山崎あおい「1stワンマンライブツアー2014~アオイハル~」
今年1月にリリースしたアルバム『アオイロ』を引っさげて、札幌・名古屋・大阪・渋谷の4会場で【1stワンマンライブツアー2014~アオイハル~】を開催した山崎あおい。
3月26日(水)SOLDOUTのファイナル、渋谷CLUB QUATTROはフロアの扉が閉まらない程人で溢れていて、開演前だというのに熱気で汗ばむほど。
そんな状態の中、“恋の予感”や“夏海”のメロディは清涼感を運んでくれた。
「【1stワンマンライブツアー2014~アオイハル~】へようこそおいでくださいました!本当にビッシリですねぇ。竹下通りみたいな光景が広がっています。」
山崎は手で額にひさしを作りながらフロアの最後尾まで見渡すと、「今日はみんなで楽しんでいきましょう!」と、笑顔でファイナルを盛り上げた。
今日の想い出を共有したいという考えから今回のツアーでは、 1曲だけライヴ中の写真撮影OKという計らいがあり、ソチ冬季五輪カーリング日本代表チームへの応援ソング “もっと”で、みんなは一斉に写真を撮り始めた。(勿論私も!)
そして山崎の楽曲では珍しい、ダークな力強さを持つ“Paradox”にはフロアからも「あおい、カッコいい!」と声が飛ぶ。
「北海道から上京した時の気持ちだったり、人生の中で大きなイベントだったメジャーデビューで感じたことだったりと、自分の中ですごく濃かった1年半位の気持ちをぎゅっと凝縮できたアルバムになったんじゃないかと思います。」
山崎は今回のアルバムについて、色々な「色」と「想い」が入っていると言い、アコースティックコーナーへ突入。
『アオイロ』の取材でも語ってくれたが、北海道から上京し「早く東京での新たな環境に慣れなくては。」「今迄頼ってきたものに頼ってはいけない。」という気持ちから、高校の友人や家族、親しい人たちと距離をとった山崎。
「それは必要だったけど、ちょっと寂しい部分もある。」と本音をつぶやくと、孤独を感じつつも東京に慣れてきた自分のリアルを描いた“東京”を歌う。
同じように故郷を離れ、今こうやって東京のライヴハウスでこの曲に共感していた人もきっと多いだろう。
山崎が高校三年の時に、受験でナーバスになっていた友人をうまく慰めてあげられなかったことから生まれた “HERO”、無理してしまう心の音がカランコロンという可愛い擬音と裏腹に切なく響く“カランコロン”など、今ツアーもアルバム同様、山崎のさまざまな「色」を持っていた。
初めてのツアーということで、各地域ごとの話をしてきた山崎だが、ファイナルでは「ツアーどうでしたか?」とメンバーに突然話を振った。
本当に打ち合わせ無しだったんだろう。
動揺したギターの梶原は「そりゃ、狂喜乱舞の…大変なものでしたよ」と、ややしどろもどろ。
それに対して山崎が「どこがどう大変でしたか?」と鋭いツッコミを入れると「長いセットリストで、回を追う毎によくなっていって、そんな姿を見ていたら…。」と続けるも、「どこの大人の人ですか?」とクールな口調の山崎の一言で会場は大爆笑。
和やかなムードが広がる。
しかし「後半戦いけますか!」と、改めて仕切り直しをすると“嘘だった”、“レイコさん”とアッパーサウンドを連発。
フロアもタオルを回し、テンションアップ!“スコーレ”のラストでは「飛んで!」という山崎のかけ声で最後ジャンプ!
大歓声に沸いた。
「出て来た瞬間に竹下通りみたいって言いましたけど、本当にそれ位素晴らしい光景で壮観で。楽しく歌うことが出来ました。」と笑顔を見せると「デビューして1年半、まだまだ沢山夢を持っていますし、叶えられた夢もあればまだ叶えられてない道半ばの夢もありますし、デビューしてから出来た夢もあります。今日出来た夢も勿論沢山あります。」と続けると、更にもっと大きなステージに立ちたいと野望を語りながらも「ステージに上がった瞬間に感動しました。ありがとうございました。」とオーディエンスに感謝を伝え、“強くなる人”で本編終了。
あおいコールを受け、再びアンコールで山崎とバンドメンバーが登場。
「新曲もってきました!」
自分に自信がない子が、自分よりカッコ良かったり可愛かったりする人を好きになったことを歌った春らしいメロディの新曲“センチメンタリズム”を披露。
中学時代、親にさえギターを弾いていることを隠しながら音楽の世界を夢見ていた山崎は「誰かに自分が作った曲を聴いて欲しいし、届けたいという気持ちはありました。その時は夢だったワンマンライヴを、こんなに沢山の人の前で出来ることを幸せに思います。今日このステージに立っている私はもっと大きな夢を持っています。満足しているとかしていないとかの話ではなく、もっと先に先に進みたいし、もっと沢山の人の前で歌いたいし、出たいテレビ番組も沢山ある。」
凛とした表情で語る山崎は「当時の自分に、“ひとつ夢が叶ったよ”と教えてあげたい。」と、中学時代に作った“Blue days”をミラーボールの光がこぼれる中、ゆったりと歌い上げた。
「みんなで盛り上がりましょう!!」
アンコール最後 “I LOVE YOU!!” で山崎はギターの替わりにタンバリンを鳴らし、フロアからは大きなハンドクラップも響く。
「みんな歌ってー!」という山崎の声で「I want to say “I LOVE YOU!!” 」とシンガロング。
笑顔溢れる中で山崎あおい【1stワンマンライブツアー2014~アオイハル~】は幕を閉じた。
photo by 石井亜希
text by 秋山昌未
1.恋の予感
2.Pastime
3.夏海
4.もっと
5.花火のあと
6.Paradox
7.東京
8.HERO
9.カランコロン
10.Just Friend
11.嘘だった
12.レイコさん
13.スコーレ
14.強くなる人
Encore
En1.センチメンタリズム
En2.Blue days
En3.I LOVE YOU!!