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長澤知之『長澤知之III』インタビュー


ー 勿論全てにおいてではないけれど無責任って、ある意味ではなんか好きだな。

生き方として、ある程度無責任であれた方がいいとは思います。今ふと思い出したんだけど、オフィス・オーガスタの新人で浜端ヨウヘイくんというシンガーソングライターがいて。


ー この間、取材させてもらいました!

そうか。 “享楽列車”で「大丈夫だよ 大丈夫」って歌っているけど、 浜端くんの“無責任”という曲では彼もまた「大丈夫さ 大丈夫さ 大丈夫だよ」って歌っているから、リンクしているなと思って。


ー ひとつのワードから繋げる方向性が同じというのは面白いね。

うんうん。


ー そういえば、リアルに長澤くんの部屋に友だちが遊びに来ることって結構あるの?

あります。大抵ギターを弾き合って話し込んだり、世の中はこういう感じだけど自分たちはどう思うのだろうかとか、少ない知識の中で話し合ったりしています。まぁ音楽をやってる友だちが殆どだけど。

<長澤、彩色中>

DSC_0001.jpgー 前に、mFoundを通じて知り合った音楽をイメージした個展をやったんだけど、そこで長澤くんの“けやき並木道”を描いたの。

えー!観たいんですけど。


ー 今日持ってこようと思って、忘れた(笑)。

それは残念!


ー そこで本当のけやき通りと西鉄バスを描いたんだけど、バスを赤くし忘れて友だちに「バスが赤くない。」って突っ込まれた。

アハハ!そこ重要だからね。


ー そうだよね(笑)。

<BGM “バニラ”>


ー “バニラ” の「道徳も倫理もさだめも  時にはただのテストなんだから」という部分がすごく気になりました。

沢山沢山そう思うことはありますが、この物語は「バニラ」という相手に対して歌っている曲で、欲望に素直になれよと歌っているつもりです。生きているうえで、何よりのエナジーになっているものは欲望だと思うから。何が欲しいとか、幸せになりたいとか。そういうものって結局欲望だよね。


ー うんうん。

でもそれが全く皆無になって、空しくなる時に人は死んでしまうことがあると思うんです。自殺もまさにそう。そこまでとは言わずとも、自分だって空しさを覚えた時はあるし。でも「これが欲しい!」と思った時って、人間はすごいエナジーがあるから、僕から言わせればそれはすごく美しい。そういう美しさは好きだし惹かれるものがある。まぁ、そういう人ばかりになっちゃうのもどうかとは思うけど(笑)。


ー 強欲になりすぎる(笑)。

馬鹿ばっか!って気持ちになっちゃう(笑)。


ー アハハ!

でもこの曲の中では、しかるべき人に「恋していいんだよバニラ」って歌っている。恋というのは異性に限ったわけでもないし、物事に恐れず恋していいんだよ、欲望にハマっちゃっていいんだよ。そういう風に歌いたくて「道徳も倫理もさだめも 時にはただのテストなんだから」と歌っているです。「あなたはもうこの歳だから、こういうことをしちゃいけないよ。」ということでもないし、例えば自分の嫌いな人がこうだからといって、その人を避けるんじゃないよ。立場があるからといって、その立場にそぐうのではなく利用しろよとか、嘘をつけとか。欲望の為に目標を定めることというのは、すごく真っ当だと思う。


ー すごく救われる言葉だね。道徳や倫理を貫こうとすると当然我慢も多くなる。でも、「自分」のままで良いんだ、生きていても許されるんだと思うと、気持ちが楽になる。

そう思う。……うん、よく分かる。

<BGM “犬の瞳”>

DSC_0004.jpgー そういえば今回、バイノーラルレコーディングというレコーディング方法を取り入れたんだよね。

はい。


ー ダミーヘッドの目は長澤くんが描いたんだ。

そうそう、僕が描いた(笑)。


ー ちょっとリアルで怖かったよ(笑)。

アハハ。ダミーヘッドは両耳にマイクが付いているんだけど、人型にすることで人が体感しているような音をマイクで拾うんです。そのマイクでひとつのMIXになっている音が出て来るから、後はそれを整理してあげる。エンジニアの佐藤洋介さんには結構無理難題を言ったのかもしれないけれど、素敵に仕上げていただきました。このダミーヘッドを使ってのバイノーラルレコーディングというのは、自分の聴覚の体感で聴こえている3D的なものだけど、そもそも良く考えたらきちんとMIXしたものを人に聴かせるというのは、自分の聴覚上から聴こえているものとはあまりにも違くて、あまりにも綺麗すぎる。だから不自然なものなんです。でもこれはとても自然なものを作れるから、まんま丸裸で音がやってくる感じ。音は聴けば一聴で分かると思う。


ー 実際、 “犬の瞳”のゴスペルコーラスのような部分は、音が円になってその中心で全方位から沢山の長澤くんのコーラスが降り注ぐ感じがした。

まさにそうやって録りました!


ー でもバイノーラル・レコーディングをしていない曲も、音の広がりがとても想像力を沸き立たせた。例えば“享楽列車”では左右から聴こえるギター音が、踏切の音みたいに感じたりして、自分の頭の中で勝手に映像が浮かんでくる感じ。

僕もそうであって欲しいと思っていた!【IN MY ROOM】は僕の部屋に来てもらい、その部屋の空間を楽しめるように、出来るだけ空間芸術をしようと考えていたんです。聴覚は勿論だけど、嗅覚やドリンクなどの味覚、色々なもので遊べたらなと思って。だから、空間をより意識して、まるで部屋に遊びに来ているような感覚に陥ればいいなという気持ちだったので、曲で絵(映像)が思い浮かぶというのは、狙った結果通りになった。まぁおこがましいので、そうは言いませんが。…って、言っちゃったけど。


ー アハハ!

でも、そういう風に感じてくれて良かった。


ー やはり今作においても、【IN MY ROOM】の存在は大きいね。

大きい!!


ー 昔からああいうライヴをやりたいと思っていたの?

いや、昔からではないんだけど、普通にライブを経験していくうちに、ライヴ然としているものよりも、何か違うことをやりたいと考えるようになったんだ。折角ライヴをやるのなら、単なるエンターテインメントで終わりたくない。もっと観に来てくれた人たちの記憶に残れるものになるにはどんなライヴをするのが良いのだろう?って考えていたんです。例えば初恋の人のニオイやフレグランスをたまたま20年後、街を歩いている時に同じ香りの人に突然出くわす。すると、一気に昔のことがフラッシュバックするでしょ?


ー はいはい!

嗅覚はそういう意味での記憶をすごく騒がしく遊ばせてくれるものだと思うんです。音楽や視覚もまったく同じ効果があるから、次の体験をした時に、同じようなものがフラッシュバックする記憶の中で遊べるということをやりたかった。 そういう空間芸術をやりたかった。ただ、それがまだ全然うまくいかなくて。


ー そうなの?

ええ。でも僕は最初からうまくいくとは思っていなくて、これからどんどん場数を踏んで自分の思い描いているイメージに近づけていくものだと思っています。


ー ということは、長澤くんとしてはまだ途中という感じ?

全然途中。

<BGM “シャウト”>


 

リリース情報

長澤知之NEWアルバム
「長澤知之 III」

11月25日(火)リリース



nagasawa3.jpg
ATS-55 / 2300円(税込)

1. 只今散歩道
2. 享楽列車
3. バニラ
4. 犬の瞳 ※Binaural Recording
5. シャウト
6. そこ
7. 宛のない手紙たち ※Binaural Recording at 506号室
8. そこぬけ
9. いつものとこで待ってるわ ※Binaural Live Recording at 月見ル君想フ 2014.7.29

■ 発売日/販売方法について
11月14日(金)から行われる“IN MY ROOM”TOUR 2014で会場先行販売を行います。

また、11月25日(火)よりAugusta Family Clubにて販売開始。
購入者特典として「長澤知之」シリーズ3作のジャケットステッカープレゼント!
詳しくはAugusta Family Club

■ Augusta Family Club
http://augfc.net/category/NAGASAWA
TOMOYUKI/ITKAUATS055.html


※現在Augusta Family Clubでの予約を受付ております。発売日の11月25日(火)にお届けできるのは11月20日(木)12:00までの注文分となりますので、ご注意くだ さい。お届け先の地域等のより発売日のお届けができない場合がございますのでご了承ください。

LIVE情報


長澤知之“IN MY ROOM”TOUR 2014
11月14日(金)東京キネマ倶楽部
11月15日(土)東京キネマ倶楽部 SOLD OUT
11月19日(水)名古屋・TOKUZO
11月21日(金)福岡・ROOMS
11月23日(日・祝)大阪・世界館 SOLD OUT

チケット発売中!
全自由¥4,860(税込、整理番号付、ドリンク別)

 

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