ー 音楽の捉えどころは人によって違いますからね。
八木:そうなんです。だからそういう点では時間はかかってしまいましたが、最終的には良いものになったので安心しました。
ー “国境”と “エターナル” はアルバムの中でも呼吸する速度が違う曲というか、歌詞で伝わるテンションや空気感すべてが違って聴こえました。例えば “国境”であればレコードノイズの音や浮遊感が心地よいです。
武井:曲自体、出来たのが真冬でした。その冬感が浮遊感に…。
ー ダジャレ!?
<一同爆笑>
武井:僕は音楽がすごく好きなんだけど、特に砂川くんやタカハシさんもすごく音楽が好きで、 “国境”は元々こういうテイストの曲ではなかったものをみんなのテイストも合わせて寄せたらこういう感じになったんです。
ー 元々は?
武井:もう少しテンポが早かったかな。
山崎:普通にドラムがビートを刻んでいるような曲だったんですが、合宿に入った時にみんなで合わせたらどうもしっくりこなくて。それでどうしたらいいんだろうってみんなで考えていたんですが、合宿に向かう前日に大雪が降っていたんです。 この曲自身冬に出来た曲だし、みんな北欧の音楽が好きという環境からどんどんBPMが落ちていって、砂川くんが見たことのない変な機材を出してきて「こんな音出ます。」って。
武井:イントロの一番最初に入っているファ〜っていう音です。あれはギターで出しているんですが、それで何となく形が見えてきたんです。ベースラインはシンセを使っているんですが、スタジオで作っている時はベースのオクターバーというのを砂川くんに借りて…って全部砂川くん頼りだな(笑)。
ー あはは。
武井:そのオクターバーでLowを消して高い音だけ出すと、僕のベースもオルガンみたいな音になる。それはすごく鳴りが良かったですね。
ー なるほど。あと、“エターナル”の冒頭の口笛はとても映像的で映画のワンシーンに出て来るような曲だと感じました。
武井:すごいですね。実は映画を見ながら作ったんです(笑)。
ー えー、本当ですか?
武井:ほんと、ほんと!!合宿に行った時に「エターナル・サンシャイン」という映画を観たんです。というか、事務所の人に「合宿中にこれ観てエンディングテーマを自分達なりに作ってみて。」という宿題を出されたんです。
山崎:「合宿もただ行くだけでは駄目だ。行くからには何か成果を見せろ。」と言われて。正直、超めんどくせーとか思ったんだけど(笑)、折角だからということで観ました。あ、八木さんは寝てましたが。
八木:苦笑
武井:作品としてすごく面白かったです。だから悔しくなっちゃって。
ー 悔しい?
武井:作品が面白くなかったら、いくらでも曲が出来ない理由をつけられたけど、ここまで作品が面白いと、作らないと勿体ない気がして。なんか、やられたっていう感じ。でも、実際映画が終わった後に、 “エターナル”を流しても全然成り立つんじゃないかな。
山崎:僕はこのアルバムで “エターナル”が一番好きです!この曲はドラムが一切入っていないので逆に客観的に聴くことが出来るし、実際武井が言ったように映画が終わった後にこの曲を聴いても違和感ない気がします。「良い曲だなぁ。良い歌詞だなぁ。」 って純粋に思います。
武井:アルバムにこの曲が入っていることによって、他の曲も成り立つ…というか際立つ気がするんです。こういうこともやるという、ひとつの選択肢のような感じ。ありとないとでは大違いなんです。何て言うんだろう…芸術度が増すと言ったらめちゃくちゃ気持ち悪いけど(笑)。
ー いやいや、全然気持ち悪くないでしょ!(笑)でもクリエイティブな色が強くなっているのは確かだろうし、シングルでは出せない面白さが出せていると思います。
八木:でも結果そうなったという感じじゃない?
山崎:そうだね。再録の曲は自分達が想定していなかったことだし、出来上がって並べたらこういう仕上がりの作品達によるアルバムになっていたという気はします。
ー “ショートバケーション”はアイゴンさん(會田茂一)がプロデュースですね。
武井:はい。アイゴンさんが今回のプロデューサーの中では一番柔らかい人です。多くは語らないけど、面白いです。ギャグが。
八木:そこ?(笑)
武井:いつでもボケることは考えてるかも(笑)。
八木:そうかな。
武井:いや、だからこそレコーディング中の空気はすごく良かった。
山崎:確かに。
武井:ただ本当に何も言われないので「こんなに自由にやっていいのかな?」って思いました(笑)。
山崎:再録といっても以前リリースした作品が約2年前なので、さほど期間が経っていないんです。だから、片寄さんもそうでしたがアイゴンさんも「曲調をガラッと変えることはしたくないよね。」と言ってくださって。確かにメンバーもそういう考えだったんで、嬉しかったです。
武井:アレンジやイメージとしては、前作より聴こえ方が少し良くなればいいんじゃないかという位です。
山崎:アイゴンさんも、僕たちのメンバーが変わったことで出音も変わるので、それをそのままパッケージしたら良いんじゃないかという考えでした。
八木:特にアイゴンさんとはまた新曲でご一緒したいです。
ー そういえばこのアルバムは、ジョンレノンを聴いて作ったといった“ネバーランド” で始まり、歌詞にジョンレノンが出て来る “ショートバケーション” で終わる。
武井:当たり前だけどビートルズは良いですし、メンバーみんな共通で大好きなんです。
八木:ほら!(着ていたビートルズTシャツを指差す)アビーロードも渡って来ました。でも一人で行ったので写真とかないですが(笑)。
ー えー、もったいない!今度レコーディングで行くとか。
八木:行きたいですね!!!
ー 今、八木さんがスタッフに懇願オーラ出しまくっている(笑)。
<一同爆笑>
ー 最後にmFoundの読者のみなさんに一言ずつお願いします。
八木:どのバンドもそうでしょうが、特に僕たちは楽曲やライヴ、フェスで色々な面が出ると思うので、まずはアルバムを聴いてから色々なチェコ・ノー・リパブリックを感じて下さい。
山崎:レコーディングでは色々ありましたが(笑)、とても良い作品になったと思っていますので、皆さん是非聴いて下さい!
武井:今迄応援してくれている人達はより気に入って欲しいし、これからもっと頑張るから一緒に楽しんで欲しいです。新しく聴いてくれる人は楽しんで欲しいですし、よろしくお願いします!という感じです。まずは多くの人に知ってもらうのが一番ですから。イベントやフェスなどライヴで僕たちを初めて観て気に入ってくれるのもすごく嬉しいですが、やはりアルバムにかけた時間や想いが詰まっているのでそこを一番聴いて欲しいです。よろしくお願いします!!!
ー ありがとうございました。
取材・文/秋山昌未
■ オフィシャルサイト
http://c-n-r.jp/
チェコ・ノー・リパブリック(Czecho No Republic)
メジャーデビューアルバム
『NEVERLAND』
10月30日発売
COCP-38214 / ¥2,940(tax in)
収録楽曲:
01:ネバーランド
02:MUSIC
03:Call Her
04:レインボー
05:Don't Cry, Forest Boy
06:1人のワルツ
07:トリッパー
08:絵本の庭
09:幽霊船
10:ダイナソー
11:国境
12:ショートバケーション
13:エターナル
全国ツアー 「エンジョイ!冬のネバーランドリリースツアー」
11/22(金)京都 GROWLY GUEST/coming soon
11/23(土)神戸 太陽と虎 GUEST/coming soon
11/27(水)金沢 vanvanV4 出演:キュウソネコカミ/他
11/29(金)広島 ナミキジャンクション 出演:SAKANAMON
12/01(日)福岡 Queblick 出演:SAKANAMON
12/07(土)松本 ALECX GUEST/coming soon
12/11(水)札幌 COLONY ワンマン
12/13(金)仙台 PARK SQUARE ワンマン
12/16(月)新潟 RIVERST GUEST/coming soon
And more!
タワーレコード 全国7箇所インストアイベント開催
11/9(土)タワーレコード渋谷店B1F「CUTUP STUDIO」
14:00start フルバンドミニLIVE
11/10(日)名古屋PARCO西館一階 イベントスペース
13:00start アコースティックミニLIVE&サイン会
11/10(日)タワーレコード梅田NU茶屋町店6Fイベントスペース
18:00start アコースティックミニLIVE&サイン会
11/17(日)タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース
15:00start アコースティックミニLIVE&サイン会
11/30(土)タワーレコード福岡店
18:00start アコースティックミニLIVE&サイン会
12/8(日)タワーレコード仙台パルコ店
18:00start アコースティックミニLIVE&サイン会
12/10(火)タワーレコード札幌ピヴォ店
18:00start アコースティックミニLIVE&サイン会
イベント配券対象店舗等、詳細はこちら