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長澤知之『長澤知之III』インタビュー


「いらっしゃい。」そんな言葉を受け取材は始まった。いや、あえて取材とは言わないでおこう。ここは長澤知之の部屋(厳密には事務所だが)。長澤が自宅へ友人を招き入れるような、フランクな雰囲気をコンセプトとしたライヴ【IN MY ROOM】が、今年4月から東京・青山月見ル君想フを拠点に開催されている。その【IN MY ROOM】は少なくとも長澤の音楽に刺激と安らぎを与えているように思えた。11月25日リリース(11月14日より開催の【IN MY ROOMツアー】で会場先行発売)のアルバム『長澤知之III』も、そんなライヴを踏襲したような、気負いのない伸びやかな作品となっている。更にアルバムでは、バイノーラルレコーディングという手法を用いたことで、より長澤の声や存在を身近に感じられる。今回は、【IN MY ROOM mFound篇】と称して、まるで長澤の部屋へ遊びにおじゃましたかのような気軽さで、長澤とアルバムのことやライヴのこと、他愛ないお散歩話から音楽のこと、生きることの話などを緩やかなムードで(長澤も筆者もソファには座らず地べた座りで)、昼→午後→夕方→夜と時間が過ぎるように絵など描いてもらいながら、会話をすることにした。


ー 今日は長澤くんと絵を描こうと思って色鉛筆とクレパスを持ってきたんだ。

(色鉛筆を見て)すごいね、これ!何色あるの?


ー 本当は100色あるんだけど、少し足りないかも。

クレパスも綺麗。でも全然使ってないんだね。


ー 実はそうなんだ。私は白黒の線画がメインだからあまり使っていなくて(笑)。

<筆者、持参したスケッチブックに描いてある自分の絵を見せる>

じゃあこの絵に塗り絵をしよう!


ー ありがとう!じゃあ『長澤知之III』を流しながら…(PCの音楽ソフトを起動させる。)

<BGM “只今散歩道”>
<長澤、早速色鉛筆で彩色し始める>

まさやん、元気?


ー 元気。長澤くんは?

元気だよ。30歳になると…ということではないけど、自分のやり方って何となく分かってくるもんですね。


ー 自分のやり方って?

自分にあまり期待しすぎないこと。欲望はすごくあるけど、あまり自分に期待しすぎるのはどうかと思うようになった。例えば人と話をしていて「今、僕はこれが言いたい。これを言ったらどういう反応をくれるかな。うん、きっと良い反応をくれるだろう。」とか、「僕はここに行ったら愛されてしかるべき」だとか(笑)。でもそこで愛されなかったとしたら一時失望するじゃん。


ー うんうん。

でもその失望を防ぐには、自分にあまり期待しすぎないことなんだなって思ったんだ、最近。


ー それはすごく分かる。取材もそうだもん。

そうなんだ。


ー そう。こういうことを訊いたら、相手はこういうことを返してくれるかなって。でも自分が想像していたような反応がなかったり、思うような取材が出来ないと自分に失望する。でもそれって、やっぱり自分に期待しすぎてるからだと思うから。

自分の中で素晴らしい答えを求めているから、それがどんどん誇大妄想化しちゃう。


ー そうそう!

それが僕みたいに常質化しちゃうと(笑)、人が答えてくれることが当然期待しているものであろうと思って、嫌な奴になっちゃう。


ー でも長澤くんは嫌な奴じゃないでしょ(笑)。

ただそういう部分があるから、勝手にすねて「何でお前すねてるの?」って言われます。もういい歳なんだから、気をつけなきゃね(笑)。


ー でも40歳になっても50歳になっても、そういうところがダメダメな大人って一杯いるじゃん。

いるいる(笑)。

<長澤、少しの間彩色に没頭>

DSC_0003.jpgー(“只今散歩道”を再び聴き直しながら)“只今散歩道”のギターは、気持ちよくて好きだな。長澤くんはお散歩結構するよね。

はい。


ー 緑が多いところが好き?それとも都心?

都心はあまり散歩しないな。下町を散歩するのが好きで、この間は柴又に行ってきました。僕、寅さんが好きなんですよ。


ー そうなんだ。

山田洋次監督も好きで。だから “只今散歩道”もそうだけど、いちいち色々なことに想いをはせるのが好きなんです。ロマンチックなんです。自分で言うのもアレだけど(笑)。色々なものにロマンを感じるのが好き。まぁ言い方を変えたらオナニーだけど。


ー アハハ。

でもそのお陰で色々なものを作り出せるし。だから僕はロマンチックでいたいんです。ロマンチックでいられる時間帯というのが散歩の時。柴又では帝釈天も観たれど、「あぁ寅さん、ここに居たな。」とか、「吉永小百合さんがここに駆けつけてきたんだよな。」とか。まぁ若干ロケ地は違ったりするんだろうけど、でもそういうのを観ていることが楽しかった。


ー いいね。

まさやん、散歩は?


ー 大好き!都心だろうが公園だろうが。

都心での散歩って、色々なことを考えられる余裕ある?


ー あるある。例えば高いビルから下を観ながらぼーっとしてると、綺麗な言葉が見つかったり、面白いアイデアが浮かんだり、くだらないことで笑えたり。それこそ単なるオナニーかもしれないけれど。

いや、良く分かる。それをアウトプット出来る場があるということは幸せだよね、お互いに。


ー そうそう。

アウトプット出来ない状況、あるいはアウトプットすることを自分で制限して「あぁこれ気持ち悪い。自分のオナニーだから、言っちゃいけない。」ってなってしまったら、何も出来なくなってしまう。だから、その箍(たが)が外せるようになったら最高だと思うんです。僕もたまに箍を作ってしまうことがあるけれど、それってつまらないことだなって思うようになった。


ー 確かに、最終的に箍が外せるのは自分自身だからね。勿論、第三者からの言動が箍を外すきっかけになったとしても、自分がそれを感じ取れなければ箍は外れない。

うん。そう思う。それと僕は散歩中、「ここに色々なドラマがあったんだろうな。」っていうものを感じさせてくれる場所が好きなんです。だから例えば都庁のあたりとかはあんまりそういうの感じられなくて。


ー 歌舞伎町あたりは?

あの辺はあまり行かないかな。昔はよくからまれたから(笑)。


ー え、そうなの?!

今はないよ!ようやく男の貫禄がついてきたから(笑)。


ー そうだね(笑)。

<BGM “享楽列車”>


ー “享楽列車”って、タイトルが小説っぽいよね。歌詞ではセンシティブなことを言っているけど、個人的には一番落ち着く。

「享楽」は「快楽」よりも無責任な言葉なんだよね。


 

リリース情報

長澤知之NEWアルバム
「長澤知之 III」

11月25日(火)リリース



nagasawa3.jpg
ATS-55 / 2300円(税込)

1. 只今散歩道
2. 享楽列車
3. バニラ
4. 犬の瞳 ※Binaural Recording
5. シャウト
6. そこ
7. 宛のない手紙たち ※Binaural Recording at 506号室
8. そこぬけ
9. いつものとこで待ってるわ ※Binaural Live Recording at 月見ル君想フ 2014.7.29

■ 発売日/販売方法について
11月14日(金)から行われる“IN MY ROOM”TOUR 2014で会場先行販売を行います。

また、11月25日(火)よりAugusta Family Clubにて販売開始。
購入者特典として「長澤知之」シリーズ3作のジャケットステッカープレゼント!
詳しくはAugusta Family Club

■ Augusta Family Club
http://augfc.net/category/NAGASAWA
TOMOYUKI/ITKAUATS055.html


※現在Augusta Family Clubでの予約を受付ております。発売日の11月25日(火)にお届けできるのは11月20日(木)12:00までの注文分となりますので、ご注意くだ さい。お届け先の地域等のより発売日のお届けができない場合がございますのでご了承ください。

LIVE情報


長澤知之“IN MY ROOM”TOUR 2014
11月14日(金)東京キネマ倶楽部
11月15日(土)東京キネマ倶楽部 SOLD OUT
11月19日(水)名古屋・TOKUZO
11月21日(金)福岡・ROOMS
11月23日(日・祝)大阪・世界館 SOLD OUT

チケット発売中!
全自由¥4,860(税込、整理番号付、ドリンク別)

 

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