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長澤知之 Nagasa・Oneman 6

長澤知之 Nagasa・Oneman 6 "JUNKLIFE"TOUR ~Band ver.~ @ 新宿BLAZE 2011.6.19

4月にファン待望の1st Full Album「JUNKLIFE」をリリースした長澤知之。5月に「Nagasa・Oneman 6 "JUNKLIFE"TOUR ~Acoustic ver.~」、そして6月に「Nagasa・Oneman 6 "JUNKLIFE"TOUR ~Band ver.~」と銘打ち行われてきたツアーも、6月19日の新宿BLAZEがファイナルとなった。

キャパ800人程の会場はかなり混み合っている。会場に流れるジミヘンが次の曲へ変わったと思った瞬間、客電が落ちステージ中央のスクリーンに「JUNKLIFE」のPVが流れ始めた。昭和の…と言った方がよいだろう。昭和の戦隊モノと、小学校の頃に行ったゴミ処理工場見学を思いだすような何ともシュールなPVに会場は大笑いしたり手拍子したりと、楽しげだ。以前、インストアライブで「俺はグビ」のPVが流れた時も確かこんな盛り上がりを見せた気がする。
PVが終わるとSEの「消防車」が流れ始め、曲も後半の頃、バンドメンバー、そして 前列のオーディエンスにタッチしながら長澤知之が登場。
歪むギターと、スネアが今観たばかりの「JUNKLIFE」のイントロを鮮明に蘇らせた。
長澤が登場してすぐに感じたのだが、私には彼がとても大きく見えた。
ステージの作りのせい?照明のせい??
いや、多分どちらも違う。強いて言えばオーラというものなんだろうか。堂々としているようにもみえ、何かをふっきったようにも見えた。それは私のみがそう感じたのか、少しでも同じことを感じた人がいたのかは分からないが、ともかくそう感じた。しかし、実際この日の長澤はかなり自由に思えた。
 

MG_1121.jpg
「JUNKLIFE」のエンディングでギターは フィードバックしながら「THE ROLE」に繋げる。おぉ、もうここでこれを出すか!と、つい口元が緩んでしまった。以前長澤の取材の時に、この曲の世界観を受け入れられるか若干不安がっていた。しかし、とにかくこの曲はかっこいい! 長澤の魅力が死ぬ程詰まっている! それをファンの多くがそう思っていることが、この日のオーディエンスのノリ方で分かった。というか、共有できた。

MG_1273.jpg“僕が死ぬというから 君は永遠(とわ)といいなよ!!” と、吐き捨て、叩き付けるように歌ったり、ギターから手を離し、だらしなく歌う感じの全てに、みな手を上げ、体を揺らし興奮した。
「こんにちは。元気にしていますか?仲良くしてください。」
長澤のいつものキーワード。この言葉を聞くと長澤ファンは安心し、嬉しくなる。
でも、マイクスタンドがなかなか仲良くしてくれなくて、くるっと回っては長澤の元へ却ってきてくれない。「なかよくできないのかよ!」これには思わず長澤もツッコむ。
そんな調子に会場も笑い、長澤も笑う。
「どうせ陽炎」では、シャンソン的裏声と、叫ぶような声を入れかえながらアップテンポなメロと閉鎖的な歌詞が彩られる。

「哀しいニュースがあります。」
次のMCで長澤はそう切り出した。当然会場からは、なんだろうと不安げな声がとぶ。
「ブルーのレスポールのネックが折れました。」
ありゃりゃぁ…それは哀しいだろう。原因は多分長澤がギターを倒してしまったことらしいが、会場に落胆の声が広がる中、「その時とか、こんなんでしたから」と、しゃがんで塞ぐポーズをみせた。みな、笑っちゃいけないと思いつつ笑う。
「でも、今は楽しいです!」と、あえておどけながら、ヤケっぱちぽく言い放つと、普段あまり見せないそういう長澤の切り返しに歓声が起きた。

「夢先案内人」ではいつも長澤と共に音を生み出している松江潤のギターイントロが会場を浮遊し、真っ赤なライトが長澤やバンドメンバーを赤に染め、脳みそにはくっきりと曲の世界がPVのように描かれた。

決して饒舌なMCをする訳ではない長澤は「何て言うんでしょうか…」と、自分と会場のファンを繋ぐ言葉を探しながら、とにかく来てくれたことを感謝する。「福岡でも大阪でも仲良くして下さって、東京でもこういう空気であたたかくしてくださっているので、嬉しいです。ありがとう。」と。不器用ながら、ぎこちなくでも精一杯気持ちを伝えようとする人間の言葉というのは、澱みがなくピカピカのココロで向き合える。

ライブ中盤、ライトグリーンの中に溶け込む淡いピンク色の光を背中に受けながら歌う「マンドラゴラの花」は幻想的だった。しかしその幻想をぶち破るような悲愴なまでの長澤の叫び声。「零」でも、その身を切り裂くような声はフロアに轟き、それを煽るようなバスドラに、ライトはフラッシュする。長澤以外が発する音が長澤の世界を更に研ぎすませ、多くの熱い拍手と歓声がそれに応えた。

MG_1335.jpg彼が本編最後に選んだのは「回送」。まだ福岡にいた頃に彼のホームでもあるライブハウス照和でよく歌っていた曲だ。その頃はあまり外に出ることもなく、家で曲ばかり作っていたから、こうやって人前でライブをしているのが不思議な気分だと語り、長澤自身を貼付けたこの曲にこの日集まったファンは、じっと耳を傾け、寄り添った。


MG_1411.jpg「ファイナルだから、ノドをメチャクチャ鳴らすよ。」
アンコールで再登場した長澤は、笑顔でそういうとギターが「EXISTAR」を疾走させた。フロアも高く手を上げ、ノリまくり、爆発的ヒートアップをみせ、次の「P.S.S.O.S」では、「みんなも知っていたら歌って」といいながら “桃源郷より桃源郷へ〜” と歌詞の一部をアカペラで歌い、勢いを止めない。酷い声になってしまったと謝りながら長澤は退場したが、それに何の問題があるのだろう。そりゃ、声が枯れていれば心配こそするが、ファイナルだからいいじゃん!なんて気になったりして(笑)。

MG_1474.jpgダブルアンコールでは完全に長澤やバンドが生む音とフロアが一体化していた。長澤が「歌詞を間違えた〜」と歌えばフロアは「イエーイ!!」と続ける。
ゴンゴンと流し込まれるスモークが会場全てのリズムに合わせて上へ下へと流れ、最高にテンションがあがった状態で長澤の "JUNKLIFE"TOUR 全公演が終了した。
今作「JUNKLIFE」は長澤にとっても、ファンにとっても大きな意味があるアルバムだと思うし、アコースティックライブ同様、かなりいいライブだった。



カメラマン/杉田 真
取材・文/まさやん



<セットリスト>
M1 : JUNKLIFE
M2 : THE ROLE
M3 : MEDAMAYAKI
M4 : 神様がいるなら
M5 : どうせ陽炎
M6 : 明日のラストナイト
M7 : 夢先案内人
M8 : 僕らの輝き
M9 : 狼青年
M10:はぐれ雲けもの道ひとり旅
M11:とても何気ない言葉
M12:マンドラゴラの花
M13:Blue Blue
M14:左巻きのゼンマイ
M15:零
M16:死神コール
M17:RED
M18:ねぇ、アリス
M19:回送

ENCORE 1
M20:EXISTAR
M21]P.S.S.O.S.

ENCORE 2
M22:真夜中のミッドナイト

 

★長澤知之公式サイト http://www.office-augusta.com/nagasawa/


★長澤知之 Nagasa・Oneman 6 "JUNKLIFE" TOUR ~Acoustic ver.~ @ 下北沢Club Que 2011.5.20

 ライブレポ>>> http://mfound.jp/report/2011/05/nagasawa-tomoyuki.html

★長澤知之 インタビュー>>> http://mfound.jp/next/2011/04/nagasawatomoyuki.html

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