あなたは、この『ONE OK ROCK 2013“人生×君＝”TOUR LIVE＆FILM』を観て、何を受け取るだろう？　答えは、それぞれの人生のなかにある

今年3月にリリースされたONE OK ROCKの6thアルバム『人生×僕＝』（ジンセイカケテボクハ）は、彼らが明らかに世界で勝負できるバンドになったことを証明するものだった。いま彼らほど痛快かつ明快な飛躍の物語を見せてくれるロックバンドはいない。メンバー4人が一丸となって、ひたすらバンドがたどり着くべき場所を目指し、その姿をありのまま音楽化する。そこには、なまぬるいニヒリズムやシニシズムなどは研ぎ澄まされた音と言葉で一瞬でねじ伏せ、吹き飛ばしてみせる本質的なポジティヴィティに満ちた説得力が宿る。そんなONE OK ROCKだからこそ、ロックバンドが愚直なまでに頂点を目指す“原初的な夢”を体現し、その折れないアティチュードを核なるメッセージとして掲げることができる。

今年5月からスタートした全国6ヶ所11公演、観客総動員数10万人を超える初のアリーナツアー『ONE OK ROCK 2013“人生×君＝”（ジンセイカケテキミハ）TOUR』は、バンドが立っている現在地を、リアルなドラマであり大いなるエンターテイメントに昇華するものだった。そして、このLIVE DVD/Blu-ray『ONE OK ROCK 2013“人生×君＝”TOUR LIVE＆FILM』は、アンコールを含め全22曲に及ぶライヴ映像を余すところなく収めたDISC1と、全11公演に密着し４人がツアーを完走するまでの“生き様”を静謐な視点で捉えたドキュメンタリーフィルムのDISC2から形成されている。　

DISC1。緊張感に満ちたイントロダクションを経てステージに現れた4人は、1曲目「Ending Story??」からネクストレベルに達したバンドサウンドを威風堂々と響かせる。一方で、メロディアスな楽曲では研ぎ澄まされた繊細な表現力を見せる。さらなる高次の説得力を手に入れたTakaのヴォーカルとToru、Ryota、Tomoyaによるアンサンブルに、誰もが持続的な感動を覚えるだろう。進化したのは音だけではない。ロックの可能性そのものを示すようなバンドのスケール感を視覚的にも浮き彫りにする舞台装置や映像、ライティングにも注目してもらいたい。

DISC2。ライヴ映像がステージに立つ4人の“動”を記録したものだとすれば、このドキュメンタリーフィルムにはステージ裏で見せる4人の“静”が克明に映し出されている。その“静”には、リハーサルで思うようにいかない苛立ちも、ライヴ直前の昂りも、ライヴ直後に流した涙も、そしてONE OK ROCKというバンドで生きている幸福感も内包されている。冒頭で、Takaはこのように語る。
「俺はこのアルバムを作っていて、ホントに誰のために音楽をやってるかって考えたら、いちばんは自分たちのためにやってることに気づいて。俺の夢ってバンドにすべて詰まってるから。今回のツアーは挑戦で。バンドとしてこういう規模でライヴをするということ、そこでアルバムをしっかり表現すること。その挑戦してる姿をライヴに来てくれるみんなには見てもらいたい。そして、そこで何かを受け取ってほしい。だからこそ、ツアータイトルは『人生×君＝』で、アルバムタイトルは『人生×僕＝』になっていて」

あなたは、この『ONE OK ROCK 2013“人生×君＝”TOUR LIVE＆FILM』を観て、何を受け取るだろう？　

答えは、それぞれの人生のなかにある。

文／三宅正一（ONBU）


■ ONE OK ROCK 2013 "人生×君=" TOUR LIVE&FILMトレーラームービー

第1弾

http://youtu.be/4aZ-1VBDOrg

第2弾

http://www.youtube.com/
watch?v=Zq7zSwY-xJ0



■ "Deeper Deeper"

http://www.youtube.com/
watch?v=Ib_7FFeZRic

■ オフィシャルサイト
http://www.oneokrock.com/