今年7月9日にデビュー10周年を迎えたスキマスイッチ。＜Sukimaswitch 10th Anniversary 2003-2013 “DOUBLES ALL JAPAN”＞ではスキマスイッチ初の全47都道府県ツアーでありながら、2人だけのステージというチャレンジに挑み、見事にオーディエンスを魅了した。その姿勢は楽曲作りでも同じだ。常に惰性がない。そんなスキマスイッチに、10周年のことも含め7月31日リリースのシングル『Hello Especially』と、8月21日リリースのオールタイムベストアルバム『POPMAN'S WORLD〜All Time Best 2003-2013〜』についてインタビュー。それを2回に分けて紹介！まず第1回目の今回は『Hello Especially』への想いやツアーの苦労話、二人の「音」への愛情を語ってくれた。


ー デビュー10周年おめでとうございます!!

大橋・常田：ありがとうございます!!


ー 実際このように取材で10年間について聞かれることも多いでしょうし、10周年に伴ったリリースやイベントなども含め、ここ最近は日常的に10年を振り返る機会がかなり多いのではないですか？

大橋：取材で10周年のことに触れていただいたり作品を作る際は、10周年を振り返るんですが、実は自分達の中であまり10周年という実感がなくて。

常田：そうだね。


ー そうなんですか？

常田：普段から「あぁ、10年経ったんだな。」と意識することは殆どないです。

大橋：今作『Hello Especially』（7月31日リリース）は10周年の記念シングルとして作ったので制作中は意識していました。逆に『スカーレット』の時はそうでもなかったかな。


ー では『Hello Especially』には10年の想いが込められているということですね？

大橋：はい。感謝は勿論ですが、「これからもよろしくね！」という意味合いも含んでいます。ただあまり重い挨拶ではなく「ハロー」という位のフレンドリーで気楽な挨拶。そんな感謝を込めた挨拶を僕らの音楽を聴いてくれているファンの人達や、いつもお世話になっている人達ひとりひとりに言って回りたいんですが、それはなかなか難しいので（笑）。それで特別な人達にハローと言おうという意味も込めて『Hello Especially』というタイトルにしました。


ー “スカーレット”でも感じたのですが、今回のタイトルトラック“Hello Especially”も、すごくポップではあるけれど、キャッチーさやインパクトといったシングルの定義に捉われていない印象を受けました。

常田：“トラベラーズ・ハイ”（『スカーレット』c/w）の方がシングルっぽいかも（笑）。


ー ツアーでも盛り上がりましたからね。

大橋：シングルは特性上、今言われたようなインパクトの強さなどが重要視されるのは確かだと思います。でもあえて10周年の記念シングルだから派手にしようということではなく、もう少し肩の力を抜いた感じの方が僕ららしいかなと思ったんです。何となく日本文化の中で根付いているシングルイメージと自分達の目指す音楽に対しての葛藤は今迄もずっとありました。でも例えば洋楽とかを聴いていると、そういうことに捉われてはいないじゃないですか。メロディがすごく美しかったり、歌詞が響くものであれば、サウンドの面であまり「シングル」ということを意識するのは違うものに捉われているだけなのかなという気もして。


ー なるほど。

大橋：だからそういうことを意識するのではなく、スキマスイッチらしさを意識したいと考えました。


ー バンドサウンドをお2人自身がすごく楽しんでいることが伝わりました。それは昨年から今年にかけてのお2人だけのツアー＜Sukimaswitch 10th Anniversary 2003-2013 “DOUBLES ALL JAPAN”＞が大きかったのではないでしょうか？

大橋：すごく大きいし、絶対的に関係していると思います。

常田：この曲はちょうどツアーの終わり際位に作ったので、やはりバンドサウンドは新鮮でした。「おー、バンドだ！」って（笑）。5人で同時録音をしたんですが、和気あいあいと部活っぽくやれてすごく楽しかったです。勿論2人で演る楽しさもありますが、久しぶりのバンドでしたし。