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mFound presents個展「真面目な人 〜スズモクの場合〜」@デザインフェスタ原宿 2011.11.15-20

mFound presents個展「真面目な人 〜スズモクの場合〜」@デザインフェスタ原宿 2011.11.15-20

昨年11月にリリースされたsuzumokuのニューシングル『真面目な人』の音源を聴いた時、時代の闇をえぐりとるような歌詞にドキリとさせられた。同年7月にリリースしたアルバム『Ni』が彼の描く光だとすれば、『真面目な人』は影の世界。しかし、闇を闇で終わらせないおもしろさに強い興味を抱いたと同時に、suzumokuが趣味としている”写真” と、リンクさせた表現を何かできないかと考え、表現者という意味でのアーティスト、suzumokuの写真個展を提案し、2011年11月15日(火)〜20日(日)、東京・デザインフェスタ原宿にて6日間の個展<真面目な人 〜スズモクの場合〜>を開催することとなった。


2011年10月某日 ラフォーレ原宿前にて待ち合わせ。この日はsuzumokuと、suzumokuの事務所ワールドアパートのスタッフ、エムファンメンバーで、個展会場となる東京・原宿デザインフェスタギャラリーを下見。 ここは、EASTとWESTに別れており、大きさの違うスペースを沢山持つため、多くの人達が足を運ぶ。今回会場に選んだEAST101は、20坪以上。
思っていた以上の広さにsuzumokuは驚いていたが、後日、デザイナーやカメラマンを従えての2度目の下見の際は、かなりイメージも膨らんでいるように見えた。

煙草をぷか〜っと吸いながら頭の中で、自分の写真達がどう並ぶのか考えるsuzumokuの横顔を何度となく見た。


後日、ワールドアパートにて打ち合わせ。 デザイナーのUさんは、個展会場の模型を作ってきていた。あまりのディテールの細かさにsuzumoku初め、全員驚く。 まず一番の課題は「あの場所にどうやって写真を展示しよう?」ということ。 編み出したのは、天井から長さの違う天蚕糸を使って会場の中心より、シンメトリーで写真が下へ落ちるように展示するという方法。名付けて「ナイアガラの滝」! 全体が真っ白な会場に吊るされた写真達は、「フォーカス」のミュージックビデオを彷彿とさせた。それをイメージしながら、あとは大きさの違うパネルの展示や、suzumokuが学校で制作したギターの展示など、どんどんアイデアは具現化していく。

「真面目な人 〜スズモクの場合〜」
タイトルも決まった。

通常のライヴをやりながらの個展準備は大変だったろうが、おだやかなsuzumokuの表情は変わらず、きっと気持ちの部分では焦っているのだろうけど、「いやぁ、やばいです!」と笑顔をみせる彼に、私はこの個展がいいモノになる予感がしていた。

11月14日(月) とうとう明日、11月15日(火)から個展がスタートする。

suzumokuはライヴ終わりで会場入りの為、それ以外のメンバーで先に設営スタート。
suzumoku到着後、 中央のナイアガラを明日の設営に残し、 壁にパネルなどの設営完了。
シャッターを閉め、「明日から宜しくお願いします」と挨拶後、解散した。

11月15日(火)〜20日(日) 初日は晴れた。
suzumoku、そしてスタッフが縦と横、スクエアの写真を天蚕糸の先の小さなクリップで止め、 雲、青空、猫、飛行機、花、電車、建物、鳥…そこにおさめられた風景が見事にゆらゆらと揺れた。


壁に展示の写真は21点、天井から吊るした写真は何と360枚にも及び、382点のsuzumokuワールドが白い壁を彩った時、全員から歓声があがり、いよいよ「真面目な人 〜スズモクの場合〜」の幕開けだ。



まだ作業が終わっていなかったが、11時、個展スタート。すでにお客さんは来てくれていて、天井から吊るされた様々な写真を1枚1枚、じっくり観ている。
暖房の風が、強く写真を揺らして糸が絡まないかというのはデザインフェスタギャラリーのスタッフさんも気を遣ってくれた。
奥にはスカイツリーと、東京タワーが大きなフォルムを映し出していて、そのすぐ前方にはsuzumokuが卒業制作で作ったギター達が4本、左右には日常的に使っている一眼レフ(ローライSL-35)と二眼レフ(ローライコードⅢ型)も展示。
4本中3本のギターは視聴することもでき、それを嬉しそう爪弾く人達の笑顔。 suzumoku本人も個展中、広い会場にギターの音色をよく響かせていて、それは何ともゆったりとした心地よい時間を生み出している。
(ちなみにギターは1本は未完成で後日完成した姿はエムファンsuzumokuブログで公開した)

 

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初日のこの日、東京にいるsuzumokuの妹さんも遊びにきた。
「綺麗な妹さんだね」と言うと「化粧とったら、僕にそっくりですよ」とsuzumokuは笑う。




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suzumokuが地元静岡でパーソナリティを務める「レイニードライブ」という、ラジオ番組の収録もやることになった。会場には来れなかった地元のファンにも、この個展の空気が伝わったのではないだろうか。 デザイナーU氏が作った、驚く程緻密な会場のスケールモデルも飾られ、これには会場に足を運んだ人も、相当驚き感心しながら携帯のシャッターにおさめていた。 あまりに来てくれた人の目がそちらへ向くと「うーん、ちょっと悔しい」とsuzumokuは負けず嫌いな一面もみせ、それが面白かった。


朝から雨の日は、やはり人の波も途切れがち。suzumokuも寒そうにカーディガンを羽織っていた。1階で、路面に面している場所柄、乾燥や湿気はダイレクトに影響をうける。例えば、ギターの音色や、天井から吊るされた写真たちの姿。数日で若干の反りをみせていたが、この雨のおかげで元通り真っすぐになってくれた。
私が暇つぶしに、てるてる坊主を作ると、suzumokuも追ってすぐ作り始める。 …が、あきらかにsuzumokuの方が形も綺麗で、顔もかわいい。 顔の可愛さはともかくとして、形の綺麗さ、こういうところに性格は出るのだろう(笑)

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1週間の個展期間も振り返ればあっという間。週末18日(金)から、個展最後の20日(日)までは夕方から弾き語りのミニライヴをやった。

18日の朝だっただろうか。ファンの人達からエムファン内のsuzumokuブログで、この3日間、ライヴでやってほしい曲をリクエストしたところ、反響の多さに、どの曲をやろうか戸惑ってったと suzumokuは開口一番語った。しかしその顔は「戸惑った」という言葉とは裏腹な笑顔で、こちらもつられて笑顔になる。

 

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近隣の工事音が止む夕方、弾き語りライヴは始まった。 この日を待ちこがれていた人、twitterやエムファンサイトで知って来た人、たまたまギャラリーに来た人など、通常のライヴとは違う空気感の中、この会場は音を綺麗に包み込み響かせた。 ライヴ中日の19日は雨。それでも人は多く、湿気をはらんだギターは、少しくぐもった音で雨粒の上をすべる。


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雨の日特有のニオイと暖かさをもちながら。
この日、最後に会場のシャッターを閉める時、全員の胸には「明日で最後」という想いがそれぞれあっただろう。 「明日で最後ですが、宜しくお願いします」と解散。 




最後の日は、初日同様晴れた。
最終日ということと、日曜日ということで人も多い。ことあるごとに「今日で最後なんだね」と、スタッフやsuzumokuと話し、suzumokuもこれで終わるのかという、特別な感情が表情に表れていた。 


この個展での最後のライヴ。
いつものライヴと同じようなリズミカルで少し早口な口調のMCは、来てくれた人を笑顔にしながら、ギターの説明や曲への想いを語ると、やはりいつも通りの歌声を響かせた。
ただ、ミニライヴと呼ぶには贅沢なボリュームで大盛り上がり。
普段は20時で終了のところ、最終日は撤収作業がある為、17時で終了。




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私は1枚1枚、あらためてsuzumokuが切り取った風景達を眺めた。個人的に大好きな写真はどれ位の時間、眺めていただろうか。 suzumokuが作ったギターに埋め込まれた鳥の絵柄もお気に入りとなり、この空間にはすっかり自分達のニオイも染み込んできた頃だったと最終日に気付く。きっとこれを「愛着」と呼ぶのだろう。

会場に置いた自由帳には、沢山の想いが綴られ、6日間の表現者suzumokuの写真個展は無事、幕を閉じた。


個展開催中、suzumokuもほぼずっと会場にいて、すすんで来場者と交流をした。

雨の日、会場であるデザインフェスタギャラリーが傘立てを貸してくれると、最後「ありがとうございました」と一番最初にお礼の言葉を口にしたのもsuzumoku。 人を招くということがどういうことなのか。来てくれた人への ”感謝”という、 一番大切なことをsuzumokuは誰より知っていて、実践していた。 その、丁寧でやはり”真面目” な佇まいは、「真面目な人 〜スズモクの場合〜」という名前に相応しく、suzumokuが「自らをさらけ出した」という、この個展が開催出来たことを嬉しく感じていた。 そしてsuzumokuがそうであったように、私もsuzumoku、ワールドアパートスタッフ、そして何より、来場してくれた人達への”感謝” で、このレポを締めくくりたいと思う。 



text:まさやん

 

 

 

 

ニューシングル「蛹(サナギ)」
2012年3月11日リリース

http://mfound.jp/news/2012/01/009487.html


OFFICIAL WEBSITE  http://www.worldapart.co.jp/suzumoku
MUSIC DOWNLOADSITE  http://liveszmk.aria.fm
TWITTER @s_z_m_k  https://twitter.com/#!/s_z_m_k
Worldapart/apart.RECORDS YouTube公式サイト http://www.youtube.com/apartRECORDS

エムファン suzumoku ブログ http://mfound.jp/feature/2011/10/suzumoku/weblog/

セットリスト

2011.11.18

01.ホープ

02.放課後スリーフィンガー

03.レイニードライブ

04.フォーカス

05.ストリートミュージシャン

06.僕らは人間だ

07.真面目な人

 

 

2011.11.19

01.ガタゴト

02.セスナの空

03.夜明けの雨

04.放課後スリーフィンガー

05.レイニードライブ

06.如月(コンセントver.)

07.鴉が鳴くから

08.真面目な人

 

2011.11.20

01.ユーカリ

02.衣替え

03.適当に透明な世界

04.幻灯機

05.街灯

06.盲者の旅路

07.真面目な人

08.ソアラ

 

EC.01.ホープ

EC.02.僕らは人間だ

Interview

Live Report

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