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杏子「Kyoko 20th Anniversary

杏子「Kyoko 20th Anniversary "Over The Limit"」11月3日 @ 渋谷www

kyoko_solo.jpgBARBEE BOYS解散後、今年10月にソロ活動20周年アルバム『Sky’s My Limit』をリリースした杏子。そのアルバムを引っさげたワンマンライブ<Kyoko 20th Anniversary “Over The Limit”>が11月3日(土)、東京・渋谷wwwで開催され、豪華なゲスト勢と共に大いなる盛り上がりを見せた。

オープン直後、人が溢れる中を抜けて会場入りすると、フロアでは「まだまだお客さんは来るので前に詰めてください!」というアナウンスの声。当然のことながらこの日のチケットはSOLDOUT。あれよあれよという間に、フロアはいっぱいになった。

客電が静かに落ちると、ジャケット写真、ライブ映像、MVなど、ソロになってからの杏子の20年が凝縮されスクリーンに映し出される。そしてメンバーに続き大歓声の中、杏子が登場。ハットにトレンチコート姿でクールに“Poison lvy”を歌い上げると、“悲しきは…”の新録でフィーチャリングしたsmorgasの来門を呼び入れた。smorgasは杏子と同事務所所属のあらきゆうこがドラムを務めるバンドで、「普段は絶対に観に行かないんだけど。」と、いつもなら深い時間からのライブには行かないことを笑いながら話しつつ、そこで初めて聴いた来門のライムに惚れ込み、今回のアルバムに参加してもらった経緯を語った。

杏子が絶賛する来門のdefなライムは“イジメテミタイ”で炸裂、あまりの格好良さに興奮した!続く“悲しきは…”は、原曲(6枚目アルバム『BLACKTHORN CIDER』収録)が、静なる霧のような悲しみであるとすれば、今作、『Sky’s My Limit』収録の来門との新ヴァージョンは、胸の奥を抉り取るような痛みのような悲しみを感じた。

杏子はライブでカヴァー曲をよく披露するが、『Sky’s My Limit』の取材の際、「今回はエラ・フィッツジェラルドのイメージ。」と言った“Lullaby of Birdland”では、気だるい大人のムードを漂わせ、「ライブって楽しいと初めて思えた曲。」だと語っていた“JAVA BLUES”では、杏子の中に根付くロック魂全開でオーディエンスを魅了した。

そしてひと呼吸置き、笑顔で秦 基博とさかいゆうを招き入れる今回この三人で歌う曲は“LOVE & LIVE LETTER”と“Down Town Chirstmas(Reprise)”。“LOVE & LIVE LETTER”は、福耳至上最も難しいとされている曲で、組曲のような構成を基本三人でどう表現するのかがすごく楽しみだった。

kyoko_hata_sakai.jpg「山崎まさよしのパートを誰がやるんでしょう」と、杏子が山崎の真似をして見せると「それを本人の前でやると機嫌悪くなるから!」と一喝するさかい。その言葉に更に笑いが生まれたが、ライブ感溢れる三人のパフォーマンスと、オーディエンス達のシンガロングが会場を温かい色に染上げた。そして、このたび秦とさかいとのコラボレーションにより20年ぶりにリメイクされた “Down Town Chirstmas(Reprise)” (11月21日リリース)では杏子とバンドメンバーは白いマフラーに身を包み、会場にいち早くクリスマスがやってきたようだった。

拍手を受け二人がステージを降りると、司 修氏の幻想童話にインスパイアされて作ったという “青猫” のイントロをピアノの音色が悲しげに奏でる。青のライト、杏子の儚げな声、バイオリンにも聴こえる吉川理のギター、その全てが幻想的な色彩を落とすと、オーディエンスはしばしその美しさに酔いしれた。

冒頭にも書いた通り、今回はゲストが豪華!

BARBEE BOYSのリーダー兼ギタリストだったイマサこと、いまみちともたかが登場。BARBEE BOYS世代には、かなりシビれる2ショットだ。バンド解散後のいまみちのソロ曲で、杏子が「実に愛に溢れている曲」と語り、カバーした“BUSU”と、BARBEE BOYSの名曲“タイムリミット”を披露。黒いドレスを脱ぎ、パッションピンクのボディコン姿でいまみちと絡み合うように歌う杏子は、エロい! こんなにパワフルで格好よくて、エロくて可愛らしい、そんな女性を私は他に知らない。オーディエンスのボルテージが溢れるように上がっていくのが手に取るように分かった。

kyoko_imasa.jpgいまみちがステージを降りた後、TRICERATOPSの和田 唱が登場。TRICERATOPSは今年でデビュー15周年を迎える為、互いの周年を祝い合うと熱気を帯びたオーディエンスからも熱い拍手が贈られた。「野音ライブ良かったよ!」と、和田に向けて言葉をかけた杏子だったが、TRICERATOPSのライブの素晴らしさを取材の時、語ってくれてことを思い出していた。

『Sky’s My Limit』では彼らの“Silly Scandals”をカヴァー、和田との掛け合いが実に疾走感溢れている。和田は「僕らの曲を、僕ら以外がカヴァーして、ましてやレコーディングまでしてくれるのは初めてだったんです。」と語るとオーディエンスからも大きな歓声が湧く。まずは杏子の楽曲“口いっぱいの愛を”のイントロで、和田と吉川が向かい合いギター対決。杏子はそれをしゃがみながら楽しげに観ている。そして杏子のボーカルもさらに熱を帯び、アウトロで和田と杏子はしっかり手を握り合うとそのまま “Silly Scandals”へ突入! オーディエンスも腕を振り上げノリまくり!!ハグしながら和田は退場。その後も本編最後の“Muddy Flower”までアグレッシブなステージをノンストップで見せる杏子にオーディエンスの熱狂が絶えることはなかった。

kyoko_TRICERATOPS.jpgアンコールで飛び出してきた杏子は、サスペンダーの付いたフェミニンな水色のマキシスカートにツアーTシャツを着て登場。

「ソロになって、「福耳」というユニットはとても大切でした。」と、仲間との絆を静かに語りながら改めてこの20年を振り返るような面持ちでツアースタッフ、レコード会社、事務所へ感謝の言葉を述べた。そして「何かを大好きだという気持ちはいつか花開くので、みんなも音楽を愛し続けて下さい。」と、音楽、ライブが大好きでたまらない杏子は笑顔で想いを語ると、杏子にとっても福耳にとってもファン達にとってもかけがえのない、“星のかけらを探しに行こう Again”で、今しがた杏子が言ったばかりの、「何かを大好きだという気持ち。音楽を愛し続ける想い」がいっぱいに詰まったオーディエンスが、右へ左へとリズムをとりながら腕を振る姿が広がる。

続く“DISTANCIA~この胸の約束~”は、杏子のソロデビュー曲であり、今年山崎まさよしがプロデュースをし、20年前のオリジナルヴァージョンには入っていなかったコーラスを秦 基博が担当。よりスパニッシュテイストを強くしたアレンジに仕上がっている。山崎は、このコーラスを秦でなくては駄目だと最初から考えていたらしく、 カホンやアコギの響きと、質の違う独特さを持つ杏子と秦の声の重なりは実際、実に絶妙だった。

…と、杏子が突然フロアへ乱入! 今まで「ラーララララ♪」とシンガロングしていたオーディエンスの声が、「キャー!」という歓喜の声に変わる。今迄も彼女がライブでフロアへ入って行く姿を時折観て来ているが、その度に起こるこの驚きと喜びの歓声はこちらまでワクワクしてしまう。

アンコールが終了し、Wアンコールを求める手拍子がフロアに響くと、三たび杏子は登場したが、いささかバツが悪そうな顔をしている。

「早速、業務連絡。最初に投げた帽子だけど…」どうやらオープニングの“Poison lvy”で投げた帽子は特別なもので、投げてはいけないと言われていたらしい(笑)。思わず、曲中でカッコ良く帽子を投げた杏子の姿を頭の中でリプレイしてしまったが、そういっている間にも件の帽子を受け取った人からリレーのように杏子の手に戻ると、「ありがとう!ごめんね!!!」と茶目っ気たっぷりに謝った。それでも杏子ファンは思っているだろう。こういう、ちょっとおっちょこちょいな部分の愛らしさも杏子の魅力のひとつだと。

最後は「こういう出会いを特に大切にしたいと思い、歌います。」と、集まったファンに感謝を述べながら、“Hello Alone”を熱唱。杏子の沢山の想いを全身で受け取ったオーディエンスからは大きな拍手が響き渡り、渋谷wwwでの<Kyoko 20th Anniversary “Over The Limit”>は幕を閉じた。

11月18日には、今回出演のいまみちともたか、さかいゆう、秦 基博、来門(smorgas)、和田 唱(TRICERATOPS)に、OKAMOTO’Sも加えた<平城京天平祭 秋 悠久の調べコンサートFM802 PREMIUM STAGE“Kyoko 20th Anniversary”>が開催。きっとまた熱いステージが繰り広げられるだろう。


Text:まさやん


■ オフィシャルサイト
http://www.office-augusta.com/kyoko/

セットリスト

M01. Poison lvy
M02. ねぇ、もっと
M03. イジメテミタイ(来門[smorgas])
M04. 悲しきは…(来門[smorgas])
M05. Lullaby of Birdland
M06. JAVA BLUES
M07. LOVE & LIVE LETTER(秦 基博/さかいゆう)
M08. Down Town Chirstmas(Reprise)(秦 基博/さかいゆう)
M09. 青猫
M10. ユメオチ
M11. BUSU(いまみちともたか)
M12. タイムリミット(いまみちともたか)
M13. 口いっぱいの愛を(和田唱[TRICERATOPS])
M14. Silly Scandals(和田唱[TRICERATOPS])
M15. JOHNNY MOON DOGの行方に関する仮説
M16. アヴァンギャルド
M17. イヌ
M18. Muddy Flower

Encore
M19. 星のかけらを探しに行こう Again
M20. DISTANCIA~この胸の約束~(秦 基博)

W-Encore
M21. Hello Alone

Interview

Live Report

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