ー “「大丈夫」だって”は、鍵盤の鳴りが空間的だったり、歌詞の「やだ、やだ」と繰り返す部分で後半の「やだ」は他の音をなくしてるなど、サウンド効果が歌詞の世界をより立体的にさせている気がしましたし、歌詞も関係性が色々と想像できました。

この歌詞は自分で設定を決めてから書いていきました。自分と同い年くらいのカップルがいて、女の子の方がなかなか相手に言いたいことが言えないというか、素直になれず「大丈夫」って言っている強がりな女の子というのが一番最初に浮かんで来て、それから広げて歌詞を書いていきました。


ー 歌詞はそうやってストーリーを考えて書くことが多いの？

今はストーリーを考えて書くことと、体験から書くことの両方です。最初の頃はただ自分のどうしようもない気持ちを言葉にして歌っている時が多かったけど、この “「大丈夫」だって”のようにストーリーを考えてから書く書き方も面白いなと思って。どんなに設定を決めてもどこか自分と重なるところがあったりするし。


ー 新山さんも強がって素直になれない方？

どうだろう（笑）。恋愛でなかったとしても大丈夫じゃないのに「大丈夫」って言っちゃうことはあるかも。


ー 仕事や友達関係とか。

そうです。


ー “Everybody say yeah”は、かっこいい曲ですよね！今作では唯一のアッパーソングで、新山さん自身のロック好きな部分が出ていると感じました。

自分が好きなバンドのライヴに行っている時って、こんな感じで盛り上がってるかなという部分を思い浮かべながら歌いました。それとこの曲は初めてコーラス隊の人たちとレコーディングをしたんです。


ー いかがでしたか？

同じブースで一斉に歌ったんですが、最初に第一声聴いた時には「うわっ！」って圧倒されちゃって（笑）。だから負けじと頑張って歌いました。すごく楽しかったです。


ー そういう意味でもライヴ感を感じられる仕上がりになりましたね。

ライヴ感はすごくあると思います。こういう、自分なりのロックな曲も、もっと作りたいと思いました。今回は全曲通してバリエーションも豊かなので、私の色々な面が出ていると思います。


ー “だからさ” と“たんぽぽ”、“午後3時”は完全に新山さんが作詞作曲されていますが、特に “たんぽぽ”、“午後3時” は他の曲の歌詞とくらべて、歌詞というより新山さんがブログで書いてるような、気持ちを綴った詩のようなニュアンスを感じました。

特に “午後3時”はそうだと思います。 それと歌詞の話からはズレちゃいますが、“たんぽぽ”は、まだオーディションを受ける前に作っていた曲なので、やっと出せたという気持ちが強い曲です。


ー そうなんだ。そういえば新山さんってイメージがたんぽぽっぽいな。

黄色…？


ー いや（笑）、派手で香りの強い花というよりは素朴だけれど誰しもが知ってるみたいな。

あ、それは嬉しいです。


ー “17歳の夏”はすごくポップな曲ですが、17歳の夏って実際新山さんにしてみれば、ついこの間ですよね。

そうです。でもこの歌詞を書いていたのは16歳の冬で（笑）。


ー 16歳の冬、まだ来ぬ17歳の夏にどんな想いを馳せて曲を書きましたか？

この曲も “「大丈夫」だって”と同じように、短いストーリーを自分なりに考えてから歌詞を書いていったんですが、周りとあまり馴染めずやりきれないというか、自分を上手く出せない女の子がひたすら自分をさらけ出せる場所、心からパーッと開ける場所を探しに旅に出るということをイメージして書きました。でも実際自分の17歳の夏はかなり素敵な夏になりました。


ー 具体的には？

ずっとずっと憧れだった夏フェスに出られたことが大きかったです。


ー どうでした？初の夏フェスは。

それまではライヴハウスに出ることが多かったので、野外で音がバァーッて広がっていく感じがまた違ったし、汗を流しながら演奏するのも楽しかったです。ステージに出る前は緊張なのか興奮なのか分からない状態だったけど、いざ本番を迎えてみんなの前で歌えたのはすごく気持良かったです。


ー じゃあ本当に最高の夏でしたね。

はい!


ー ただ夏って、ちょっと気持ち的に特別な開放感があるけど、私が持ってる新山さんのイメージとして、ワーキャー騒いでハメはずして大はしゃぎをしない気がしてるんだけど（笑）

実際そんなに夏は得意な方ではないけど、でもこの歌詞を書いている時、「少しでも来年の夏は良い夏になれたらいいな。」という気持ちでしたが、それがライヴで叶いました。