ー では改めて楽曲の話もお伺いします。“Looking to the sky”は、弱さを認めたり乗り越えたりしながら進んでいこうという気持ちの描写がとてもリアルで、その気持ちの速度にメロディが合っていると感じました。この歌詞はどういう時に生まれましたか？

都内に来る時、毎日一日の大半を電車の中で過ごしているようなもので、電車に乗っていると色々考えるんです。「昨日はこんなところが駄目だったな。」とか「あそこはちゃんと出来たな。」とか。ひたすらそういうことを考えながら電車の窓をパッと見た時に、大抵は建物がザーッと流れてくる景色なんだけど、時々快晴の空が見えたりして、それを見た時に「自分って本当にちっちゃいなぁ。」って思って。いつもあの広い空を越える位の気持ちでいれたらいいなと思って、その気持ちを歌詞にしました。


ー デビューシングル曲“ゆれるユレル”も収録されていますが、デビューしてもうすぐ一年。この一年はどんな月日でしたか？

本当に一日一日に隙間がない位、色々なことを感じたり吸収したり学んだり、私自身も気持ち的に変わったり。殆ど無駄な時間がないような一年だった気がします。


ー 先ほどもシングルのc/wカヴァーについて少し触れましたが、デビューシングル “ゆれるユレル”ではTHE GROOVERSの“現在地”で藤井一彦さんが、2ndシングル “Don't Cry”ではTHEATRE BROOKの “ありったけの愛”で佐藤タイジさんがサウンドプロデュース。カヴァーをする上で、ああいう大先輩と直接音楽でコミュニケーションをとれるって大きな経験だったのでは？

ずっと画面越しで観ていた人たちと、同じ空間で歌を歌って音を出せたというのは本当に嬉しくて仕方なかったし、自分もこれからこんな風に音楽をやっていけたらいいなとすごく感ました。


ー 藤井さんとはデビューライヴで一緒にライヴもされたし。

あれはすごい経験でした!


ー 想い出に残っているエピソードとかありますか？

いやぁ、全部が想い出に残っている気がします。元々の原曲はあるけれど、自分がその曲を歌うことで新たにイチから一緒に作っていくという感覚がすごくあったので、それがトータルとしてかなり大きな想い出にはなっていると思います。


ー 最新シングルの“今 ここにいる”ですが、あの曲は個人的にもかなり大好きでヘビーローテーションしてます！

ありがとうございます！あの曲は、今迄何かを取り組むにあたって、どこか躊躇しちゃったり、なかなか上手くいかなかったという時に、これからは新たな気持ちで踏み出していけたら良いなという素直な気持ちが入っています。 それは自分が卒業することにも重なってるとは思うのですが、 多分自分と似た状況の人も沢山いると思うので、少しでもそんな人たちの支えになれたら良いなと思って書きました。


ー メロディがどんどん展開していって、特にDメロの変化は本当に背中を押してくれる感じがしました。

Dメロの「泣いて 泣いて」という部分は自分でも強く意識して歌うようにしました。


ー 先ほどこの取材の前にフルPVを観させていただきました。PVの撮影は慣れてきましたか？

最初の頃と比べたら、少しは自然に出来るようになったかなとは思います。 “今 ここにいる”の撮影は海でしたが、映像だと多分暖かく見えますよね。


ー はい。

でも実際は大分涼しかったというか、風が結構肌寒いくらいというか（笑）。でも、PVの撮影日の天気って、いつも曲にピッタリなんです。


ー それは恵まれているかも。

 “ひとりごと”の時も、ザーザー降りじゃなく良い具合の小雨だったし、この “今 ここにいる”では本当に快晴の空で、雲もはっきり見えてすごくピッタリでした。


ー 新山さん、持ってるねぇ（笑）。

（笑）


ー 音楽以外で今、もっとも興味があることは？

ふとした瞬間をカメラで写真を撮ったり、電車で本を読んだりしています。


ー 本は何を読んでるの？

今は中島らもさんの「白いメリーさん」を読んでいます。


ー また渋い（笑）。

不思議な話で面白いです。


ー PVの撮影の合間、歌詞を考えたり写真を撮ったりはしてるの？

写真は撮りました。


ー ちなみに歌詞や曲を作る時は、どういうシチュエーションが多いですか？

大抵電車移動の時です。小さいノートにメモしたり、携帯のメモ機能に打ち込んでおいたり。あと、お風呂入っている時になんとなく形にもならないような鼻歌で歌って、上がってからすぐに録音してみたり。


ー お風呂で思いついた時は特に大変だね。

携帯をタオルに包んでお風呂に持ち込んでいます（笑）。いざ作ろうと思ってやると、なかなか出てこない時が多いから日々の生活の中で作っているんです。