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SPEEDSTAR RECORDS 20th Anniversary Live ~LIVE the SPEEDSTAR 20th~ 2013年1月20日

SPEEDSTAR RECORDS 20th Anniversary Live ~LIVE the SPEEDSTAR 20th~ 2013年1月20日

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1月18日(金)から20日(日)までZepp DiverCity TOKYOにて開催したスピードスターレコーズの誕生20周年を記念したライブイベント「SPEEDSTAR RECORDS 20th Anniversary Live ~LIVE the SPEEDSTAR 20th~」もファイナル。

開演に先駆けてのアナウンスを前日のつじあやのに続き、20日(日)はUAが担当。
残念ながら今回出演は出来なかったが、終演後のアナウンスではUAベイビーも賑やかに参加した。

トップバッターはTHEラブ人間



130120_1love.jpg金田康平(歌手)とツネ・モリサワ(Key)は相変わらず素足だ。
谷崎航大(Vn)のバイオリンが際立つ“砂男”でライブをスタート。
“悪党になれたなら”、そして昨年12月にリリースしたニューシングルのタイトル曲 “アンカーソング” へ続けると「スピードスターレコーズおめでとうございます。今日は来てくれて本当にありがとう!」と金田が挨拶。
最後は 4月3日に発売が決定したセカンドアルバム『SONGS』より“体は冷たく、心臓は燃えている”を披露。
きわどい言葉に込められた現実を叩き付けるように歌う金田。
公式サイトでメッセージの最後、「ぼくたちは停止するまでの心臓音で果てるまで踊ります。THEラブ人間は「生きること」を歌うことに決めました。」という言葉で締めくくっている彼らの新たな作品が楽しみになる1曲であった。
またこの日、会場に来た観客全員に『SONGS』のダイジェスト盤が配布された。

大歓声を受け、次に登場したのはSPECIAL OTHERS
ジャムりながら “AIMS” のイントロリフへ音を運ぶと、それだけでオーディエンスは熱狂する。
ビート感たっぷりでフロアを揺らすと、“PB”で巻き起こるハンドクラップが多様なメロ使いと絡み合う。

130120_2SPE.jpg芹澤“Remi”優真(Key)が「我々はまだスピードスターに入ってまた3年位ですが、ビクターでは、かれこれ6、7年やっています。」と挨拶をすると、「ディレクターとセットでスピードスターに入ってきたんですよ(笑)。」と宮原“Toyin”良太(Dr)。
そして今年6月29日に、自身初となる日本武道館ワンマン公演が決定している彼ら。
「ロックニックの日って覚えてください。はい、みなさんもご一緒に!」という宮原の声に、一緒になり「ロックニック」と叫ぶオーディエンスからは熱い拍手と歓声が贈られた。ラストは様々なアレンジが施された“BEN” 。
“風の谷のナウシカ”のフレーズを柳下“Dayo”武史(G)がソロパートで弾き、芹澤はくるり“ばらの花”を奏でる。
3曲にしてボリュームたっぷりなステージを披露してくれた。

「僕が歌う前に…。今、高田漣のソロを制作中でしょ? スピードスターで出るんだよね?」登場してすぐにそう言ったのは巨匠・細野晴臣!
高田漣(G)、伊賀航(B)、伊藤大地(Dr/SAKEROCK)というメンバーを引き連れ登場したものの、細野の開口一番の発言に高田も「あ、はい。夏に…」と、いささか恐縮気味。しかし細野の計らいで高田漣の曲を2曲披露。(この時、何故かムーンウォーク調の後ろ歩きで退場する細野(笑))

130120_3takada.jpg細野以外の3人で演奏された“野バラ”は、詩人・菅原克己の詩に高田が曲をつけたという楽曲で、高田の歌声を初めて聴いた私はその朗々とした歌声から、少なからずフォークの神様と呼ばれた連の父親、高田渡を思い出していた。
奇しくもというべきか、続く“火吹竹”を高田は「僕のおじいさんの高田豊という人が大正時代に書いた詩で、それに僕の父親でフォークシンガーの高田渡が昔、曲をつけたことがありまして、それを孫の僕が歌います。」と紹介。(ちなみに父・高田渡氏が歌った “火吹竹” は『石』というアルバムに収録されている)
三代で受け継がれるこの曲は今回のイベントでも異色な楽曲と言えるだろうが、高田のスライド・ギターの艶やかな響きと共に、ゆったりとしたこの曲にオーディエンスも聴き入っていた。

そして再び登場した細野は「珍しくピアノの前で。」と言いながら、“I’m Going In A Field”で ピアノ演奏を聴かせると、更に「エリントン(デューク・エリントン)の即興を模倣したやつを。」と“Untitled”を披露。成る程、伊賀のウッドベースも含め、スウィングジャズを彷彿とさせるプレイで、ある種の緊張感をはらみながら、オーディエンスを湧かせた。

130120_3hosono.jpgしかしMCになると、「このステージのせいかもしれないけど、舞台モノの悪夢を見て。演奏してるんだけど歌詞がないわけ。その辺に散らばってるんだけど拾ってみると、居酒屋のメニューなの。」と、飄々とした口調で語る細野の悪夢に会場も大爆笑。そして後半はアコースティック・ギターに持ち替えてブギなナンバー“Cow Cow Boogie”をプレイ。
高田のスチールペダルも際立つ。英語詞の曲が続いた為か、オーディエンスから「細野さん、日本語もー!」という声が飛ぶが「日本語?忘れた(笑)。」とさすがの返しをみせる。
ラストは“The House of Blue Lights”で締めくくると、細野は再びムーンウォークで退場。
サウンドでもパフォーマンスでも湧かせてくれた。

「SPEEDSTAR RECORDS 20th Anniversary Live ~LIVE the SPEEDSTAR 20th~」もいよいよラスト。最後はくるりの登場。

130120_4quruli.jpg岸田繁(Vo,G)はマイクに手を掛け「始めよか。」と一言。
“everybody feels the same”からスタートさせ、しょっぱなからフロアを熱くするとファンファン(Tp,Key,Vo)は高らかにトランペットを響かせる。サポートドラムにはあらきゆうこを迎え、続く“ロックンロール”でもオーディエンスは楽しげにリズムを刻む。
岸田は先程の細野の夢の話に繋げるように、自ら観た 「ライブ悪夢」を話し始めた。
「(ギターの)弦が豆腐みたいな、もろもろっとしたやつやったんです。それと歌い出したら半拍後やった。だから今日はちゃんとやります。」
その「だから」がいささか意味不明だが(笑)、まったりとしたトークがまた岸田らしい。
そして“シャツを洗えば”から権藤知彦のユーフォニウムを加え、ホーン隊の力強さで潤沢な音の表情をみせる。
昭和歌謡を軸にフォルクローレやアルゼンチンタンゴが混在したような“argentina”では岸田と吉田省念(G,Vc,Vo)のギター対決に大歓声!
「スピードスターは20周年なんですけど、僕らメジャー・デビュー15周年です。大半をスピードスターと一緒に過ごさしていただきました。」レーベルと共に歩んだ感謝とも捉えられる岸田の言葉は、あたたかい拍手に包まれた。更に「スピードスターで一番頑張った曲を」と、“WORLD'S END SUPERNOVA”へ。ミラーボールの光に照らされながらダンサブルなビートを響かせ、続く“ワンダーフォーゲル”の上昇するような広がりにオーディエンスは飛び跳ねる!
15年来の付き合いであるディレクターとのエピソードを楽しそうに語りながら(実はそのディレクターさんは元E・Z・Oのメンバー!…といっても若い世代に馴染があるか分からないが)、今日であらきゆうことは最後だということを告げると、くるりと、あらきとのコンビネーションの良さを知るオーディエンスからは「エー!」という声があがる。
しかし、「またやるけどね、多分そのうちね。だから、気合いを入れて挑みますわ。」と言い、最後に5人で演奏したのは、くるりのメジャーデビュー・シングル“東京”。
岸田の絶唱に最後まで大きな賞賛の拍手が響いた。

最後のアンコールに登場したのは、くるり、あらきゆうこ、権藤知彦と、高田漣。
「スピードスターレコーズに来まして、みなさんとも会うことができましたし。ありがとう!そして、いいミュージシャンとの出会いもたくさんありました。高田漣!」と岸田は高田を改めて紹介した後、「いい曲ができました。たまにはくるりのことを思い出してください!」と言って披露したのは、1月16日(水)にiTunes限定配信リリースされたばかりの新曲「Remember me」。

若手からベテランまで個性派揃いのステージを繰り広げた最終日。
SPEEDSTAR RECORDSが長きに渡り、音楽を深く愛するファンに支持されるレーベルである理由を再認識できる最高の3日間がここに幕を閉じた。

 

TEXT:秋山昌未

セットリスト

THEラブ人間
砂男
悪党になれたなら
アンカーソング
体は冷たく、心臓は燃えている

SPECIAL OTHERS
AIMS
PB
BEN

細野晴臣
野バラ(高田漣)
火吹竹(高田漣)

I’m Going In A Field
Untitled
Gradated Gray
Cow Cow Boogie
Tutti Frutti
The House of Blue Lights

くるり
everybody feels the same
ロックンロール
シャツを洗えば
太陽のブルース
春風
argentina
WORLD’S END SUPERNOVA
ワンダーフォーゲル
東京

en. Remember Me

Interview

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