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ミドリカワ書房

ミドリカワ書房 "愛のワンマンリサイタル" 〜秋ののぼせろ〜 @ 渋谷クラブクアトロ 2011.10.26

midoshin2.jpg”ミドリカワ書房” という、ミュージシャンだか本屋さんだか分からない名前のソロシンガーが徳間ジャパンに移籍後、7月にアルバム『愛にのぼせろ』をリリース。そのアルバムをひっさげた<弾き語りTOUR 2011 “愛にのぼせる夏休み!” >では会場に東京が入っていないことを不服…もとい、残念に思っていたので、首を長くしてこの日を待ち望んでいた。

季節は夏から秋に移ろい、タイトルも<愛のワンマンリサイタル"〜秋にのぼせろ〜>へと変わり、10月26日(水)、やっと来た!という想いで渋谷クラブクアトロへと足を運んだ。

SEは勿論、彼の大好きなハマショウ。登場ポーズは勿論、彼が大好きな武藤敬司プロレスLOVEポーズ。いつも通り真っ白なコットンシャツを着て…あ、髪は少し短くなっている。相変わらず色白男子だな。

7月にリリースした『愛にのぼせろ』の1曲目 “グッドモーニング” でライヴはスタート。
続く” ミドシンを聴きながら” だが、ミドリカワ書房こと緑川伸一をファンはミドシンと呼ぶ。私も取材で普段呼ぶようにミドシンさんと呼ばせてもらっていた。癖ってコワいねぇ。

さて、話はずれたが、吉田拓郎のようなメロディのこの曲は、その題名の通りミドシンライヴで出会った2人のことを歌っている。実際こういうシチュエーションはあるかもしれないと考えながら、リズムをとるオーディエンスの顔をみていた。
自らをJ-POP界の無頼派と称し、ライヴでもきっぱりイケメンと言いきりながら、すでにハァハァしているミドシン。”顔2005” は普段なら後半でやるらしいのだが、激しく盛り上げたこの曲をこの日は3曲目に持って来たのが原因らしい。

「ワタシ、かつても暗い歌ばかり歌っていたわけじゃなく…いや暗いか」

”顔2005”もそうだが、いわゆる、タブー的要素が多く含まれる題材を選んだミドシン作品(ちなみにこの曲は整形手術のこと)は、フォークや昭和のムード歌謡的フレグランスをプンプンさせて、時にコミカルに、時にほろりとさせてくれる。

可愛げなポップメロディにのせた “誰よりもあなたを” は、実はストーキングのことを歌っている。知らずにPVを観た時は軽くゾッとした。でも、ライヴでもあくまでも軽快さを崩さずにいるので、つい一緒に「ユウヤ君〜♪」と口ずさんでしまう。
このユウヤ君はラーメン屋さんに勤めていて、曲が終わるとミドシンはこのライヴの前日に行ったラーメン屋さんのことを語った。それはあっさりしたもので、どうやらミドシンの口には物足りなかったらしい。

「ワタシはやっぱり店がきったなくて、コテコテしたラーメンが好きだわ」妙に遠い目をして女言葉でそう言う。この女言葉がまったく気持ち悪くないのが逆に気持ち悪い(笑)。変にハマっている。

「性について歌った歌がワタシ最近増えまして…」その言葉にオーディエンスからは期待をこめた笑いが起こった。
中盤戦はピンクブロック。”保健室の先生” では、これでもかと怪しいピンク色にミラーボールが光り、フロアも変に色めきだす!キター!!!という感じ。この曲、歌の途中に小さく悶え声が入っているが、その部分を突如オーディエンスへ求めたミドシン。

オーディエンス、戸惑いながらも「あぁ〜ん」と悶える。
「そうよ、そういうこと。CDにも入ってるでしょ! ワタシがやってもしょうがないし」なんていうが、まぁ普通のコール&レスポンスとは違うからそりゃみんな恥ずかしがる。
「そんなんじゃないんじゃないですか、普通は。照明もそういう風になっているじゃないですか!」そう言いながら何度かフロアに悶え声をさせるミドシン。そりゃミドシンさん、普段の性生活での悶え声は出せないでしょ。しかしその照れが逆におもしろすぎる!!!
フロアに変な一体感が生まれた気がしたし。

「バラードを聴きに来た方はここで集中して!泣ける歌だから遠慮せずに泣いてくださいね」そう言うと、ピアノは男の悲恋 ”君は僕のものだった” のイントロを奏でた。
オチがあるとちゃんと分かっているし、男目線なんだけど、メロディの美しさに思わずジーンとしてしまう。

徳間ジャパンに移籍前の話だが、A面にいれようとして猛反発を喰らい実現しえなかった”それぞれに真実がある” が終わると、肩がいたくなっちゃったと言ってギターを置き、”こちょばしっこ” では手をこちょこちょとくすぐる仕草をみせる。
「少ないアップナンバーは歌いましたし、佳境ですよ!」と言いながら、最も知られている曲と紹介した “リンゴガール” にフロアの手拍子も弾む。

ラスト前の”さらばグッバイ” が終わるとミドシンは「この曲で終わると思ったでしょ」と笑い、オーディエンスも笑う。「もう少しで33歳なので、はしゃいでばかりいられないからドッシリこの歌を歌ってお別れしたいわ。」と言うと、オープニングが ”グッドモーニング” ならやはり本編最後は『愛にのぼせろ』のラスト曲”熱海” で本編終了。

アンコールをうけ出て来たミドシンはライヴTシャツ「働かずに生きてゆきたいTシャツ」の新たな茶色ヴァージョンを着て再び登場。

最後の最後で自らを売れないシンガーソングライターとか、社会のゴミとか卑下しながら、それでも「こうやってお客さんが来てくれると、歌ってていいと思える」と語り挨拶した。でもやっぱりミドシンの口からは綺麗な言葉ばかりは出てこず「ライヴって緊張するし面倒くさいし…」などというものだからフロアは大爆笑。まぁこの正直さがいいんだけどね。

このTシャツに書いてある言葉を冒頭から歌った “ だまって俺がついて行く” でライヴは幕を閉じた。

アルバム『愛にのぼせろ』ですっかりミドシンにのぼせ、他タイトルにまで手を出し始めた私は、今回の<愛のワンマンリサイタル"〜秋にのぼせろ〜>で再びミドシンにのぼせた。一種の中毒だね。しかも結構効き目は強い。だって、こうやってレポを書いている今でさえ、あぁまた最初から観たいと思ってしまっている位だから。


取材・文/まさやん

※写真は10月23日 大阪・心斎橋BIGCATです。

■ ミドリカワ書房公式HP
http://www.mido-shin.com/

フォトギャラリー

セットリスト

M1、グッドモーニング
M2、ミドシンを聴きながら
M3、顔2005
M4、ユミコ
M5、愛なるは
M6、誰よりもあなたを
M7、君と今夜こそ
M8、保健室の先生
M9、片想われ
M10、君は僕のものだった
M11、それぞれに真実がある
M12、こちょばしっこ
M13、昨日
M14、リンゴガール
M15、魔法にかけて!
M16、心
M17、さらばグッバイ
M18、熱海

<アンコール>
1、コスモス
2、だまって俺がついて行く

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