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さかいの湯 Vol.3

さかいの湯 Vol.3"さかいゆうといっしょ"スペシャル

「さかいの湯」の温度はよく変動します。
「さかいの湯」の効能は癒し、パワーetcと、人それぞれです。
「さかいの湯」は 3月13日(金)、六本木・EX THEATER ROPPONGIにて1日限りの開店です。

美女が温泉でこんな効能パネルを持っている図が浮かびそうだが、「さかいの湯」も3回目。【さかいの湯 Vol.3"さかいゆうといっしょ"スペシャル】と題された今回は、今年2月にリリースしたさかい初となるコラボアルバム『さかいゆうといっしょ』でコラボしたミュージシャンもゲスト参加し、フロアをアツくした。

大きな歓声を受けながら一人で登場したさかい、1組目のゲストLittle Glee Monsterを呼び入れライブがスタート。会場からは「可愛い!」の声。それに対し「ありがとうございます。あ、僕じゃない?」と笑わせながらリラックスムードを作っていく。しかし今話題のLittle Glee Monsterの歌声は、可愛いというより凄い!あどけなさが残るティーンエイジャーとは思えない迫力のパフォーマンスで “薔薇とローズ”を歌い上げる。そしてその中心に居るさかいは少しの貫禄さえ見せながら、これまた堂々たる歌声を聴かせた。

Little Glee Monsterがステージを降りると、バンドメンバー鈴木渉(Ba.)Fuyu(Dr)、pochi(Key)そして2組目のゲスト竹内朋康(Gt.)を招き入れた。竹内はこの後もギターを担当。「さかいゆうがいて 竹内朋康がいるということは、六本木なんだけどこの曲やっちゃいます!」と“Shibuya Night”へ。やはり竹内のラップはクールだ。リバーブするさかいの歌声が独特の“Midnight U...”のアウトロや、ブライト感溢れる“Mirror”でのオーディエンスのクラップと疾走感、すべてが本当に魅力的だが(曲中に披露したさかいの後転も!)折角なので今回はコラボをテーマに切り取ろう。

続いてのゲストは土岐麻子。土岐とさかいの間に流れる空気はいい。緩すぎず、甘すぎず、刺々しくもない。土岐はグリーンのシャツを着たさかいを「キャベツみたいで可愛い」と言ったり会場を何度か笑いに導くも、「人が歌い易い感じで作るのではなく、自分で降りてきたものを作っちゃう節がありまして。(さかい)」、「“How Beautiful”をいただいた時に、難しい!こんなの歌えないと思った。ゆうくんの声で歌っているデモテープがすごく心地よかったのに、自分が歌うとそうでもなくて、すごいムカつくと思った(笑)。(土岐)」そんな風に、互いに認め合うプロのミュージシャン同士、独特の距離感で音楽の話をする。

柔らかな土岐の歌声と、さかいの歌声そしてピアノの音色は“How Beautiful”の美しいメロディの中で、付かず離れず行き来する。“Life is”で土岐がステージを後にすると、さかいは「初めて歌うから緊張する。」と言いながら“シロクジ”を奏で、冒頭のワンフレーズを歌ったところで「紹介します。 KOHEI JAPAN!」と KOHEI JAPANを招き入れた。ワルツとHIP HOPの組み合わせ。アルバム『さかいゆうといっしょ』のインタビューの際、この曲について「作る前から結構形が見えていた」と語ってくれた。更にその時のさかいの言葉を借りるなら、KOHEI JAPANの声やラップは派手ではないが、じんわり入ってくる。

そして「もう一方迎えたい人がいる。」と、KOHEI JAPANの実兄でもあるMummy-Dを紹介し、KOHEI JAPANが「お兄ちゃん」と呼びかけるとMummy-Dが登場。「あんまり顔は似てないんだけど、温度が似てるんだよね。」とMummy-Dが言うと、さかいも「似てる!!」と納得。しかしMummy-Dはそんなさかいに「君も、やっぱりヌルいよ。温泉でいったら38℃くらい。」と笑い、「これが僕のプロの姿勢なんですよ。飾りのないというか…。」とさかいが言えば「自分で言うなよ(笑)」とツッコむ。先輩後輩の関係はあれど、気の置けない仲間とのやりとり。コラボの面白さや醍醐味は、歌だけでなくこういう瞬間にも垣間見える。

「次の曲は僕はあまり参加しないんですが、みなさんに是非聴いていただきたい。…というよりも、僕も聴きたい。」とさかい。 マボロシfeat.KOHEI JAPANの“日本の親父 昭和の親父”へ。この曲はMummy-DとKOHEI JAPAN兄弟にとって父親のような存在のおじさんのことを歌った曲。ちなみにKOHEI JAPANはこの曲の歌詞を作る時、そのおじさんを想って涙したと自身のブログでも語っている。想いが詰まった曲にフロアも少ししんみりムードだが、KOHEI JAPANがステージを降り、さかいは「マボロシfeat.さかいゆうと言えばこの曲だぜー!」と一気にテンションを変えると“記念日”へ。

天性のラッパーとも言えるだろうMummy-Dの煽りでフロアにリズミカルなクラップが蘇る。Mummy-Dは「さかいの湯、いい湯加減ですかー?38℃から39℃くらいになりました!」とオーディエンスを盛り上げ、さかいも「39.5℃じゃないですか?さすがはMummy-D!!」と心底楽しそうな笑顔を見せる。

大歓声に包まれたステージにはRHYMESTERと書かれたDJブースが登場し、DJ JINと宇多丸が登場。“Magic Hour”の歌い出し、光が凝縮されたようなメロディをさかいの高い声がゆっくりとフロアに溢れさせる。スクラッチ、心地よいフロウは“ちょうどいい”で急速に温度を上げ、「のぼせちゃってもう駄目だよ、僕ら。」そう言う宇多丸に、さかいは「もう1曲やってみませんか?」と提案。オーディエンスの歓声を聞いた宇多丸は「みなさん、汗かきたいですか?その言葉が本当かどうか、声の温度で確かめたいと想います。」と、コール&レスポンスで湯加減をチェックし、「どいつもこいつもお腹いっぱいに、さ・わ・げー!!」と後半は肉声で煽り、“This Y'all, That Y'all”でフロアを揺らす。湯気が沸き上がる勢いでヒートアップした会場に「のぼせました(笑)。」と宇多丸。Mummy-Dも「サウナだったから90℃!」と言い、RHYMESTERとバンドメンバーは退場。

「今日は本当にありがとうございました!」改めてさかいが感謝を述べると「いつも音楽を作る時はコラボレーションだと思っています。ミュージシャンともコラボレーションだし、マネージャーともコラボレーションだし。僕ひとりでは何も出来ないんで。最後にこの曲をやりたいとずっと前から思っていました。」と静かな口調で語る。さかいが一番と言って良いほど尊敬している小谷美紗子が作詞、さかいゆう作曲の“パズル”で本編を終了。

アンコールの“Headphone Girl”、最後ケンシロウの真似で盛り上げたかと思えば「リハと違う〜、全然違う〜(笑)」と歌いながら「楽しかった!内々的にも楽しかった。」と笑顔のさかい。

そして「実は、…(ピアノを弾きながら)スペシャルゲストが」とささやくと、シークレットゲストの日野皓正を紹介。さかいも興奮気味だが、これにはオーディエンスも興奮していた。ステージに登場した日野はさかいとがっちり握手しながら自分の位置へ。それだけで鳥肌が立つ。日野はさかいの歌声に合わせながら軽く踊り、トランペットを一音鳴らせば歓声が沸く。

“あぁ、今日来て良かった!”思わず、ペンを握りしめる手に力が入る。しかしそれは日野だけでなくKOHEI JAPAN、土岐麻子、RHYMESTER、Little Glee Monsterなどのゲストとさかいのコラボレーションによるケミストリー全てがそう感じさせてくれたのだ。後輩、先輩、仲間と共に作られた【さかいの湯 Vol.3"さかいゆうといっしょ"スペシャル】は、心身ともに暖まったオーディエンスの声援に包まれ、幕を閉じた。


text by 秋山昌未


 

フォトギャラリー

セットリスト


M01. 薔薇とローズ(Little Glee Monster)
M02. Shibuya Night(竹内朋康)
M03. Midnight U...
M04. Mirror  
M05. 僕たちの不確かな前途
M06. How Beautiful(土岐麻子)
M07. Life is(土岐麻子)
M08. シロクジ(KOHEI JAPAN)
M09. 日本の親父 昭和の親父(マボロシ + KOHEI JAPAN)
M10. 記念日(マボロシ)
M11. Magic Hour(RHYMESTER)
M12. ちょうどいい(RHYMESTER)
M13. This Y'all, That Y'all(RHYMESTER)
M14. パズル
Encore
M15. Headphone Girl
M16. 闇夜のホタル(日野皓正)
 

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Live Report

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