ー あらきゆうこさんのテクニカルなドラムとは違うストレートな表現のドラムで、 変化するリズムの中で感じる疾走感が楽曲の持つ力を更に引き上げていますね。

疾走感から生まれる、生き急ぐような力があって、たとえそこでフィルが早まっていたとしてもそれで良いという音に聴こえたならば嬉しいです。


ー 以前サンボマスターさんが取材で、盤に対しては間違わないことがイコール感動という完璧厳守みたいなものがあるけど、間違わない演奏や歌が良いのではなくて何かが降りてくるようなものが良いと話してくれたんだけど、それと同じだね。

そうそう、まさにそういうこと!!


ー この曲は“俺はグビ”とも違う混沌とした酔っぱらい感があるけど、 飲みながら曲を書くことってあるの？

多い多い。どの曲もそうですが1曲につき複合的なアイデアがガガガガガッって詰まっているので、ひとつのアイデアが細胞分裂のように増えていって、またひとつに結集するという、ある意味ケ・セラセラな部分があるんです。だから1曲の中でも酔っぱらって書いた部分と素面で書いた部分が混在している曲が多いです、僕の場合。


ー それこそ、お酒に合うイメージで言えば“STOP THE MUSIC”。渋い! カッコいい!!!

良かった！


ー 歌詞も終盤前まではかなり攻め立てているし、サウンドでは伊藤大地さんのゆっくりしたドラムとキタダマキさんのちょっと気だるげなベースが独特のリズムを作っている。

のんびりとした中にハッキリとしたパワーがあるというようなニュアンスを出したかったんですが、お二人が見事に出してくれました。


ー アウトロで一瞬クッとギターが盛り上がりながら終わる感じは、ジャムってる感じがしました。

レコーディングする時も、一緒に“せーの”でいって目を見ながら合わせていたのでそのリズムが反映されたと思います。その中で、ギターはこういう感じで重ねようかとか相談しながらやっていたので、自然な流れが出来ていると思います。…いや、思うのではなく、出来ている!


ー 本当にこうやって話を聴くと、楽曲の濃厚さは勿論だけど長澤くん自体、レコーディングや制作を思い返してみると濃厚な時間を過ごしたのでは？

はい。沢山の経験をしましたし、いつもは自分ひとりでいるけど、多くの人と会うというのはやはり濃い経験でした。なおかつ全然違う曲を沢山入れていこうという想いもあって、その都度思考がガラッと変わる。その切り替えが上手くいかなかった時もあったけど、良いアルバムが出来たことがなによりだと思います。


ー 12月にはシークレット ライド7が東京、大阪で開催されますが、今回は『黄金の在処』に関わりのあるアーティストを迎えてのライヴですね。

CDの世界観と合わせていくものもあるけど、イメージをあえて変えていく楽曲もあると思います。音源は音源、ライヴはライヴの楽しさや良さがある。というか、音源もライヴに近くて、その時「あ！ これいい!!」って思いついたものを即興で弾いたり、やり直したりしたものを貼付けながらやっているので、結構自分の中にはライヴ感があるんです。だからいざライヴで弾こうと思ったら思い出せなかったり（笑）。だけどそれはそれ。その時ベストなライヴを音源にしたんだという感覚なんです。だからライヴはライヴでその時のベストなライヴをしたいです。


ー 最後にmFound読者のみなさんに一言お願いします。

11月6日に『黄金の在処』というアルバムを出す長澤知之と申します。もし「最近、音楽がつまらないなぁ。」とお思いでしたらこれを聴いてみて下さい。「やっぱ、つまらなかった!」と思うか「最高!」と思うか、どちらかだと思うので是非聴いてみて下さい。よろしくお願いします！


ー ありがとうございました。


取材・文／秋山昌未


■ 公式サイト

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