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中 孝介『ベストカバーズ~もっと日本。~』インタビュー Page4


ー “春なのに”は元ちとせさんとのユニット「お中元」のシングル『春の行人』c/wで、後輩のカサリンチュさんとコラボした曲ですが、中さんも元さんもカサリンチュさんも現在は奄美在住。プライベートで会ったり飲みに行ったりはよくするんですか?

お互い全然違うところで飲んでいたけど、偶然すれ違って「おー!元気?」みたいなことは結構あります(笑)。仕事終わってから一緒に飲んだり遊びに行ったりもします。それぞれ住んでいる地域が少し離れているので、近くに立ち寄ったら必ず会いに行くし。


ー 中さんから見てカサリンチュとはアーティストとしてどう映っていますか?

僕はシマ唄をJ-POPというフィールドで融合させていますが、カサリンチュの場合は自分達のいる島の生活の中で感じる日々の葛藤や幸せ、風景を見て感じる何かを音楽として表現しているので、僕はある意味今を息づくシマ唄だと思っています。聴いていても懐かしい感じがしますし。


ー 懐かしい感じというのは、奄美大島という土地に脈々と流れる感覚でしょうか。

そうだと思います。奄美の人達の独特の感覚。言葉ではうまく説明できないんですが自由でありながらも自由ではない。締めるところは締めるみたいな。沖縄の人の開放感とは違うし、奄美の人って独特な「陰」の部分があるんですよ。ちょっと物悲しい感じというか。…表現が難しいんですけど。


ー 勝手なイメージですが「陰」の部分というのは意外でした。

例えば奄美にも全国区にしようと思えば出来るものが沢山あるんです。黒糖焼酎や鶏飯(けいはん)という郷土料理など。でも全国区というところをあまり求めていないんですよね。自分達が良いからいいみたいな。多くを欲しない。そういう一歩下がる謙虚さを奄美の人は持っているんです。


ー 謙虚さというのはある意味、日本人の美徳ともされていますし。

そうなんです。でも逆にすごいと思うのは、沖縄の人達は自分達の文化を全国区にしているじゃないですか。音楽もしかり。僕も実際新しい音楽に踏み込んだのは大学の頃に沖縄に住んでからなんです。向こうの民謡歌手の方達とも交流があったんですが、彼らは古典民謡は勿論歌いますが新しいこともきちんと取り組んでいて素晴らしいと思いました。そういう時期に先輩の元ちとせさんがデビューして一躍全国区になるという刺激もありました。


ー そういう一連のことが中さんがJ-POPというフィールドでメジャーデビューするきっかけになったのでしょうか。

はい。自分も奄美の文化を、音楽を担う者としてもっと新しいことにも挑戦したいという気持ちが芽生え始めたんです。そう思っている時にたまたまレコード会社の人との出会いもあって今に至っています。だからシマ唄もそうですが、奄美の音楽が人との出会いを繋げてくれたんだなと感じています。デビューしてからは日本だけではなくアジアの方にも行けることになりましたし。デビュー前はまさか自分の声がアジアの人達に届いてくれるなんて夢にも思っていませんでしたが。


ー 音楽に国境はないと言いますが、本当に良いものはきちんと人の心の奥底まで届きますよね。そういう意味では坂本九さんの名曲“上を向いて歩こう”もそのひとつだと思うのですが、今回 “上を向いて歩こう” と“明日があるさ”をカヴァー。

はい。


ー “上を向いて歩こう”はアカペラでずっと曲を引っ張りつつ、最後の方でチェロが入るというかなりシンプルなアレンジで仕上げていますね。

歌詞を活かしたかったんです。この曲に支えられた、助けられたという人は日本だけではなく世界中にいると思うんです。だからこそ歌詞の世界観が僕の声で、より強く伝わってくれたらいいなという想いから、こういうシンプルなアレンジにしました。


ー そこからの“明日があるさ” ですが、この曲のコーラス隊は中さんのファンクラブ「ゆらいんちゅ」から抽選で選ばれた方達だと伺いました。みなさんお上手ですよね!

そうなんですよ! 皆さん上手で僕も驚きました。 レコーディング時間を本当は2時間設定していたんですが、1時間ちょっとで録り上がった位。


ー では最初からスムーズにいったわけですね?

いや、最初は皆さんかなり緊張されてました。でも僕が先導して皆さんにストレッチや発声練習などのウォーミングアップをやっていただいたら段々リラックスムードになってきて、最後はみんな笑顔で歌えたのが良かったです。でも予定時間より早く終了したからといってそのままお帰りいただくのも申し訳ないし、折角だったのでスタジオにあったピアノで1曲歌いました。すごく楽しかったです。


ー “『もっと日本。』プロジェクト”を通じて更に伝えたいことは何でしょうか。

このアルバムを通して、日本にはこんなに沢山の名曲達があることを知っていただければと思います。今の人達はどうしても海外に目が向いてしまいがちだけど、日本には日本人らしい奥ゆかしさや海外にはない特有の感覚を持っているので、それを今一度感じてもらって、「これって素晴らしいことなんだな」と知って欲しいです。今後、日本だけでなく海外での活動もあると思いますので音楽を通して日本の良さを伝えていきたいです。


ー 8月から全国コンサートツアー2013『もっと日本。』がスタートですが、どういうコンサートにしていきたいですか?

コンサートに来た日本の人は「日本人で良かった。」、日本に住んでいる海外の人は「日本に来て良かった。」と感じてもらえるような空間に出来たらと思っています。


ー 最後にmFound読者のみなさんへ一言お願いします。

新しいアルバムは初のカヴァー集ですが、これからこのアルバムがどんな風に皆様に届いていくのかと思うとワクワクした想いでいっぱいなんです! 是非ツアーにも来ていただけたら嬉しいです。それと奄美大島が今年、本土復帰60周年なんです。奄美がアメリカ領土だったということを知らない人も沢山いると思いますが、だからこそ奄美にも是非来てみて、奄美にしかない独特の雰囲気を感じて欲しいです。台風情報だけ気をつけてね(笑)、是非ツアーにも奄美へも遊びに来て下さい!


ー ありがとうございました!


取材・文/秋山昌未


■ 中 孝介 オフィシャルホームページ
www.atarikousuke.jp


 

リリース情報

中 孝介 4thアルバム
『ベストカバーズ~もっと日本。~』

2013年7月31日リリース

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初回生産限定盤(CD+DVD)¥3,800 BVCL-519~20
★DVD特典収録内容★
■世界遺産 吉野山金峯山寺蔵王堂  救おう千年の桜チャリティコンサート 
■中孝介『もっと日本。』投稿写真解説
<収録曲>M1.春 M2.花 M3.家路

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通常盤(CD)¥3,059 BVCL-521

【収録曲】
01 瑠璃色の地球
02 雨の降らない星では愛せないだろう? 中孝介 feat.高橋愛
03 桜 中孝介 feat.河口恭吾
04 少年時代
05 もしも明日が
06 紅一葉
07 糸
08 花
09 歌に形はないけれど
10 サンサーラ
11 春なのに 中孝介 feat.カサリンチュ
12 上を向いて歩こう
13 明日があるさ
14 愛燦燦
15 桜ノ雨  中孝介 feat.伊東歌詞太郎
16 夏夕空TX系アニメ「夏目友人帳」エンディング・テーマ
17 ありがとう

LIVE情報

中孝介アルバム完成記念SPニコニコ生放送
2013年7月28日(日)21:00~23:00(出演者の登場は、22:00頃を予定)
出演:中孝介(ヴォーカリスト)、伊東歌詞太郎(歌い手)、doriko(ボカロP)、桃知みなみ(アニメちっくアイドル)、ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
内容:スタジオ生ボカロカバー、中孝介feat.高橋愛「雨の降らない星では愛せないだろう?」ミュージックビデオ・フルヴァージョンOAなど
URL
http://live.nicovideo.jp/
watch/lv143843787


中孝介『ベストカバーズ~もっと日本。~』発売記念ミニライヴ&特典付握手会
7月30日(火)19:00スタート TSUTAYA名瀬店(奄美大島)
8月01日(木)12:00/15:00/18:00スタート(全3回)イオンモールりんくう泉南(大阪)
8月03日(土)12:30スタート ラゾーナ川崎 ルーファ広場グランドステージ(神奈川)スペシャルゲスト:高橋愛(握手会への参加は予定していません)
8月03日(土)19:00スタート イオンモール鹿児島(鹿児島)
8月04日(日)13:00スタート 阪急西宮ガーデンズ 4Fスカイガーデン 木の葉のステージ(兵庫)スペシャルゲスト:伊東歌詞太郎(握手会への参加は予定していません)
8月16日(金)17:00/19:00スタート(全2回)イオンモール土浦(茨城)
詳細は、中孝介オフィシャルHPをご覧ください。

中孝介 全国コンサートツアー2013『もっと日本。』
08月30日(金)大阪・高槻現代劇場 中ホール
08月31日(土)東京・シアター1010
09月07日(土)滋賀・日野町立 町民会館わたむきホール虹
09月08日(日)三重・多気町町民文化会館
09月10日(火)京都・京都府丹後会館
09月13日(金)新潟・NIIGATA LOTS
09月14日(土)山形・山形テルサ
09月22日(日)徳島・FIGARO
09月23日(月・祝)高知・高知県民文化ホール・グリーンホール
09月27日(金)鹿児島・かごしま県民交流センター
09月28日(土)福岡・イムズホール
10月14日(月・祝)広島・はつかいち文化ホールさくらぴあ
11月03日(日)宮城・仙台市民会館 小ホール
11月23日(土)北海道・札幌コンサートホールkitara 小ホール
11月30日(土)沖縄・桜坂劇場 ホールA
12月08日(日)東京・国際フォーラム ホールC
12月15日(日)大阪・サンケイホールブリーゼ
12月21日(土)愛知・三井住友海上しらかわホール

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