ー お花見もしたみたいだね。

1st ミニアルバム『リリィ、さよなら。』に収録した“流星ドライブ”のネタになった男友だちと夜桜を観にいきました。でもその日は二人でずっと飲んでいて、花見は三次会だったのでその頃には大分出来上がっていて（笑）。その友だちとオールして、次の日の昼に目覚めた時、二人とも花見をした記憶がかなり欠けていて、また次の日のお昼に花見をしているという状態だったので「大丈夫か、僕たち」って（笑）。


ー ヤバいね（笑）。

でもその友人とも今、喧嘩中で。結局僕、そいつのこと好きなんですよねぇ…はぁ（ため息）。


ー（笑）それ位想える相手がいるって、うらやましいよ。

それはそうなんですけど、結局僕は家に引きこもったり、外で飲み過ぎて財布や携帯を失くしたりと、かなり私生活が破綻しているんです。


ー 破綻って（笑）。でもそういう経験も含めて、ああいうリアルな歌詞が生まれるんじゃない？例えば“snow ～君がくれた物語～”の歌詞にある「ベランダで吸ってたタバコの煙の向こうの小田急を見てた」や「昨日のお酒も残ってる 間に合うかなレポート」なんて、まさにヒロキくんの生活を垣間みている感じがするし。

生活感が止まらない！（笑）歌詞では本当に自分のことを言いたいだけなので、その分メロディはキャッチーにして誰もが一度聴いだけで覚えてもらえるものにしたい。例えばMr.ChildrenとかKiroroのような普遍的なメロディを作るように心がけています。


ー それは大切な気がします。メロディや歌詞は、リスナーが想像する余白がある方が何度も聴きたくなるから。そして今作のキーワードは「セカンド思春期」。

はい。本当の…というか最初の思春期は、体が大人になっていく中で少しずつ物事を知っていく時期なので、体の成長に伴った不安定な状態だと思うんです。僕は今23歳なんですが、セカンド思春期…つまり今くらいの時って、本当に大人になっているじゃないですか。


ー そうですね。

大人になって色々なことも知ってしまう。現実を観ちゃった。思っていたより良くなかったなぁとか、いつかコンビニの駐車場で話していたあの夢って結局叶わなかったなとか。そういうやりきれない気持ちがいっぱいあるんです。最初の思春期は未来や希望が広がっているけど、セカンド思春期は後悔の方が多い気がして。何であの時、上手くやれなかったんだろうって。だからセカンド思春期は、後悔の含有量が絶対に多いと思います。


ー なるほど、後悔の含有量ね。それはちょっと納得出来るな。ちなみに曲はどの楽器で作るの？

僕は完全にピアノです。ギターで作った曲は1、2曲しかないんですね。でも“snow ～君がくれた物語～”に関しては、サビ以外はギターで作りました。


ー きっかけは？

BUMP OF CHICKEN好きの男友達が泊まりに来た時に、「ヒロキ、バンプっぽいメロを書いてみて。」と言われたのがきっかけでした。夜中にそんな話をしながらAメロをギターを弾いたら「これ、いい感じじゃない？」となって。だからあの曲のメロがすごく細かいのは、ギターで歌いながら作ったからなんです。その分ピアノで弾きづらくて…（笑）。


ー なるほどね（笑）。

でも“snow ～君がくれた物語～”を発表した時は、スタッフからも「新しいね！」と言われました。それまではずっとピアノのみで作っていたので、そういう点でもアルバムのリード曲になったんだと思います。


ー 個人的には“きみの匂い”も大好きです。

ありがとうございます！ “きみの匂い”は、自分で案を出しながらも1枚目の作品に入れるのを後から少しためらった位に赤裸裸なんです。だから単純に、あの曲を親に聴かれたくない！（笑）


ー アハハ！自分以外に誰か大切な人がいそうな女の子を泊めているところとか（笑）。

そうそう（笑）。ずっと携帯をいじってるし、僕以外の男の陰がチラチラしていたんですよねぇ。じゃあ僕のところに来るなよって！！


ー アハハ！

僕、友だちからも「ヒロキは優しくて良い人だけど、恋人としてはきっと1番になれないタイプだよね。」って言われるんです。さっき話した“流星ドライブ”のモデルになった友人も同じようなことを言われるみたいで。「誰にでも優しい」って。だからよく二人で「優しくすることの何がいけないの！ そりゃ頼られたら助けるでしょ！」って話しているんです。


ー やっぱり「誰にでも」というのがキーワードなんだろうね（笑）。

はぁ〜。（深いため息）


ー（笑）ところで今も引きこもりがちな生活パターンは変わらないの？

そうですね。外に出たのはコンビニにお酒を買いに行っただけとか多々あります（笑）。しかもこの間、大学の名前が入っているサークルのパーカーとスエットで近所を歩いていたら「リリィ、さよなら。さんですよね。私、ファンなんです！」って声かけられて。勿論オシャレな服も持っているんですけど、大抵そういう格好でいることの方が多いので、外に出る時はある程度きちんとした格好をしなきゃって反省しました（笑）。


ー これは勝手なイメージなんだけど、ヒロキくんって顔がキラキラしているから実は「僕を観て！」って思っていたり、部屋で鏡を観てキメポーズとかしている部分もあるのかなと思っていたんだけど。

ない！マジでない！！！さっきマネージャーにも「僕、今日からもっと自分を愛することにします。」って、訳の分からない決意を述べたところだったんです（笑）。


ー そうそう。Twitterでもそんなことをつぶやいていたから、そこら辺の話もしてもらおうかなと思っていました（笑）。

鏡を観てキメポーズという話がありましたが、まず僕は鏡が怖いのであまり観ないんです。


 

THE LIBRARY Vol.20
5月20日（水）Shibuya duo MUSIC EXCHANGE