ー 怖いって？

ホラー的な意味で。鏡から何かが出て来そうじゃないですか？


ー 自分が鏡を観た時に、部屋の隅に誰かの姿が映っているんじゃないかと思って怖くなる時はある。

ぎゃー！何てこと言うんですか！マジで怖い、怖い、怖い！家に帰って鏡が観れなくなる！！


ー アハハハハ！ゴメン、ゴメン（笑）。

僕は本当にホラー的なものが大の苦手で、以前大学の友人たちと富士急ハイランドに行った時も、お化け屋敷だけは入りたくないって土下座しましたもん！

＜一同爆笑＞

自分のことをもっと愛するということに話を戻しますが、僕の1stミニアルバム『リリィ、さよなら。』は、楽曲のストーリーにひとりひとり実在の人がいて、その人たちへのどうしようもない気持ちを曲にしたんです。そうすることで初めて僕の中で整理がついて完結するんです。それ位大切な人たちがいる。例えば“流星ドライブ”は恋愛の曲ではないし、“ハルノユキ”も亡くなった大学の先輩を偲ぶ歌なんです。歌詞の「返す機会失った言葉も あの楽譜も」という部分も、もう先輩に返せなくなってしまった喪失感を歌っています。だから全てが“snow ～君がくれた物語～”や、“きみの匂い”みたいなラブソングではなく、男女問わず色々な誰かを好きだという気持ちが詰まっているアルバムなんです。でも人を好きな気持ちに振り回されすぎるから辛くて（笑）。


ー 誰のことも愛せないよりは良くない？

そうですね。僕、「好きな人」か「それ以外の人」って完全に分かれるので、「極端だよ。」って怒られることもあるんです。でも自分が興味を持てる人としか一緒に居たくないんですよね。「お前が好きで好きで仕方ないんだよ！」ってわめき散らすように生きているし曲を書いているから、気づいたらある意味のナルシズムというか、自分を愛する気持ちを忘れちゃう時があって、自分ばかりどんどん体調を崩したりボロボロになったりするんです。それでも自分では気づかなくて。そんな風だから、周りで僕のことを本当に心配してくれている人たちから「やめなよ。」とか「落ち着けよ！自分を労れ。」と言われるんです。だから一回落ち着いて、自分を愛してみようかなと思って。自分を大切にして、誰かに会うためじゃなくて自分のためにスケジュールを組むとか。


ー いいね。

だから次の作品ではそういう視点の曲も入れたいと思っています。1stミニアルバムは6曲とも誰かに向けた曲でしたが、今度は自分を励ます曲も書きたい。


ー 感受性が強すぎるというのは確かに生きづらいかもしれないけれど、作品として良いアウトプットが出来ているのも事実だよね。

作品に関しては絶対的な自信を持っているんです。ただそれでも、CDを出す前はスタッフに「僕、音楽の才能が無いから辞める！辞める！辞めるっー！」って直前までずっと言っていた程ナーバスになっていたんです。でも蓋を開けたら、僕もスタッフも何が起こっているか分からない位に色々なところから反響を頂いてCDも再生産になりました。だから今は安心して音楽が出来ます。


ー きっとその等身大なスタイルが、リリィ、さよなら。らしさでもあるんでしょうね。

3月に熊本でのワンマンライヴが終わって、うちの親がファンの人に「きっと彼が心から幸せになれた時が音楽を辞める時なんでしょうね。」って言われたらしいんです。それってすごく深いなと思って。だから完璧なハッピーになるまでは音楽を続けます！


ー 最後にmFound読者のみなさんへ一言お願いします。

多分、無名の新人が赤裸裸に色々なことを語りまくって「何だ？こいつ」と思っているかもしれませんが、曲を聴いてもらったら全ての謎が解けると思うので、等身大のメンタルこじらせ系アーティスト、リリィ、さよなら。を是非よろしくお願いいたします。ありがとうございます！


ー ありがとうございました！




取材・文／秋山昌未


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