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高橋優【YOU CAN BREAK THE SILENCE IN BUDOKAN】

高橋優【YOU CAN BREAK THE SILENCE IN BUDOKAN】

U_budokan_0373.jpg今年5月より12都市12公演<高橋優2013全国ライブハウスツアー【BREAK YOUR SILENCE】>を回り、7月からは 9都市11公演 <高橋優2013全国ホールツアー【BREAK OUR SILENCE】>を回った高橋優。
そしてホールツアー直前にアルバム『BREAK MY SILENCE』をリリース。 今年はまさに「沈黙をぶっ壊すこと」をテーマに置いた高橋だったが、11月24日(日)自身初の武道館公演【YOU CAN BREAK THE SILENCE IN BUDOKAN】でも、武道館に集まった9,000人の沈黙を見事にぶち壊した。

場内アナウンスがいつも通り、ライヴでの注意事項を読み上げる。
「みなさん、一緒に大声をあげる準備は出来てますかー!」
ん?いつも通り…?
「お前は誰だと思っていませんかー?私はただのアルバイトですが、一緒に盛り上がっちゃっていいですかー!!」と突然の煽りに会場は驚くも、「おー!!!」と声をあげ、低いビートに合わせハンドクラップ。珍しい演出に気を取られていると突如暗転。
しかし次の瞬間にはステージ中央でギターを弾く高橋優の姿が!
「みんな今日来てくれてありがとう!」
突然ステージに現れた高橋に再び驚かされるオーディエンスだが、“ボーリング”の「あぁ面倒臭ぇ!」のフレーズは両手を掲げながらみんなで歌い、“こどものうた”では眼光鋭い高橋の姿がステージ左右のスクリーンに映し出された。
そんな具合に、しょっぱなから熱量の伝わるライヴだが、「今年は一環して沈黙をぶっ壊していこうということをテーマに活動して参りました。あなたはこの武道館で沈黙をぶっ壊すことが出来る。それを証明しにやってまいりました!」高橋は更に力強い口調で語る。
先に記したツアーを「集会」と呼んでいた高橋。それはどんな人でも心に抱えていることを全部解き放して人目も気にせず大声を張り上げてもよい集会だと。
「しかし今日はただの集会ではなく大集会です!この大集会に来てくれたみなさんと一緒に大声を張り上げたいんですけど、声をあげてくれますか!一緒に大声を張り上げようぜ、武道館!」
それまではアクセルを一気に踏み込むようなアグレッシブさが武道館全体にみなぎっていたが、“HITO-TO-HITO”では高橋に笑顔がこぼれ、弾むハンドクラップも暖かい。

ホールツアーではある意味、鬼気迫る…まさに集会のリーダーといった雰囲気を醸し出していた高橋だが、今回はもっと気持ちが開放的になっているのだろうか、MCや歌声にホールツアーの時とは違う柔らかさを感じた。
事実ライヴ後、高橋は「前日までは兎に角緊張したけど、ステージに上がってみんなの声を聴いたら緊張が吹っ飛んで楽しめた」と語ってくれた。


メンバー紹介では、一ノ瀬久(Dr)の愛読書が週刊ヤングマガジンだという話から、現在も掲載中の「みんな!エスパーだよ!」のことへ。
テレビ東京でドラマ化された際に高橋がオープニングテーマを務めたことがきっかけで、作者の若杉公徳氏へ漫画で登場したいと交渉したところ快諾。「高橋優」という名前はそのままに、かなりエロい方法で人の心を操るというエスパーとして晴れて(?)登場した話になり、会場も大爆笑。
更に霊媒師に幽霊が100人単位で憑いていると言われた小島剛広(Ba)に、ツアーでの移動中、ふざけて怪談話をしようとして本気で怒られたことなど、MCでは始終笑いに包まれていた。

そして「まさかまさかの武道館でボツ曲を演奏しようと思うんですがよろしいですか?」と言うと『BREAK MY SILENCE』の初回限定盤に収録の『ボツ曲大全集①』から“テレビを見ながら”へ。
CDでは弾き語りだが、「今日限りのスペシャルヴァージョンということで、“テレビを見ながら”  青春パンク ウルトラハードコア…えー…メロコア アコースティック調フレーバーリミックス…」と、思わず「どんなヴァージョンやねん!」とツッこみたくなるヴァージョンでプレイ。
たしかに青春パンクっぽいハードなサウンドになっているが、未だ会ったことはない同郷秋田出身の芸能人へ向けた曲は、どこかさだまさし的ユーモアさを感じさせ、ほのぼのとする。


恋愛の日常をリアルに描いた“8月6日”が終わると、高橋は静かに語り始めた。
「次に歌う曲は自分の中で、“強さってどういうことだろう?”と考えながら書いた曲です。」
高橋はツアーでこの曲を歌い、聴いてくれているオーディエンスの顔を見ながら、「強さとは何か?」という疑問が少し変化してきたという。
「例えば小さい時の自分より今の自分の方がほんの少し強くなれているとしたら、今持っている強さというのは何のための強さかと考える。弱いところや自分の恥ずかしいところをうまく隠すために、誰かよりも自分の方が強いということを見せつけるための強さが欲しかったのかなぁと考えたら、逆にそうじゃない。本当の強さって誰かを笑わせたり、自分にとって大事な人に優しく出来たり。俗にいう優しさというものを強さなのかなと最近すごく考えるようになりました。」
そう言って歌い始めたのは、自ら受けた「いじめ体験」を基に書いた“CANDY”。
高橋の言うように「優しさ」が「強さ」であるのなら、高橋は両親から最大の強さを名前として授かっていることになる。
その強さは歌声となり、こうやって9,000人の心の奥底まで染み渡っている光景を見ると、その答えは正しいと感じる。

高橋が沈黙を打ち破ろうとして一番最初に書いた曲“(Where’s)THE SILENT MAJORITY?”。
「この曲を書いたその日から今日までが自分にとってひとつのメッセージになればいいと思っています。この曲をやる時は僕一人だけではなく、あわよくば武道館に来てくれ…きっ…」あぁ、大切なところで噛んでしまった(笑)。
しかしさすがの連携プレイ、バンドもオチ的効果音で盛り上がる!
「どこまで喋ったか忘れちゃったよ(笑)。とにかく元気は残ってますか、武道館!!!」
気を取り直し再び盛り上げると、 “(Where’s)THE SILENT MAJORITY?”で一気にテンションを上げ、続く“泣ぐ子はいねが”では会場を左右にわけて「泣ぐ子はいねが〜」を練習。
更にタイトルコールと共に、バーン!という爆発音、ステージ中央のタイトルバナーはツアーTシャツにもなっている高橋ナマハゲのイラストへ。高橋も旗を持ちながらステージの端ギリギリの位置で盛り上げると、会場もヒートアップ!

低く振動するフロアタムと歪む音を旋回させるギターの音が一瞬止むと、“素晴らしき日常”のイントロへ。


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会場からは大きな拍手と歓声が沸きあがり、スクリーンには札幌の狸小路やロックの学園、ニューヨークなど様々な場所でストリートライヴをする高橋の姿が。
今より若い時の顔、寒そうにしている顔、髪が短い時の顔、このメジャーデビュー曲からスタートした高橋の様々な顔が、経験が、ひとつの線となり今この武道館へ繋がっている。


「ステージの上まで、みなさんの歌声がめちゃめちゃ聴こえてきました!本当にどうもありがとうございました!!ステージに立ち、色々な人との繋がりを感じながらツアーを回ってきましたが今日、武道館でみなさんの歌声を聴きながら “ あぁここで今僕らはみなさんと繋がっているんだな”ということを何度も何度も実感させていただきました。 本当にどうもありがとうございます!!ここで話すことではないかもしれないけれど、ミュージシャンとしてということではなく、高橋優という人間として生まれて、一人の人間として生涯かけてこの繋がりというのを大事にしていきたいと思っています。」
涙が出そうな程に実直な高橋の言葉に割れんばかりの拍手と愛情が注がれた。

「辛いことや苦しいと思うこともあるかもしれないけれど、僕は何があってもどんなことがあっても、みなさんの近くの街まで行って歌を届けに行きますからまた会える日までこの同じ空の下で繋がっているということを一緒に実感しませんか、武道館!!」
本編最後はそんな高橋の言葉を受けて、“同じ空の下”を大合唱。


「みなさんの声が本当に、ブァーッて降って来るように聴こえるんですよ。」
アンコールで再び登場した高橋は、初めて経験を少し興奮気味に語ると、来年2月に公開される映画「東京難民」の主題歌“旅人”を初披露。
「本当に胸がいっぱいで、歌っている最中も何度も何度も熱いものが自分の中にこみ上げてきます。」溢れんばかりの感謝と喜びを伝え、ここに集まった人達が明日からも笑顔一杯の日々を歩んでいけますようにと、“福笑い”でアンコールを終了。

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SEの(Where’s)THE SILENT MAJORITY?をみんなで歌いながら退場した高橋だが、鳴り止まぬ拍手と歓声に三たび登場。
「終電大丈夫?飛行機大丈夫?じゃあもう一曲歌っていくか!」と嬉しいWアンコール!
「今日という日は大切な大切な通過点。原点を忘れちゃいけないという想いを込めて」と、アコギ1本で“駱駝”を弾き語り、【YOU CAN BREAK THE SILENCE IN BUDOKAN】の幕は閉じた。

ライヴ後高橋は、オープニングで突然ステージ中央へ登場する演出も、イヤモニも、滝のように降り注いでくるオーディエンスの声も、全てが初めての経験だったと語ってくれた。そしてこの初めての経験はきっと、更なる初めての体験へ繋がるのだろう。


TEXT:秋山昌未


<オンエア情報>
WOWOWで「高橋優2013日本武道館 YOU CAN BREAK THE SILENCE IN BUDOKAN」
2月放送決定!
高橋優、初の日本武道館公演をWOWOWで独占放送!
詳しくはコチラ
※最新情報はWOWOWオンライン他を随時ご確認ください。
※番組編成や内容は予告なく変更される場合がありますので、ご了承ください。

フォトギャラリー

セットリスト

01、 ボーリング
02、陽はまた昇る
03、こどものうた
04、HITO-TO-HITO
05、花のように
06、蝉
07、ほんとのきもち
08、テレビを見ながら
09、サンドイッチ
10、靴紐
11、8月6日
12、CANDY
13、少年であれ
14、(Where’s)THE SILENT MAJORITY?
15、泣ぐ子はいねが
16、頭ん中そればっかり
17、現実という名の怪物と戦う者たち
18、素晴らしき日常
19、 同じ空の下

ENCORE
EN1、旅人
EN2、友へ
EN3、福笑い
W-ENCORE
EN4、駱駝

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