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フジファブリック<徒然流線TOUR 2012>@恵比寿LIQUIDROOM  7月19日

フジファブリック<徒然流線TOUR 2012>@恵比寿LIQUIDROOM 7月19日

6月1日、東京・新宿LOFTからスタートしたフジファブリックのツアー<徒然流線TOUR 2012>が、7月19日の追加公演で東京に戻ってきた。全24公演のファイナルは東京・恵比寿LIQUIDROOM。山内総一郎(Vo/G)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(B)による新体制初のシングル「徒然モノクローム/流線形」が5月にリリース。そのシングルを携えての今回のツアー。当然だが、追加公演となるLIQUIDROOMのフロアには人が溢れていた。

ほぼ定刻通りにライブはスタート。声援を受けながらメンバーが登場するとそれぞれの音が、序曲的メロディを奏で、リズムを刻む。ステージライトが雷のようにフラッシュし始めると、1曲目の”TAIFU” から一気にボルテージはフルボリューム!
瞬くライトと、背中でギターを弾く山内、金澤は椅子の上に立ち上がると、マイクスタンドを持ち上げ、オーディエンス達は歓声と共に細かいハンドクラップをうち鳴らし、ドラマ/映画『モテキ』のテーマ曲でも話題となった”夜明けのBEAT”に続くと、関係者エリアですら、大盛り上がり!

MG_040520120727130938.jpg「俺たちが…(ここでオーディエンスから笑い)フジファブリックだ! ヨロシク!!(山内)」、「ヨロシック〜(金澤+加藤)」「東京帰ってきたぜ! ヨロシク!(山内)」、「 ヨロシック〜(金澤+加藤)」と挨拶。何キャラ?と、思わずツッコミを入れたくなるふざけ気味の挨拶に、オーディエンスも笑いながら拍手を送る。


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フジファブリックのサウンドは、得てして抑揚のないヴォーカルラインと、ハッキリそれだとわかるサビから構成されている。そして歪ませながらもシューゲーザー的アプローチではなく、きっちりリフやソロを刻む山内のギター。存在感溢れる金澤の鍵盤、その2つの楽器やヴォーカルラインの軸を決める加藤のベース、その三位一体感は新しい体勢になっても健在である。

山内は、フジテレビ “ノイタミナ”アニメ「つり球」のオープニングテーマにもなった”徒然モノクローム”の仕上がりについて、照れ笑いしながらも「我ながらバッチリだったなぁ〜」と繰り返した。刻むように歌うAメロのヴォーカルラインと、独特の歌詞、一度聴いたら耳に残るキャッチーさのサビはオーディエンスを弾ませた。

”パレード”では、美しくも大胆な金澤の鍵盤がリズミカルなサウンドを響かせ、山内と加藤は同じ動きで楽しげに行きつ戻りつのパフォーマンス。曲後のMCで「ダイちゃん、ナイスなオルガンのソロでしたね。」という山内に「ナイスなコレ(行きつ戻りつの動きを指で表現)」と返す金澤。

“夜明けのBEAT”がドラマ/映画『モテキ』主題歌となったことを受け、『モテキ的音楽のススメ Covers for MTK Lovers盤』で好きな曲をカヴァーさせてもらえることになったフジファブリックが選んだのは、小沢健二氏の往年の名曲、”ぼくらが旅に出る理由”。
それがきっかけで小沢氏のライブにも行き、山内は「名盤『LIFE』について聞こうと思ったのに緊張して聞けなかった。でも『STAR』の話をしてくれた。」と、小沢氏との対面を嬉しそうに語り、小沢氏もまたこの曲をカヴァーしてくれたことを嬉しく思っているとのこと。
ピコピコとした電子音が浮遊し、サポートドラムのBOBOのハットは閉めた短い音を鳴らす。シンプルな構成と中間からの盛り上がりは、原曲のイメージを壊さずも、大胆なアレンジを施し、フジファブリックらしい仕上がりで面白い。

MG_033220120727130847.jpg続く”Mirror”の演奏時間は、確かCDでは4分3秒だが、今回は何分やっていたのだろうか?ギターを歪ませディレイをかけた山内のヴォーカル、思慮深い低音を響かせる加藤のベース、音の世界のみに入り込んでいるような姿で、弾くというより叩くといったアプローチをする金澤の鍵盤。 すべてはジャズや現代音楽の即興のように繰り広げられ、今まで腕を上げながらノッていたオーディエンスは動きが止まった。ハレーションする赤と緑のライトと、フロアを完全に飲み込んだアンビエントワールドで、そこにいる全ての人が完全なトランス状態に入っている。
長い長いアレンジを施し、音が止むと一瞬の静けさの後、大歓声が起きた。
「この曲は徒然流線TOUR2012の最終ヴァージョンでした。」と、覚醒したように山内は照れ笑いを見せた。

こんなストイックなサウンドの後に…という前フリは語弊があるかもしれないが、ここからは加藤のトーク、略してカトークのコーナーに突入! 会場から出されたお題を解くというこのコーナーで、「恵比寿」「線香花火」など色々挙手されるものの、それらを「他に!」とかわしながら、それでもゆるーいシンキングタイムでの山内と金澤のトークを挟みつつ、無事終了。すっかり和みムード満載になっている。
オーディエンスのテンションもポップに弾む”虹”では山内がギターのヘッドで鍵盤を弾くという荒技をみせ、フロアは大興奮!!

「勢いが何かに足止めされている。」
そういうと金澤は、軽快に歩こうとするも、積み上げた鍵盤達にぶつかるジェスチャーをみせ追加公演はお祭りだと連呼しながら、「みんなと踊りたい!」と言う。すると山内は「いいじゃん、MOOGにヒモ付けて弁当売りみたいにすれば」と、冷静にあしらうものだから、フロアからは爆笑が起きた。しかも、本当に少し持ってみようとする金澤!!
…と、突然PAブースでショルキーを高々と掲げる彼らの所属事務所の(名物)会長、原田氏の姿が。そして驚くのは、そのショルキーが原田氏からスタッフ→スタッフからオーディエンス→オーディエンスから金澤へ渡るという見事な連携プレイに発展!
その後、中2からの持ちネタというシューベルトの「魔王」をショルキー弾き語りでサビ(クラシックでサビと言って良いのか…)部分の真似をし、フロアは再び大爆笑。


MG_018020120727123039.jpgしかし、大爆笑ばかりではない。その肩掛けショルキーは、ポッキーの赤い色ということで、当然ここで演奏するのは、ポッキーチョコレート スペースシャワーTVバージョンCFソングであった”流線形”。

山内は「この体勢になってツアーが出来て、ツアーファイナルを迎えられて嬉しいです!」と感謝を述べると、オーディエンスからもアツい拍手が沸き起こった。

アンコールで再び登場した時も山内はツアーが終わってしまうことが心底寂しそうだった。
「フジファブリックはもう出来ないんじゃないかというところからのツアーをやって、CDリリースも出来て、つくづく幸せなバンドだと思います。これからもフジファブリックはスピードを緩めることなくやっていこうと思います。良い音楽を作っていきたい!」と、これからの新しいフジファブリックとしての想いを語り、更に次期ツアー【Zepp Tour 2012】の開催も発表。
大興奮のまま、ツアーファイナルは幕を閉じた。


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カメラマン/河本悠貴
TEXT/まさやん
 

フォトギャラリー

セットリスト

1、TAIFU
2、夜明けのBEAT
3、スワン
4、NAGISAにて
5、Splash!!
6、徒然モノローム
7、君は炎天下
8、パレード
9、ぼくらが旅に出る理由
10、Mirror
11、虹
12、会いに
13、流線形
14、Surfer King
15、TEENAGER
16、STAR

・アンコール
星降る夜になったら
銀河

Interview

Live Report

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