2007年リリースの『花』が絶大なる支持を受け、その後日本だけではなくアジア圏での活躍もめざましい中 孝介が7月31日、4thアルバム『ベストカバーズ～もっと日本。～』をリリース。そして中が立ち上げた『もっと日本。』プロジェクトとは？アルバムでカヴァーした楽曲についての想いやエピソードなどを語っていただきながら、『もっと日本。』プロジェクトについてや、中の故郷であり現在も拠点としている奄美大島についても想いを語ってもらった。


ー 中さんのオフィシャルサイトを観させていただくと、“『もっと日本。』プロジェクト2013年”という文字が一番最初に目に飛び込んできました。このプロジェクトを立ち上げるきっかけを教えて下さい。

僕は奄美大島出身で現在も奄美に住んでいるのですが、地元に住みながら知っているようで知らないことが案外沢山あるんです。でもそれは僕だけでなく日本各地に住んでいる皆さんも同じだと思うんです。日本人でありながら日本のことをよく知らない。地元のことを観光客の人に教えてもらったり。僕もありましたが（笑）。


ー 確かに近すぎると知らないということにすら気がついていない場合がありますね。

今は色々なものが多様化していますが、実際に触れてみたいと分からないことが沢山あると思います。その土地にしかない良さやそこでしか感じられない空気と景色、 日常で見逃してしまっているそういうものが沢山。それと同じように、日本には沢山の名曲があり、 そういう曲達というのは何年経っても決して古さを感じさせないと思うんです。


ー 確かに世代を超えて愛されている曲は数多くありますね。

音楽をやっている僕がそういう名曲達をカヴァーすることで、自分自身その良さを再認識すると共に、皆さんにも知って欲しいと考えて “『もっと日本。』プロジェクト”を立ち上げました。


ー『もっと日本。』プロジェクト公式Facebookに、皆さんから沢山の日本の素晴らしい風景が寄せられているのを拝見しました。すごく壮大な自然の風景から、本当に身近に咲く花まで色々ありましたね。その中でも私が興味深かったのは、「もののけケンムン」の描かれた標識の写真でした。

あれですね（笑）。ケンムンは奄美にいるとされているいわゆる精霊なんですが、妖怪みたいな存在で、何となくこういう風貌だったのではないかということで今も奄美に言い伝えられているんです。猿っぽいんだけど、河童っぽいしみたいな（笑）。


ー フォルムが少しなすびっぽくもあり、愛らしいですよね（笑）。

実はケンムンは描く人によってまた違うんです。


ー そうなんですか！

言い伝えとしては、猿と河童が混ざった感じと言われていて、奄美の昔の暮らしぶりや当時の郷土料理を書き記した「南東雑輪」という本に載っている絵が多分一番忠実だと思います。


ー 調べてみます！

是非是非!


ー 実際そうやって皆さんから募集した写真の一部が7月31日にリリースするカバーアルバム『ベストカバーズ～もっと日本。』のアートワークにも使われると伺いました。

はい。ジャケットの中面に使用させていただきました。


ー しかも収録曲に関しても、中さんに歌って欲しい曲をファンの皆さんから募集され、実際に選ばれた楽曲も収録されているとか。

はい。今回はファンの皆さんとアルバムを作った感じです。


ー 聴かせていただきましたが、バリエーション豊かですね。

ありがとうございます！嬉しいことに沢山の皆様からリクエストをいただきましたので、本当にバリエーションが豊かになりました。


ー 今回収録が決定した曲以外にも意外性を感じた曲などはありましたか？

今回は3曲カヴァーさせていただきましたが、 ボーカロイドの曲でしょうか。


ー 確かに中さんとボーカロイドというのはある種相見えないイメージがありました。

実際に色々聴かせていただいたのですが、アップテンポな曲が多い中で今回カヴァーさせていただいた曲達はメッセージ性の強いバラードでした。こういう曲があったことに驚きましたし、才能溢れる作家さんが多いことにも驚かされました。


ー 楽曲についても少しお伺いしたいのですが、今回はモーニング娘。さんの楽曲もカヴァーされていますね。

こちらも、中孝介というアーティスト像からは想像しがたいカヴァーの選曲だったかもしれませんね（笑）。


ー ええ、正直（笑）。この “雨の降らない星では愛せないだろう？” はファンリクエストだったとか。

そうです。