twitter twitter
ドレスコーズ LIVE at 渋谷Milkyway 2012.7.14

ドレスコーズ LIVE at 渋谷Milkyway 2012.7.14

IMG_180320120719235637.jpg7月14日(土)、渋谷・Milkywayの2周年イベント<2nd Anniversary The mansion of public music>に、ドレスコーズの出演が急遽決定した。


Milkywayが入っているビルは、キャパ250人前後のライブハウスがいくつか入居し、時折配管を通じて違うライブハウスの音をうっすら拾うことがある。その雑多感やフロア全体で音が混ざり合う感じなど小さなライブハウスの生々しいニオイを作り、ワクワクする。

毛皮のマリーズ解散後、志磨遼平はしばし潜伏していたかと思えば、新たに結成したのが、このドレスコーズというバンド。インディーズでもカリスマ的人気があった毛皮のマリーズは、2010年にメジャーデビューで話題を集めたかと思えば、2011年12月31日をもって解散という衝撃はまだ記憶に新しい。

そしてドレスコーズとして7月11日にリリースしたばかりのデビューシングル『Trash』は、毛皮のマリーズ後期に見せた、オーケストラ的美しい旋律とは全く違う、実にシンプルなバンドサウンドで、とにかくカッコ良かった。だから、このライブはとても興味深く、特に6月の1stライブツアー<Before The Beginning>を見損じてしまった私は、初のドレスコーズライブにいささか興奮しながら、端とはいえかなり前方でペンを走らせていた。

この日は、5組出演のトップバッター。
先に書いたように、本当に急遽決まったこのライブのチケットを、運よくゲットした人達は、今や遅しとフロア前列でドレスコーズの登場を待っていた。
床置きのスポットライトが、奥行きのあるステージの背後から暖色系の光を送ると、メンバーが登場。私同様、この日初めてドレスコーズを観たという人は多いだろう。
しばらくぶりにみる志磨へ、そして新しいドレスコーズというバンドに期待の歓声と拍手が湧く。

黒の革ジャン姿の志磨は、会場に背中を向けて、ウォーミングアップのようにSEに乗りながらリズムをとる。


The Beatlesの”Ticket to ride”のような”Trash” のイントロのが流れると、歓声は更に強まり、それに負けずとも劣らぬ勢いで、菅 大智のドラムが着火する。
取材の際、メンバーはふざけて「ドラムがうるさい!!」と笑っていたが、うるさいかどうかは別としても(笑)、実際、菅のドラムはものすごいインパクトとパワーを持っていた。

キース・ムーン(THE WHO)を敬愛する菅のドラミングは、まさに、キースのようで、さながら67年の<Monterey Pop Festival>と言いたいところだが、これは渋谷のライブハウスであり、ここに居るのは”THE WHO”ではなく、紛れもなく”ドレスコーズ”なのだ!


ヘソ上までの革ジャンから細いウエストを露にして、昨年より少し短くなった髪をぐしゃぐしゃと手で乱しながら歌う志磨。マイクスタンドに撓垂れてみたり、手を大きく上げてみたり、キックしてみたりと、相変わらずその長身の体をあますことなく表現の道具として使う。

しかし、このバンドは志磨だけでなく、全員身長が高く、それだけで華がある。
特に一番身長が高いギターの丸山康太は、アシンメトリーの髪を少しだけ揺らしながら寡黙にギターと向き合うが、内側に最も熱いとされる青い炎を秘めているかのようにも見え、ベースの山中治雄は、体で小刻みにリズムをとりながら、菅と共に時折コーラスをいれる。

「こんばんはー。俺たちドレスコーズといいます。今日は最後まで楽しんで帰って下さい。」

志磨は、少しひねた笑いを口元に浮かべながらそう挨拶した。この日は『Trash』の収録曲+新曲3曲、計6曲を披露したが、MCはこの1回のみであとはひたすら演奏をしていた。
志磨は、額に手をあてて遠くのオーディエンスまで見渡す仕草をしたかと思えば、目の前かぶりつきで観ているオーディエンスを指差したり、とにかく止まっていることがない。そのアプローチもそうだが、妖艶な目つきと声の存在感はやはりかなり大きくオーディエンスを魅了する。



パリ・ミュゼットのイメージと言っていた「TANGO,JAJ」は、強さと丸みがあるドコドコとした独特のドラムが特徴的で、志磨はイントロでまるで踊り子のようにしゃがみこんだまま手を高く上げ、その独特なメロディに細く長い指を絡ませる。後半に入る菅の「ラララララーラ♪」という低いコーラスもやはり特徴的で、フロア全体がその軽快かつ哀愁のあるサウンドに揺れた。



この日、ドレスコーズ最後の曲となった「パラードの犬」では、志磨と丸山が互いのサウンドを調和させるように向き合いながらギターを弾く。
何とも切なげなメロディと詩的美しさが志磨の口から気だるく甘くささやかれるこの曲は
『Trash』の中で、私は一番志磨らしい曲だと感じていて、他の曲とは対照的に抑え気味なドラムと、丸山の細かくクリアな音を響かせるギター、強い主張というよりは、骨組みとしての存在感が強い山中のベースが、歌が終わった後もひたすら演奏を続け、徐々にギターの歪みがフロア全体を包み込み、それまで乗っていたオーディエンス達はリズムをとることをやめ、ただただその音響に聴き入っていた。
ボリュームを上げ、いつまでも混ざり合う音達に、モッシュやダイブのような体的衝動ではない、 心の奥底から沸き上がる衝動を覚えた。


ギターを置いた丸山に続き、志磨も退場、山中は、志磨に肩を軽く叩かれ、それに促されるように退場。最後に残った菅のドラムの音と、ギターのフィードバックが響き渡り、菅も退場し、残響音だけとなったステージには、登場の時より大きい拍手と歓声が注がれた。


TEXT/まさやん


■ ドレスコーズ オフィシャルHP
http://the.dresscod.es/

■ ドレスコーズ インタビュー掲載中
http://mfound.jp/interview/dresscodes.html

フォトギャラリー

Interview

Live Report

Blog

ページの先頭へ

ホーム | プレスリリース | プライバシーポリシー | 広告に関しまして | お問い合わせ

  • facebook
  • ツイッター