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ディスク・レビュー

吉井和哉「点描のしくみ」

ARTIST : 吉井和哉

TITLE : 点描のしくみ

RELEASE DATE : 2012年8月29日

PRICE : ¥1,200(tax in)

CD NUMBER : TOCT-45054

LABEL : EMIミュージック・ジャパン


吉井和哉2012年第一弾シングルは、堺雅人主演の話題のエンターテイメントムービー「鍵泥棒のメソッド」主題歌。
これは自身初の映画主題歌書き下ろしであり、同映画の完成披露試写会では「自分が思っている日々のテーマとがうまくハマっているといいな」と語っている。

イントロのバスドラはタンバリンの音と共にリズミカルに響き、揺らめくような前半が上昇するサビでポジティブに展開する。

また、今回はアートワークにも注目したい。
『蓮玉-れんぎょく』というタイトルがつけられたCDジャケットの点描画は、天描画家の大城清太氏による作品。蓮玉とは「命のつながり」を表していて、まさにリリックの世界観を表現。

そして現在、Shoet Ver.が公開されているMVでは、吉井が身にまとった、点で構成されるサングラスやコスチュームが赤く細い線を幾重にも作り出し、まるでメロディラインの美しさとポジティブさを体現しているようだ。アーティスティックな吉井ならではの、大人のロックナンバーがアートワークも含め、花開いている。

また、戦争がテーマのカップリング曲「海へいこう」は、"8月"というワードから察するに、太平洋戦争のことと思われるが、「戦争の話はもう聞きたくない」というリリックは、今も世界のあちこちで行われている戦争全てに語りかけるメッセージにも取れる。声を枯らし激しく訴えるのではなく、ゆったりとしたアコースティックギターとオルガンの音色にのせた吉井の淡々とした歌が、かえってリリックの意味を浮き彫りにする。

そしてこのシングルを”メソッド”というワードで締めくくっているのが、なんとも心憎い。
M3の「ロックンロールのメソッド」は、大人の吉井ならではの突抜け感を持つ渋いロックナンバーで、3曲ともバリエーションの違いを持ちながらも、ドラムや鍵盤などのサウンド面で統一感を出している。
シングルとしても実に絶妙のバランスで構成されている上に、何より吉井和哉という円熟したミュージシャンの格好良さを味わえる一枚といえるだろう。

また、同日8月29日には、『YOSHII LOVINSON』Blu-ray 6作品が同時発売するので、そちらも楽しみだ。

 

◎吉井和哉 オフィシャルサイト http://www.yoshiikazuya.com/pc/

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