ー 山口さんは歌詞を書く時にどういうことを意識しますか？

山口： キャッチコピーではないんですが、コピーライターさんがキャッチコピーを作るような感覚はあります。 “シナリオのないライフ” ではプロデューサーから、「この曲はポップで明るいし、みんながハッとするような面白いフレーズを入れたら映えるんじゃないか。」というアドバイスがあっ たので、そういう部分は模索しました。


ー 逆に山口さんからみて辻本さんの歌詞の感性はいかがですか？

山口：そこはやはり僕では書けないフレーズや感覚も沢山あります。昔はそれこそ世界観が対極くらいの感じだったと思います。

辻本：先ほども話に出ましたが僕、ビジュアル出身なので。


ー ビジュアル系の持つ歌詞の世界観はイメージを大切にしますよね。

辻本：そうなんです。響きも重要だし。

山口：でもここ2、3年で僕らの歌詞を書くスタイルは変わってきました。より喋り言葉で伝える方が聴き手は共感しやすいとプロデューサーからアドバイスをもらったんです。

辻本： 一度、その頃に書いた歌詞について「これをそこら辺を歩いている人に読ませるのは恥ずかしいだろ？普通にこんなこと喋れるか？」とプロデューサーに言われ たことがあったんです。それに「花沢が歌うなら喋り言葉の方が伝わりやすいよ。」って。そこからだいぶ変わってきました。


ー 花沢さんはヴォーカルという立場から、お二人の変化は感じますか？

花沢：そうですね。より歌を伝えたいという気持ちになってきましたし、その中でバンドとしての言葉も変わって来たと思います。


ー 現在Chicago Poodleとしてはギターレスですが、3人の音として最も意識する部分はどこでしょうか。

花沢： 実は3人ということにこだわらなくても良いと思っているんです。当然ドラム、ベース、ピアノが中心にいて、各々の音自体へはこだわりますが僕はその周りに 装飾があっても良いと思っていて。ギターの音も好きだし、ホーンセクションも好き。その中心に僕らの想いや楽器であり、そして更にその真ん中に僕の歌が在 ればそれがChicago Poodleの音になると思うんです。それがこの数年、Chicago Poodleで音楽をしてきて築き上げた気持ちです。

山口： アルバム『3.0』位から徐々にそういう意識になっていっているというか、3人の音を軸に、あとは曲が良くなるのであればどんな装飾を乗せてもそれは Chicago Poodleの音になると思っています。だから花沢同様、3人じゃないと駄目というこだわりはありません。

辻本：Chicago Poodleって結成した頃くらいからそうなんですが、花沢の歌を一番に聴いて欲しいという気持ちがあるんです。だからギターがいた時代も、ギターばかり が目立つような曲もさほどなかったですし。それはギターが抜けた今でも変わることはなくて、花沢が作り出すメロディに僕たちの言葉がのってというところを 一番に活かせるアレンジをしていこうという気持ちはずっと変わりない。先ほど山口も言った『3.0』は3人の音を表すタイトルでもあるんです。昨年も3人 だけでたくさんライヴを回ってきたので、当然3人だけでも出来るし、勿論プラスαで色々な音が入っても良いものになる確信はあります。ただそれは、3人で 良いものが出来ないと進められないと感じることもあります。


ー やはり花沢さんの声は絶対的ですからね。

山口： そう。そこが一番なんです。それは間違いない。

辻本：曲もそうですが、やはり「花沢の歌がすごい」という気持ちがあるので、そこは一番に聴いてもらいたい部分です。


ー 4月から【Chicago Poodle 5th Anniversary TOUR～シナリオのないライフ～】がスタートしますね。

花沢：5周年記念でもありますが、更にこれからChicago Poodleはこういう風になるんだというような部分を見せていきたいです。例えばツアーで新曲を披露できるように今から曲をいっぱい溜めて色々と良い発表をしたいし、細かく回りたいです。

山口：実はシングルでツアーを回るのが初めてなので、どんなツアーになるのか僕ら自身も楽しみな部分ではありますが、2013年は今迄に比べて本当に色々なところを回ったので、そこで種は蒔けたと思っています。2014年はその種を花にする作業をしていきたいです。

辻本：5周年なので来てくれた皆さんが楽しめるライヴにするのは勿論ですが、これからのChicago Poodleからも目が離せないと思ってもらえるようなツアーにしたいです。


ー 5周年は早かったですか。

山口：むっちゃ早かったです！

辻本：早かった。

花沢：そうだね。


ー 5周年の中で特に忘れられない時期はいつですか？

花沢：5th Single 『桜色』かな。

辻本： そうだね。『桜色』は2010年3月9日発売だったんですが、その翌々日に東日本大震災があったのでイベントもすべて自粛や中止になりました。そこから僕 たちも音楽をやっていく意味というか、どうしたらいいんだろうと迷ったり立ち止まりそうになった時期もありました。でもその時期があったからこそ “シナリオのないライフ”のような曲も生まれてきたと思うので、バンド活動としては苦しい時期でしたが、それを3人で乗り越えていけたので10周年を目指 していけそうな気がします。


ー 10周年を迎える頃はどういうアーティストになっていたいですか？

花沢：10周年の頃には日本を代表するアーティストになっていたいですね。

山口：イントロが流れただけで「これ、Chicago Poodleの曲じゃん。」って分かってもらえるようなバンドになりたいです。

辻本：10周年…想像も出来ないですけど、カッコいい40代になりたいです！髭がもうちょっと濃くなっていたらいいな。これ以上生えないので、その頃にはもうちょっと生えるようになるかな…って、何の話してるんだ！（笑）

＜一同爆笑＞


ー 最後にmFound読者のみなさんに一言ずつお願いします。

花沢： 今回のインタビューで初めてChicago Poodleを知ってくれる方もいらっしゃると思いますが、僕らは一曲入魂で今迄も作品を作ってきました。そして今回の『シナリオのないライフ』も良い作 品に仕上がったと思いますので、皆さん是非是非聴いて下さい!よろしくお願いいたします。

山口：PVも含め色々な情報も出していきますので、Chicago Poodleの公式サイトをチェックしていただければと思います。


ー では最後、辻本さん。

花沢：オトしてや（笑）

辻本： 難しいな（笑）。初めましての人も多いと思います。僕らは関西発で日本全国に音楽を届けようと頑張っています。シングル『シナリオのないライフ』をひっさ げてツアーも決まっていますので、是非是非ライヴにも遊びに来て下さい。その際は辻本の髭がいかに薄いかを観にきて下さい。……スイマセンでした!!!!

＜一同爆笑＞


ー ありがとうございました！ツアーも楽しみにしています。


取材・文／秋山昌未


■ Chicago Poodle「シナリオのないライフ」
http://www.youtube.com/watch?
v=NRHY5eYH2ps

■ Chicago Poodle オフィシャルホームページ

http://chicagopoodle.com/