ー「HIDE & SEEK」と「紫陽花」の間を繋ぐ「Interlude」は、インストと言っていいのでしょうか?これはどうやって録ったんですか?
これは自分の持っている機材を使って録音したものを重ねたんです。あの靴音も実際私が歩いているんですが、録ろうと思って録ったというより「今録っちゃおう」という位の感覚でした。ただ、「HIDE & SEEK」と「紫陽花」の間に足音を入れるアイデア自体は元々あったんです。「HIDE & SEEK」は、さよならしてスタートしようという曲なんですが、実際すぐスタートできたかというとそうではなくて、結構長い間悩んでいました。でも時間の経過と共に素直に自分を受け止められるようになってきて、その時に初めて書けた曲が「紫陽花」だったんです。だからその間の過程を足音で表現したいと思ったんですが、みんなにうまく説明や表現が出来なかったので、家で自分が作ったのを「こういう感じにしたいです」ってディレクターに聴いてもらったら、そのまま採用になりました。
ー「紫陽花」ですが、音楽業界では例をみない無料配信、無料配布でのリリース。この曲は本当は3rdシングルの予定だったんですよね。
はい。デビュー前から3rdシングルとして出したいと思っていたんです。この曲は伝えたい伝えたいって言っているだけじゃなくて、想いをきちんと言葉にすることの大切さを歌っている曲で、それって自分が歌を作って歌う上でとても大事な指針だと思ったので、2枚目まででNIKIIEを知ってもらった上で3枚目で聴いてもらいたいという気持ちが強かったです。
リリース日も決まっていて、あとはジャケット撮影とMV撮影を残すのみという段階で地震がありました。最初はもうリリースなんて考えられなかったし、まず自分が音楽なんてやっていっていいのかという想いになってしまって。実家が茨城県北部なので家族とも数日連絡もとれなかったし、みんな安否確認に必死の中、音楽ってやっぱり命あってのものなので、歌うべきか本当に悩みました。でも少しずつ時間が経つ中、やっと連絡をとれた母親が「今、こういう時だからこそ歌を歌ってね」って言ってくれたのが、背中を押してくれました。改めて今自分が出来ることを真剣に悩んで考えて「紫陽花」という曲は時間をかけてあたためてきた曲だけど、人を想う尊さや、当たり前の日常の大切さを歌っているので、この曲を聴いてくれた人が忘れかけてたあたたかい気持ちを思いだせるきっかけになれればいいと思って無料配信、無料配布という形でリリースすることにしました。
ー そうだったんですね。
これを決断した時にはまだ実家の方のCDショップは店を開店できる状態ではなかったし、今でもまだ地域によっては、そういう状況下にあり、どうやったら音楽を届けられるかって考えたんですね。そうしたらやはりこの形が今は一番ベストなのかなと思いました。
ー「紫陽花」のMVは、NIKIIEさんが撮る写真の質感ぽいですよね。
過去のシーンと現在のシーンがあって、過去のシーンは全部8mmで撮って頂き質感として懐かしい感じを出してもらえるようにしました。このMVを撮ってくださった島田大介監督とは「春夏秋冬」の時からのおつきあいなんですが、その時から多くを語らなくても共有している感が色々な箇所であったんですよ。だから声を荒げてイメージを伝えなくてもいいというか(笑)、会話の中からすべてを汲み取ってくださる監督なんです。
ー MVで初めて知ったんだけど、NIKIIEさんって、左利きだったんですね。
あー! MVでえんぴつ持ってましたからね。そうです。左利きなんですよ。
ー 普段ライブを観るだけでは分からないパーソナルな部分を垣間見えた気がしました。
ファンの人達も気付いてくれるかな。
ー 気付くと思いますよ! さて、アルバムラストの曲「little summer」ですが、NIKIIEさんらしい美しいピアノの音色ですが、歌詞がかなり自虐的というか…(笑)
あはははは、そうですね。この曲が一番新しいんですよ。デビュー直前かな。チームとしてスタッフさんと一緒に動き始めていたんですが、スタッフさんをなかなか心から信じられなくて(笑)。独りでライブハウス活動をしていた頃、こちらの状況がいい時と悪い時で周囲の対応がガラッと変わるというのも経験していたので、スタッフさんそのものがどうということではなく、そういう状況から自分を防御していたんですね。
でも、どんどん動き出す中、自分一人では抱えきれなくなってしまって、そこで初めて私は周りを信頼していなかったんだなって気付いて、改めて自分の想いを吐き出してそこからリスタートしようと思った時に書いた曲なんです。
ー じゃあ今はもうしっかりと信頼関係もつくれて。
はい、タッグを組んでガンバっています!
ー ツアー名は、やはりアスタリスクとカッコがついている「*(POSTSCRIPT)」ですね。
はい、この場合の「POSTSCRIPT」は “あとがき” という意味があって、あとがきのようなライヴにしたいと考えたんです。物語や詩自体を読み終わった後に、その本のあとがきで「実はこういう人生を送っていて、こういうことを当時思っていた」みたいなことを読むと、本編そのものがよりリアルに感じられるんですよね。だから『*(NOTES)』に入っている1曲1曲を本当に好きな解釈で聴いてもらったうえで、「*(POSTSCRIPT)」に来てもらって、あらためてそこで共有できる時間というか、よりリアルになる時間になればいいと思っています。
ー 最後にmFound読者のみなさんにひとことお願いします。
1stアルバム『*(NOTES)』には私の葛藤や、もがき、そこから見つけたものが詰まっているので、このアルバムを聴いて、自分の中の新しい自分に気付いてほしいと思います。是非聴いてください!
ー ありがとうございました
取材・文/まさやん
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