2013年4月17日、1stシングル『ゆれるユレル』でメジャーデビューした現在18歳のシンガーソングライター新山詩織。ハスキーなのにどこか透明感と繊細さを持つ彼女の歌声は唯一無二の存在感を放ち、素直な「今」の気持ちを歌っている。そんな新山の1st Album『しおり』は1st Albumとは思えないほどのクオリティの高さとバリエーションの豊かさを持っている。アルバムや楽曲への想い、そして新山詩織という人間について色々と語ってもらった。


ー 3月で高校卒業。おめでとうございます。

ありがとうございます。


ー 卒業を前に、今はどういう気持ちですか？

最初の頃は「早く卒業したい」ってひたすら言っていたのに（笑）、卒業式が近づくにつれてやっぱり寂しさが出てきました。


ー 部活は何かやっていたんだっけ？

高校一年の頃、入学してすぐ、一ヶ月くらいだけ吹奏楽部に入っていました。


ー でもメジャーデビューして、ミュージシャンと学生生活の掛け持ちは大変じゃなかったですか？

最初は本当に初めてのことが殆どだったので、大変でした。学校の勉強もおろそかにはしたくないし、でも音楽は音楽で自分の一番好きなことだから、思うようにやれたらいいなと思ったけど、その二つが重なった時はゴチャゴチャになって、気持ちが追いつかない時もありました。


ー ちなみに教科は何が得意だった？

国語、特に古典が得意だったんですが、高三になってから何故か生物の成績が一番良いという、よく分からない状態でした（笑）。


ー そして3月26日に1st Album『しおり』をリリースされますが、ご自身としてはどんなアルバムに仕上がったと思いますか？

一曲一曲に自分が詰まった一枚になったと思います。


ー テーマやコンセプトは何か決めていましたか？

特には決めてはいませんでした。デビューしたばかりの頃から制作していたものが溜まってきたので、その曲たちをやっとレコーディングしてアルバムに入れられたという感じです。


ー じゃあ当然かもしれないけど、満足感も詰まっている？

はい。それはすごく強いです。卒業する前にこうやってしっかり自分自身が詰まったものを作れたことが嬉しいです。


ー 今アルバムではシングル曲も収録されていますが、シングルのc/wでは必ずカヴァーをされていますね。

はい。


ー 他の取材でもよく訊かれることだと思いますが、カヴァーの選曲がいつも渋いですよね。

はい（笑）。私が高一の時に父がROSSOのライヴ映像を見せてくれたのがきっかけで、昔のロックバンドの音源を色々と掘り下げて聴くようになったんです。そこでTHE GROOVERSやTHEATRE BROOK、奥田民生さんなど、沢山知ってひたすら好きになりました。


ー 同級生が聴いている音楽とズレは出てくるでしょう。

はい。だから高校に入った時、友達に「カッコいいから聴いてみて!」って自分からCDを貸してみたりして（笑）。


ー 反応は？

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとかをあんまり聴かなそうな子に聴かせてみたら、「渋くてカッコいい。」って言ってくれたから「もっといっぱい聴いて！」って（笑）。


ー あはは、いいな。でも新山さん自身がそういう音楽に惹かれる魅力って何なんだろう。

ギターの音で好きになることが多いです。あと声。 綺麗に歌い上げてるというよりは…例えばチバユウスケさんのような独特な歌い方に惹かれます。


ー 邦楽、洋楽問わずだよね。

そうです。


ー 今一番ヘビーローテーションで聴いているのは？

ポール・ウェラーがすごく大好きです。声がたまらなくカッコいい！


ー ポール・ウェラーいいね！現在新山さんはギターを弾かれていますが、最初はピアノを習っていたんですよね。

ピアノは小学校の頃に3、4年間習っていましたが、うちの父がバンドをやっていたので、リビングには常にギターが置いてあったんです。だから中学で軽音楽部に入ってからは勝手にそのギターを使って練習していました。


ー 個人ごとなんだけど、私はエレクトーンを13年くらい続けていて…。

うちの母もずっとエレクトーンやってました！


ー そうなんだ！でもギターはすぐ断念しちゃった。ピアノとギターって弾くスタイル（姿勢）が違うから、難しくなかった？

あぁ、母もやっぱり同じような理由でギターを断念したって言っていました（笑）。でも私は軽音楽部でエレキから入ったので、弦は押さえやすかったかな。ただ音はカスカスで最初は鳴らなかったですが。