今年の3月3日に「don’t cry anymore」でデビューしたmiwa。初めて彼女のインタビューをしたのは、miwaがまだデビュー少し前の寒い冬。あれから約9ヶ月、背伸びしない 等身大の姿でギターの音色と共に歌を届けるmiwaの最新シングル「オトシモノ」に込められた思いや、歌以外の活動のこと、身近にいる先輩ミュージシャン 達との日常など久しぶりに話を聞いてみました。


—— お久しぶりです！3月にデビューしてからの約9ヶ月はmiwaさんにとって早かったですか？遅かったですか？

あっという間でしたね。シングルを出したら、もう次に向けての作業に入っていたので、余韻にひたっている暇がなかったです。みんなが聴いてくれているという声は頂いていたので、それはすごく嬉しかったです。でも、本当にあっという間でした！


—— 歌番組やライブで、色々なアーティストの方と共演する事も多かったと思いますが、miwaさんにとって刺激になりますか。

そうですね、やっぱり大先輩の方とご一緒させていただくというのは勉強になります。歌に対しての空気感が違うんですよ。長年積み重ねて きた実績を持っている方というのは、こんなにも歌や演奏に対して自由に表現できるんだ！という感動があります。例えば矢野顕子さんは毎回毎回アプローチが 違うので、そういう自由さが勉強にも刺激にもなりました。たった9ヶ月かもしれないけど、本当に沢山のミュージシャンやアーティストの方と出会えていい経 験になっています。


—— 前作「chAngE」ではエレキ、今作はまたアコギということで、同じギターではあるけれど、制作をする上で気持ち的に変わった部分はありますか？

違いますね。エレキで曲作りする時は斬新なメロディが浮かんできて、「chAngE」は自分の中でも、今迄にないような曲でライブで やっても盛り上がるんですよね。それに対して、デビュー前からですが、アコギで作っているとバラードも多いんです。だから今回の「オトシモノ」は原点的だ しナチュラルな自分の作品だと思います。


—— 今作は「オトシモノ」はかなり制作に苦しんだと聞きましたが？

苦しみましたねぇ（笑）。今迄は人を励ましたり背中を押したりする曲が多かったんですが、今回はバラードということもあって、自分の弱い部分を初めて曝け出して歌詞にしたので、なかなか客観的になれなかったんですよ。それが一番大変でした。


—— この曲はドラマ「獣医ドリトル」の挿入歌の為の書き下ろしですか？

曲としては随分前からあった曲なんですが今回ドラマ「獣医ドリトル」のスタッフの方にこの曲を気に入ってもらえて、私も台本や原作の漫 画を読ませていただいて、そこからインスピレーションを受けた部分をブラシアップして歌詞を書きました。だから半分書き下ろしのようなイメージです。


—— この曲に込めた思いというのは、どういうところですか。

この曲は、急に忙しくなって自分を見失って周りの人に優しくなれなかったり、思いやりの心を忘れて離れてしまう人もいたりして分かり合えなくなってしまう時もあってりして、そういう経験の中で当たり前の幸せなんてないんだと痛感して、そういう思いを込めました。


—— 歌詞を見ると「僕」という表現と「私」という表現が出てきますね。「僕」という表現はmiwaさんにとって初めてじゃないですか？

そうですね。これは思い合っている2人をそれぞれの視点から描いてみました。本当は思い合っているし同じことを思ってるかもしれないけ ど、それがすれ違っちゃう時もあるという部分を表現しているんですけど、最初はいつものように女性の目線からだけで書いていたんです。例えば、頑張ってい ても報われない時ってあるじゃないですか。正しいとか間違っているということだけで決められない事も沢山あるので、それは片方の視点だけでは表現できない と思ったんです。それで2つの目線で書くことによって、どっちが悪いとか、どっちがこうした事でこうなってしまった。という訳じゃなくても上手く行かない 時もあるという、どうしようもないココロのぽっかり感を私自身が体験したので、その思いをが入っています。


—— ドラマでは、いい場面でmiwaさんの歌声が流れますよね。

そうなんですよ！ありがたいことに。でもドラマ自体すごく面白いじゃないですか。だから本当に関わらせていただけて嬉しいです。でも多分そうじゃなくても観てたと思います。だってその位おもしろいんだもん！