ARTIST : 東京事変
TITLE : 深夜枠
RELEASE DATE : 2012年8月29日
PRICE : ¥2,800(tax in)
CD NUMBER : TOCT-29000
LABEL : EMI Music Japan
東京事変がこれまでにリリースしたシングルのカップリング曲を全て網羅したカップリング・アルバム『深夜枠』。
これは持論だが、カップリングの良さがシングル全体のイメージを決定づける思う。
タイアップのついたメイン曲にのみ全神経を注いだシングルはトータルバランスが悪い。しかし、カップリングでここまでコンセプチャルなニオイとクオリティを見せてくれる東京事変は、やはりただ者ではなかったと改めて思う。
昨年9月にリリースされた映像『CS Channel』にのみ収録されていた「ハンサム過ぎて」からアルバムはスタート。
この曲は音源としては初収録で、解散ツアー<Bon Voyage>の終演後のSEでも流れていた。そして、1stシングルの「顔」まで歴史を遡ったかと思えば、未発表の新曲「ただならぬ関係」でアルバムは締めくくられている。
プログレ的な「B.B. Queen」は、浮雲ならではの感性が独特のカオス感を生み出しているし、「ピノキオ」のシンプルなサウンド構成はかえってダイナミックさを感じる。
また、2005年に東京事変を離れた晝海幹音(現・ヒラマミキオ)の作曲した「顔」は、洋楽要素が高く、椎名と晝海とのデュエットが特徴的で、晝海と同時期にバンドを離れたH是都M(H ZETT M)のピアノがとにかく美しい。
シンプルなポップサウンドの新曲「ただならぬ関係」を含む全13曲収録。
今作のジャケットは、放送が終わる少し前の深夜にやっていそうなアニメ的イラストが施されていて、中央を泳ぐ女の子の上下には、東京事変を現す鶴と孔雀が一緒の泳いでいる。
ちなみに、このCDジャケットの女の子は椎名が、“むてきちゃん” と、命名したらしい。
「解散後のSE→東京事変としての歴史を逆行→新曲」という楽曲の構成に、「これは東京事変が次へ向けた何かのアプローチか?」とつい、いらぬ深読みをしてしまう。
しかし、今はこの『深夜枠』で、東京事変の音の歴史の余韻に浸って欲しい。
また本日、Live History DVD/BD『珍プレー好プレー』も同時発売。
東京事変結成から解散までの白熱のライブより名演をセレクト。初作品化となるDOMESTIC! Virgin LINE をはじめ、各地で出演したフェス、イベントのダイジェスト映像や特別編集の「丸ノ内サディスティック」収録。東京事変の“実演”の軌跡を綴ったライブ・ヒストリーなので、こちらも余韻を楽しむひとつになるだろう。