贅沢すぎるほど、息があった素晴らしいものだった。
秦を送り出し、再びバンドを呼び込むと、8月10日にリリースしたアルバム「SugarlessⅡ」から新曲「コーヒー」を披露。甘く切ないバラードでもその魅力を発揮した。

そしてここでスガがステージにアーティスト全員を呼び込み「珍しいかもしれないけど、今日の趣旨にもあっているということで、この曲をやります。」と、kokuaとしてシングルリリースされ、スガ自身も東日本大震災復興支援スタジオLIVEでも歌っている「Progress」のイントロが響く。出演メンバーが”あと一歩だけ、前に進もう” とヴォーカルを歌い継ぐ。逆境から立ち上がり、そこ光を見いだそうと感じさせる楽曲の持つ強さとメッセージ。この日集まった15,000人はそれぞれの胸にその想いを刻み込んだだろう。

時折光る雷と共に雨脚を弱めない天候の中、熱いアンコールを受けて再び出演者がステージにあがる。恒例となった女性軍の浴衣姿に会場からは「可愛い!」の声。杏子はこれから歌う、福耳の「ALL OVER AGAIN」に対して「もう一度やり直すという意味があります。ここにいるみんなが元気でいることが被災地に向けてのエールになると思うし、隣に居合わせている人との絆を感じてほしい。今日はありがとうございました!」と感謝しながら全員が歌い継ぎ、バンドも含め、総勢16人による圧巻のサビの合唱に、まだまだこれから一緒に頑張ろうという熱いメッセージを感じた。

07308922news_un.jpg最後は13年前のオーガスタキャンプから歌い継がれているこのイベントの定番、福耳のデビュー曲「星のかけらを探しに行こう Again」。この曲を聴くと、あぁ夏がひとつ終わって行くという少しの寂しさと、今年も楽しかったAugusta Camp 2011での心地よい疲労感を1万5000人の観客と共に感じる。ひとりひとりの歌声が大合唱となり響く中、腕を振るたび、お揃いのグリーンのリストバンドが揺れる。6年前の赤レンガパークでのAugusta Camp同様、今年のAugusta Camp 2011も最後は雨で締めくくったが、多分来年この時期になると「去年のオーキャンは雨でさぁ」とみな笑顔で言うのだろう。それを楽しみにしながら雨に咲く花火でAugusta Camp 2011は幕を閉じた。


カメラマン/岩佐篤樹
取材・文/まさやん



セットリスト
Special Guest:BELAKISS 
M1    SAID ENOUGH
M2    TURN AWAY
M3    ONLY YOU
M4    YOU ARE THE ONLY ONE
M5    RUN RED

本編
< >内は楽曲のオリジナル・アーティスト、表記なしは歌い手と同じ
M1    夏はこれからだ! <福耳>/All Stars
M2    ミュージック <COIL>/COIL+長澤知之
M3    BIRDS <COIL>/COIL+大橋卓弥(スキマスイッチ)+秦 基博
M4    やわらかなサイクル <元ちとせ>/COIL+元ちとせ+山崎まさよし+あら
きゆうこ
M5    永遠(トワ)の調べ/元ちとせ
M6    カッシーニ/元ちとせ
M7    雫 <スキマスイッチ、元ちとせ>/元ちとせ+スキマスイッチ
M8    センチメンタル ホームタウン/スキマスイッチ
M9    さいごのひ/スキマスイッチ
M10    view <スキマスイッチ>/スキマスイッチ+杏子
M11    あの日から遥か遠く/杏子
M12    青猫<杏子>/杏子+あらきゆうこ
M13    Happy Birthday <杏子>/杏子+さかいゆう
M14    It's YOU/さかいゆう
M15    夏のラフマニノフ/さかいゆう
M16    鱗(うろこ)/<秦 基博>    さかいゆう+秦 基博
休憩
M17    introduction〜水無月/秦 基博
M18    新しい歌    /秦 基博
M19    心拍数 <山崎まさよし>/秦 基博+山崎まさよし
M20    十六夜 <山崎まさよし>/山崎まさよし+大橋卓弥(スキマスイッチ)
M21    花火/山崎まさよし
M22    Redemption Song<Bob Marley>〜晴男/山崎まさよし
M23    真夜中のBoon Boon <山崎まさよし>/山崎まさよし+長澤知之
M24    カスミソウ ※未発表曲/長澤知之
M25    明日のラストナイト/長澤知之
M26    P.S.S.O.S. <長澤知之>/長澤知之+スガ シカオ
M27    午後のパレード <スガ シカオ>/    スガ シカオ+岡本定義
(COIL)+さかいゆう
M28    愛について <スガ シカオ>/スガ シカオ+秦 基博
M29    コーヒー/スガ シカオ
M30    Progress <スガ シカオ>/All Stars
アンコール
M31    ALL OVER AGAIN <福耳>    /All Stars
M32    星のかけらを探しに行こう Again  <福耳>/All Stars


◎オフィスオーガスタ 公式サイト
http://www.office-augusta.com/

 

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