ARTIST : THEラブ人間
TITLE : SONGS
RELEASE DATE : 2013年4月3日(水)
PRICE : 2,800(税込)
CD NUMBER : VICL-64013
LABEL : ビクターエンタテインメント
4月3日リリースのTHEラブ人間、2ndアルバム『SONGS』。
サウンドやアレンジは、ファースシングル『砂男・東京』の時より明らかに洗練されているし、ジャケットデザインも、『アンカーソング』以降、変わってきた。
インディーズテイストでサブカル色なそれらは、まさに今回のジャケで表現されているような抜け殻となったのだろうか?
歌もサウンドも、どこか俯瞰(ふかん)で全体を観ている。
しかしそれは良い悪いという問題ではなく(勿論、好き嫌いはあるだろうが)、THEラブ人間の「今」が詰まっているということで、実にワクワクする。
このアルバムの楽曲テーマは「死を目の前にした時に光る生の輝き」。
金田康平(歌手)が身内の病気、死を通じて生まれた感情が詰まっている。
…ということは、この『SONGS』は悲哀色に染まった作品なんだろうか?
いや、「太陽と血の靴」の疾走感と力強さ、「ちょっと梅ヶ丘まで」の苦笑してしまうユニークさに、逃げのないラップが強烈に脳みそまで注ぎ込まれる「犬の人生」。
決してどん底の哀しみだけを、こそぎ取ったような作品達ではない。
このアルバムを作成していた時期、金田には彼女がいたらしく、その彼女の存在が「絶望と悲哀に満ちた歌をうたわせなかった大きな要因になった。」と語っている。
金田康平という男は実に正直であり、そこに存在しないものは歌わない。
だから「きらり」なんて生々しい曲を生んでしまうのだ。
おかもとえみのベースリフは鼓動となり、谷崎航大のバイオリンは絡み合う汗となる。
「病院」のイントロはエレキギターがひと掻きしたと思えばブレイク。その後カウントからまた始まる。
このイントロは何を意味しているのだろう?
男も女も金持ちも貧乏人も、すべての人間に平等なのはたったひとつ「死」である。
生きている以上、誰かの死に向かい合う瞬間があり、愛する人と別れる瞬間がある。
しかし、死や別れという堪え難い経験をしても、時間は容赦なく進む。
アルバム最後の「体は冷たく、心臓は燃えている」を聴けば、金田康平、そしてTHEラブ人間がその先に見いだしたものがきっと見えてくるはずだ。
昨年12月にリリースのニューシングル「アンカーソング」を含む全10曲収録。
1曲1曲、全てのSONGSに「今」のTHEラブ人間の息吹を感じて欲しい。
<収録曲>
ラブパレードはつづく
太陽と血の靴
アンカーソング
ちょっと梅ヶ丘まで
ウミノ
犬の人生
bedside baby blue
きらり
病院
体は冷たく、心臓は燃えている