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長澤知之「ライド6」@ 新宿BLAZE 2012.1.15

長澤知之「ライド6」@ 新宿BLAZE 2012.1.15

「あけましておめでとうございます!突然ダメな男の曲からやりたいと思います。仲良くして下さい」
2012年1月15日、新宿BLAZEにて行われた長澤知之の<ライド6>の冒頭挨拶で長澤はそう言うと、黒いハットを揺らしながら”三年間” でライヴをスタートさせた。
ゲストにTRICERATOPSを招いての<ライド6>は長澤の弾き語りから、TRICERATOPS のステージ、そして長澤のバンドヴァージョンという構成になっている。
1月25日リリースのニューシングル『カスミソウ』から、タイトル曲の”カスミソウ” とカップリングの”けやき並木道” を続けて披露。この日は会場でリリースに先駆けて『カスミソウ』が先行販売されていて、ライヴ後、物販コーナーには人の波が溢れていた。


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弱さと絆を、決して大げさではない長澤らしい言葉でそっと、でも丁寧に歌う ”カスミソウ” にみんなじっと耳を傾けている。しかし時折叩き付けるように弾くギターの音色で、曲の輪郭がくっきりと描き出される。CDより少しだけ早いテンポで歌う”けやき並木道” はニューシングルで個人的に一番好きな曲。「まるでライヴを聴いているようだ」と取材の時長澤に言ったが、やはり生のライヴで聴くと、その空気感はうまくリンクする。



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「TRICERATOPSのオープニングアクトとして登場した長澤知之といいます」
そんな冗談に、会場からは笑いが起きる。長澤は、シレッとした顔でたまにこういう冗談を言うが、今日は少しテンションが上がっているようにも見えた。

「また、ダメな男の歌を歌って、デキる人達を呼ぼうと思います」
そういって ”俺はグビ” のイントロが響くと、フロアは手拍子と歓声に湧いた。
ここで弾き語りは終了し、機材調整が終わるとTRICERATOPSが登場。中、高校の頃からTRICERATOPSを聴いてきたという長澤は、自主企画のライヴで大歓声をうける彼らのステージどういう心境で観ていたのだろうか。
昨年末、長澤にこの日のライヴのことを聴くと、「音楽で繋がりたいから、(TRICERATOPSとは)多分必要最小限しか喋らないかもしれない」と、語っていたのを思い出した。
音楽で繋がっていたいから…という言葉は実に長澤らしいと感じる。

TRICERATOPSとしてもこの<ライド6>が、今年初めてのライヴらしく、ステージ上から和田唱(VO.G)は長澤に、この企画に誘ってくれたことの感謝をのべた。

熱狂のステージが終了すると、今度は長澤のバンドヴァージョン。
今回からバンドメンバーが変わっていたので、どんな音になるのか興味があった。

「よろしく!! 楽しもうぜ!!!」
対バンライヴの面白いところは、少なからずお互いになんらかの刺激を与えあうところ。それがちょっとした長澤のアクションだったり、かけ声からも感じた。

大歓声を受けながら「長澤知之バンドです!!」と言うと、”JUNKLIFE” のイントロで、新たなバンドでの音を響かせる。
TRICERATOPSのファンも多いため、長澤は「俺は和田さんほどMCとかウマくない」と言いながら「TRICERATOPSをリスペクトしているから仲良くしよう」と続けた。



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同じこの新宿BLAZEで、昨年6月の「Nagasa・Oneman 6 "JUNKLIFE"TOUR ~Band ver.~」を行った時は、ブルーのレスポールのネックが折れたことを報告していたが、無事それも直って、この日は長澤の腕に収まっている。

新たなバンドは、決して音自体が軽いわけではないので誤解してほしくはないが、ライトな音という印象があり、その分長澤の声は突起し表情を露にした。
”明日のラストナイト”では、赤と黄色と青と…と歌詞をなぞりたくなるような赤、黄色、青のライトが長澤やバンドを照らす。何度となくギターの曽根巧と向かい合いながら、ライヴでの気持ちよいグルーヴを見つけ出しては笑顔になる長澤の顔がこの曲でも見られた。

「そうそう、こういう感じ(笑)」
先のMCの時、TRICERATOPSのオーディエンスへ対して長澤は、自分のファンは静かに曲を聴くという話をし、やはりこの曲が終わった後も拍手以外は静かだったので、その様子を本当におかしげに笑いながら伝えた。
たとえライヴ後、毎回大歓声が沸き、拳を突き上げる感じではなくとも、こういうやりとりや距離感に、ある種の愛情がこもっているのが、多分TRICERATOPSファンにも伝わったのではないだろうか。
あたたかい…そう、あたたかい空気がいつも長澤とオーディエンスの関係性には存在する。しかし、”RED” ではその空気さえ一気に変えてしまうほど豹変した長澤が、小刻みにギターの弦を震わせ、高く伸びる声がフロアに旋回させる。


”P.S.S.O.S.” で本編を終了させると、ヴォーカルの立ち位置に2本のマイクが用意された。
アンコールをうけ、再び登場した長澤は「今日ゲストで来ていただいたTRICERATOPSの和田唱さんを弾き語りで呼びたいと思います。」と、和田を呼び込むと握手をし、照れた顔をみせた。
「俺、MCウマくないからね!」と和田は開口一番そう言うと、「2年前のクリスマスイベントで会って、その時が初めてだと思った」と続け、その時もミュージシャン長澤知之ではなく、いちファンになっていたことを長澤自身語りながら、「部屋でコンポ鳴らして和田唱になりきって歌ってた!」と当時を振り返る。やはりそういう相手との共演というのは何ともいえないだろう。

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高校の時は部屋でひとり歌っていた長澤は、この日和田と2人で、TRICERATOPSの “if” を歌う。2人の声はサビで折り重なり、長澤は終始和田をみていた。
和田はステージを降りる前、長澤にピックを渡し、渡された本人はというと、ひたすらおじぎをしていた。
「緊張するなー、おい!」と、やっと血色をもどしたようにプロポリスをごくりと飲む長澤に、オーディエンスは笑顔になる。

再びメンバーを呼び込み、アンコール最後の” 左巻きのゼンマイ” では手拍子の花が咲き乱れ、ダブルアンコールを求める拍手が、終演のアナウンスが何度か繰り返されるまで、鳴り止まなかった。

これは終演後本人にも言ったことだが、今迄のバンドがある意味、長澤の皮膚のようなものだとすれば、今回のバンドはおろしたてのシャツ。
これからどうやって馴染んで、それが皮膚の一部にまでなっていくかが楽しみだと伝え、長澤知之も「どんどん上げていきたい」と語り、会場をあとにした。


バンドメンバー:Gu.曽根巧  Ba.TOKIE  Dr. HAZE

 

 

TEXT:まさやん

 

 



★長澤知之 オフィシャルサイト

http://www.office-augusta.com/nagasawa/

★エムファン 長澤知之インタビュー
http://mfound.jp/interview/nagasawatomoyuki.html

フォトギャラリー

セットリスト

長澤知之
■弾き語り
M1 三年間
M2 カスミソウ
M3 けやき並木道
M4 俺はグビ

TRICERATOPS
M1 FEVER
M2 Neo Neo Mods
M3 あのね Baby
M4 LOVE IS LIVE
M5 仲直り
M6 Gothic Ring
M7 Milk & Sugar
M8 Future Folder

長澤知之
■Band
M1 JUNKLIFE
M2 神様がいるなら
M3 どうせ陽炎
M4 明日のラストナイト
M5 狼青年
M6 RED
M7 マンドラゴラの花
M8 幻覚
M9 EXISTAR
M10 P.S.S.O.S.

Encore
M11 if (TRICERATOPS) /SESSION WITH 和田唱
M12 MEDAMAYAKI
M13 左巻きのゼンマイ

Interview

Live Report

Blog

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