ー どういう風に変わりました？

ずっと思い出す、思い出す…という想い出にふける1番だとすれば、2番はそういうものを背負いながら今は別々に歩いているというところから始めたかったんですよ。


ー じゃあ、作品として何年も前に封じ込めていた想いと、現在の高橋さんの想いが経過として繋がっているというわけですね。

はい。そうしたいと思って書きました。


ー 歌詞を付け足して、2011年の ”高橋優” が歌ってみて変わった点はありますか？

これが不思議と変わった点がないんですよね。昔は、本当にこれ見よがしに歌に没頭しようというか、寂しくて誰もいない気持ちになってガーッて歌いながら自分を暗い方へ落とし込もうとしていたんですが、それだとみんなでカラオケに行って盛り上がりたいのに、一人で目をつぶってバラード歌ってる空気読めない奴（笑）に似ている気がしてしまったんです。


ー あはは！

そんなに自分一人で落ち込んじゃっても、それをみたいと思う人がいるかな？って。表現方法としては言葉で十分歌詞の中に自分の想いを残しているので、ライヴやレコーディングで自分が表現する時は出来るだけフラットな気持ちでやりたいと思っています。歌詞の中に憑依するのではなく。そう心がけるように、自分の中では変わってきましたね、表現方法としては。


ー 成る程。

なのに、今でもやっぱり勝手に感情移入してしまうことが多いですね、この曲は。当時の気持ちのままなのか、今あらためて感じている別の寂しさや孤独感なのかは自分でも分からないんですが、何か言葉が先行して気持ちが後からついてきちゃうというか。「福笑い」の場合は違うんですよね。


ー はいはい。

あんまり元気がない時でもあの曲を歌えば元気になれるというのが、自分の中でもあるんですが、この曲はその逆のパターンですね。


ー カップリングの「想いよ、届け」はまたテンションがガラッと変わりますね。この曲すごく好きです！

お！ありがとうございます! 嬉しいです。


ー どういう想いを歌ったものか改めて教えてもらえますか？

ある男性がある女性に想いをはせて、どうにか近づけないものか、この恋を成就できないものかという想いを、苦悩し、時には前むきにとらえて「やってやるぞ！」ということをモチーフに書きました。


ー タイトルの持つイメージや、今の話だけを聞くと、バラードのラブソングを想像してしまうのですが、まったくそれとは逆なサウンドだったり歌詞もおもしろいですよね。この曲はいつ頃の楽曲なんですか？

これはごく最近作った最新曲です。


ー この曲はどういうきっかけで出来上がったんですか？

例えば「終焉のディープキス」とか「頭ん中そればっかり」とか、そういう曲をツアーでやった時に、自分の中で半分は無意識なんですが、身振り手振りをエロチックにしてみたんですね。決してカッコいいものということを意識しないで、ありのままの自分を表現したんです。それでどんなリアクションがかえってくるかと思いきや、そこが一番よかったというご意見を頂いて（笑）。


ー あははは！確かにCLUB QUATTROでライヴレポさせてもらった時も、相当盛り上がっていたし、実際すごくよかったです。

アンケートでも、普通に歌っているところよりも、ギターを弾かないで手で女性のボディラインを表現したりしてる高橋優がもっと観たかったとか（笑）、あそこの部分がすごく面白かったとか書いてくれた人も多くて。面白くなければ、わざわざ面白いなんて書かないじゃないですか。