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髭『野音ちゃん』@日比谷野外大音楽堂 2011.9.23

髭『野音ちゃん』@日比谷野外大音楽堂 2011.9.23

IMG_3441_20110926.jpg髭が9月23日、日本コロムビアへの移籍を発表。その同日『野音ちゃん』と銘打った初の野音ライヴは台風の影響も何のその、朝の曇り模様からどんどんと晴れ渡り、絶好の野音日和となった!

須藤寿(Vo,G)が1つ1つオリジナルペイントを施した菅傘を首からぶら下げている人や、携帯で友達の場所を探しては手を振る人の姿があちこちで見受けられる。スタート前の野音の、このノンビリとした開放感が好きだ。

「アメリカに行きたいかー!」という福留アナの叫び声が聴こえてきそうな(若い人は知らないかもしれないが)SEにのり、色々な国の国旗をまとってメンバー登場。

後のMCでも触れられるが、この日の衣装は8月にタワーレコード限定シングルとしてリリースした約1年ぶりの新曲『ロックナンバー ~NO MUSIC,NO LIFE.~』のPVと全く同じもの。髭ライブは初参戦なので、ここからどんな旅が繰り広げられるか予想も着かぬまま、新曲 “それではみなさん良い旅を!” でライヴはスタートした。

ツインドラムにトリプルギター、そしてベース。そんな男性6人編成。とにかく音が厚い!!
バンドサウンドらしい生の迫力を好む私としては、1曲目からキター!という感じ。
黙々と身をかがめてドラムに向き合う佐藤"コテイスイ"康一のしなやかなドラムと、俯瞰(ふかん)するように全体を見渡す川崎"フィリポ"裕利の固めのツインドラムは、一見パンチのみで打ち出しているようだが、網の目を縫うように繊細な音も作り上げている。

昨年から正式メンバーとなった會田"アイゴン"茂一が、プロデュースという形で携わった2006年のアルバム『PEANUTS FOREVER』から “MR.アメリカ” のイントロを鳴らすと、オーディエンスは沸き返った。
須藤は大きめのアクションで歌詞の世界を明確にさせ、 アイゴンも斉藤祐樹(G.Pf)も宮川トモユキ(B)も前へ前へと飛び出し、ギターやベースで更にオーディエンスを煽る。

「日比谷ー! 髭ちゃんですよー!」

須藤がテンション高く叫ぶと、止めることなくどんどんと曲を進め “髭よさらば” では、ドラムセットから離れた川崎が、ステージ端から端までダッシュして踊ったかと思えば客席にまで乱入!  続く”サンシャイン” では緩やかなリズムと、小刻みに響くタンバリンのシンバルが心地いいし、エレクトロな音でタッピングする アイゴンのギターにコミカルなリリックとメロが特徴的な”嘘とガイコツとママのジュース” も面白い。

「今夜は最高の夜だ」

須藤はこの日何度その言葉を口にしただろうか。そして「僕らは今、たくさんの新曲を書いているんだけど、新曲聴いてもらってもいいかな」と言うと歓声と拍手の中、新曲 “ラブ・ファントム(Let’s go!)を披露。改めてのメンバー紹介では、拡声器を使って叫んだ佐藤だったが、一番最初音が出ずに斉藤から「おじさん、慌てちゃったから最初スイッチ入ってなかったよ」と笑われ、会場からも楽しげな笑いが起こる。 アイゴンは「みんなちょっと静かにして。別にオナラとかしないから」なんて言うから、やっぱり笑わせるのかと思えば、「これ、虫の声だよね」と、日比谷の都心に響く虫の声に耳を傾け、野音は一瞬静まり返った。そういえばこの間までの野音で演奏と共に響くのは蝉の声だったのに、気がつけば雲が移ろうように、そこで響く声もいつしか虫のものに変わっていた。野外の素晴らしいところは、こういう様々な風景をみんなで共有できることだ。

ステージから放たれる照明がどんどん力を増すライヴ後半、出来立ての ”ロックナンバー” で一気にボルテージ急上昇!ステージのライトはひたすら点滅しながらオーディエンスを煽り、”テキーラ!テキーラ!”では、イントロのギターリフからすでにテンションMAX!! お腹にはバスドラが響き、足下からはオーディエンスのリズムを感じる。ビール片手に私の横をくるくる踊るオーディエンスのご機嫌な笑顔。

「みんなと会えるって生まれた時は思ってもいなかったよ。死ぬ迄生き続けるから!」

須藤はカッコイイのか、天然的に笑いをとれるキャラなのか紙一重(後者が有力だろう)のトークを繰り広げる。でもちょっといいと思ったのは「何か、みんなとはうまくいかないって思った。20代の頃は。でも30代になったらみんなのことが好きで好きでしょうがなくなった」という言葉。…でも、あれ?もう飲んでます?須藤さん。その片手に持ってるのビールですよね(笑)

新曲”魔法の部屋” で本編が終了すると、アンコールではビール片手に再登場したメンバー。

須藤は「ここまでは決まっている。ここからはパーティーだ。予定にないことだからね。楽しもう!」と言った。実際、セットリストにもアンコールは載っていない。ミディアムな”青空” で、パーティーがスタートすると、ここでこの日の衣装話になり、宮川は須藤から「そんな色のヒョウはいないから!」と、グリーンのヒョウ柄シャツのことを突っ込まれ、居酒屋トーク並みのユルさでメンバーもリラックスしている。しかし「いつもふざけてばかりだけど、ふざけてばかりじゃいられないの。移籍しました。」と、ここで日本コロムビアへの移籍を正式に須藤の口から発表。でもファンとの繋がりには何も関係ないと言いながら、12月にリリースのアルバムのことにも触れ、「そのアルバムをひっさげてみんなの町へ行くよ!俺の方からさ!!」と、須藤は弦が切れたギターを変えることなく、グルーヴを切らすことなく ”ダーティーな世界(Put your head)”  で、この初野音は幕を閉じ、メンバーの退場後、SEが流れ始めてもしばし拍手は鳴り止まなかった。


カメラマン:WATARU UMEDA
取材・文/まさやん



<セットリスト>
M1. それではみなさん良い旅を!
M2. MR.アメリカ
M3. B級プロパガンダ
M4. 黒にそめろ
M5. ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク
M6. 髭よさらば
M7. サンシャイン
M8. せってん
M9. 嘘とガイコツとママのジュース
M10. ラブ・ファントム(Let’s go!)
M11. ママ’s 理論
M12. ヒサシ.カリメロ
M13. マヌケなクインテット
M14. ブラッディーマリー、気をつけろ!
M15. ロックナンバー
M16. テキーラ!テキーラ!
M17. ロックンロールと五人の囚人
M18. 虹
M19. 魔法の部屋

en1. 青空
en2. トロピカーナ
en3. ドーナツに死す
en4. ダーティーな世界(Put your head)


■ 髭 公式サイト
http://www.higerock.com/


IMG_3485_20110926.jpgIMG_3915_20110926.jpgIMG_4091_20110926.jpgIMG_4174_20110926.jpgIMG_3507_20110926.jpgIMG_3597_20110926.jpgIMG_3625_20110926.jpgIMG_7694_20110926.jpgIMG_7253_20110926.jpg



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セットリスト

M1. それではみなさん良い旅を!
M2. MR.アメリカ
M3. B級プロパガンダ
M4. 黒にそめろ
M5. ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク
M6. 髭よさらば
M7. サンシャイン
M8. せってん
M9. 嘘とガイコツとママのジュース
M10. ラブ・ファントム(Let’s go!)
M11. ママ’s 理論
M12. ヒサシ.カリメロ
M13. マヌケなクインテット
M14. ブラッディーマリー、気をつけろ!
M15. ロックナンバー
M16. テキーラ!テキーラ!
M17. ロックンロールと五人の囚人
M18. 虹
M19. 魔法の部屋

en1. 青空
en2. トロピカーナ
en3. ドーナツに死す
en4. ダーティーな世界(Put your head)

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