ー この曲も含め、 テスラは泣かない。 の楽曲は、歌詞が奥深いというか、一見すると「これはどういう意味なんだろう」という言葉で綴られている。でも、答えを指し示すようなヒントワードがたまに出て来るじゃないですか。

ヒントと言ってもらえたのはすごく嬉しいです。もっと分かり易い歌詞を自分に書けるかどうか分からないんですが、「自分はこういうことを言いたい」という歌詞を書くようになったのはわりと最近なんです。以前は、読み取る人で捉え方が違う歌詞、例えば「明るい歌詞だな。」と思う人もいれば「これってすごくブラックなことを言っているんじゃないか。」と思う人もいる。そうやって、色々な風に感じ取れる歌詞が好きで、そういう歌詞をずっと書いてきました。勿論、捉える人ごとに色々な解釈をしてもらえればといいなという想いはあります。ただ、“Lie to myself”の場合も、簡単に説明するのではなく、色々なヒントを散りばめて、そのヒントから何かを感じ取ってもらえたらと思います。


ー 私は今作のタイトルがすごく興味深かったです。自分に嘘をつくことは絶対に出来るし、その思考が良くも悪くも行動を変えるということを考えることが多いから。それこそ歌詞にある「信じ込めば真実と プラセボだって上等でしょ」ってかなりリアルだなと。

ありがとうございます！そこを拾っていただけるとすごく嬉しいです。


ー ここがすごく気になりました。

プラセボってあまり耳馴染のない言葉だと思うんです。でもこの歌詞を読み解こうと思って「プラセボ」を検索して意味を知る。「じゃあここで言わんとしているのはどういうことなんだろう？」と考えてくれたら嬉しいし、おそらく初見で聴いた時と、困難に立ち向かってる最中にもう一度この曲を聴いた時、その人が聴くシチュエーションでも歌詞の見方って変わってくると思うんです。そうなれば良いなと。


ー メンバーのことも教えて下さい。村上さんからみてメンバーそれぞれ、どういうキャラクターを持った人ですか？

よし。いないことをいいことに…（笑）

＜一同爆笑＞

吉牟田くんは10代の頃から一緒につるんでいました。バンドを組んだのは6年前なんですが、彼はすごくピュアで、ピュアゆえに人を簡単に傷つける言葉を平気で言うんです（笑）。僕は何度もその言葉に傷つけられたことはあるんですが、ピュアだからしょうがないかって思えてからは気にしなくなりました。


ー ちなみにどういう言葉で傷つけられたりしたの？

4年前くらいに「学さんは本当にダメ人間だから僕はあなたを見ているとこうなってはいけないと思います。」って言われてすごく落ち込みました（笑）。


ー（笑）。

でも彼は人を深く見るというか、人と人が憎しみを持った関係にはならないという独自の幸福論を持っているんです。僕らだと、そういうことを言ったら仲が悪くなるからやめようって思っても、彼はそれでも人と人は結びついて仲良くなれるという持論がある人です。それにすごく優しい。だから憎しみとかの負の感情を一番持たない人だと思います。


ー 達観しているなぁ（笑）。實吉さんは？

實吉くんは非常にハングリー精神が強いと思います。それはライヴパフォーマンスを観ていてもそうですが、逆境になればなるほどパワーを発揮するというか。絶対見返してやろうという気持ちが強いし、このバンドのライヴに関しては、自分が支えているんだという自覚もすごく持っているので、ライヴに対して不安になることがあっても彼は「絶対大丈夫だ！」というのを、パフォーマンスで見せてくれるので心強いです。