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上間綾乃『ソランジュ』インタビュー Page2


ー それに舞台や映画出演の経験もあるということですが、当時は職業として目指すところはどこだったんでしょう。

なんだろう。でも歌はずっと歌い続けていくんだろうとは思っていました。テレビのアシスタントをやらせていただくきっかけも、私が載っているフリーペーパーを番組のプロデューサーの方がみつけて、「ただのタレントじゃない、面白い子がいる!」っていうことから声をかけてくれました。でも私はテレビのアシスタントなんてやったことがなかったのでその旨を伝えたんですが、それでも「是非やって欲しい!」と言って下さって、それで「あ…はい。…それならちょっとやってみます…。」って(笑)。


ー ある種、流れの中で生まれてきたわけですね。

でもありがたいです。必要とされているということは嬉しかったし、番組をやるということはとても勉強になりました。あと、映画はインディーズの映画だったんですが、沖縄の人のバスケットボールで勇気づけられたという歴史をなぞった内容で、それにもすごく共感できました。その出演のきっかけも私のステージを観て監督さんからオファーをいただいたんです。


ー すごいですね!今、「歌はずっと歌い続けていくんだろうとは思っていた」というお話でしたが、プロとしてメジャーのフィールドを意識し始めたのはいつ頃でしたか?

中学校一年かな。三線を習い始めた頃はそういうことを全く意識はしていなくて、ただただ周りの人と一緒に三線を弾くのが楽しかったし、私が三線を弾いて民謡を歌うと祖母が喜んでくれるのが嬉しかったんです。


ー プロを意識するきっかけがあったんですか?

中学校一年の時にハワイで開催された「沖縄フェスティバル」に出演する為、師匠についてハワイに行ったんです。ハワイは沖縄からの移民の人が多いので、毎年「沖縄フェスティバル」が開催されていてるんです。


ー ハワイで演奏されていかがでしたか?

すごく歓迎してくれました。距離的にはこんなに離れたところで沖縄の伝統文化がきちんと継承されていることを目の当たりにして驚きました。それでステージが終わった後時間があるということで、沖縄を故郷に持つご老人達が入居している老人ホームのような施設を訪ねたんです。最初は師匠の隣で歌っていたのが「綾乃も一曲歌いなさい。」と言われ、“懐かしき故郷”という沖縄民謡を歌いました。


ー その曲はどういうことを歌った曲なんですか?

ウチナンチュ(沖縄県民)が小さい島を離れて、遠い遠いお国で離れた故郷を想うという曲です。だからまさに今、ハワイで生活されている方々そのものだったんでしょうね。「いつか親兄弟と沖縄に帰って笑いながら暮らしたい」という内容自体は理解していたんですが、私は沖縄を離れたことがなかったので。


ー つまりリアリティの問題だと。

そうです。でも私の歌を、じいちゃん、ばあちゃん達が涙して聴いてくれたんです。それはすごく衝撃でした。分かってはいたけど、「あぁこういうことなんだ。」って実感しました。今迄会ったこともない大先輩達だったけど、歌ですごく繋がれた気がしたし、私が歌ったことで泣いてくれて想う気持ちがあって「私が歌うのは、こういう意味があるんだな。これは歌っていかなければいけないんだ。」と。だから唄者(うたしゃ)としての芽生えはその時でした。


ー その後、 ソウル・フラワーユニオン<ソウル・フラワー・モノノケ・サミット>ツアーゲストメンバーとして参加されたり、ヴァイオリニストの宮本笑里さんやKOBUDO -古武道-ともコラボ。

はい! 色々今迄とは違うジャンルの方ともご一緒させていただきました。


ー そして昨年5月に『唄者』で日本コロムビアよりメジャーデビュー。アルバムも聴かせていただきましたが、ウチナーグチ(沖縄方言)を多用している曲も多く、ネイティブな力をすごく感じました。

特に “太陽 月ぬ光 ~ アメイジング・グレイス”は“アメイジング・グレイス”をウチナーグチで歌っていましたね。沖縄のアーティストで、古謝美佐子さんという大先輩がいるんですが、美佐子さんがあの曲をウチナーグチで歌っているのが衝撃だったんです。だから自分も世界にむけて発信することも意識しつつ、あの曲を収録しました。


ー すごく神秘的でした。

ウチナーグチなんだけど、世界観がすごく合うんですよね。


ー 合います!そして今回6月19日にシングル『ソランジュ』をリリース。この「ソランジュ」とは「空の樹」をイメージした造語だと伺ったのですが。

はい。大きな意味での「空」を意味していて、作詞の康 珍化さんがアイデアを出してくれました。大きな空に生える生命を象徴する樹木があって、ひとつの樹木にある花やつぼみ、葉っぱはすべて今生きている私たちの生命。そして「その生命の源はひとつに繋がっているんだよ。」と康さんは言っていました。咲いた花はいつか散る。でも散るだけではなくてそこからまた土に落ちた時に芽が出て、深く根を張ってまた大きな樹木になった時に、枝に新たな生命が宿るという、大きな命のサイクルを意味して「ソランジュ」と名付けました。


ー 壮大なテーマですね。

はい。テーマは壮大なんですが、内容としては「大切な人と手を話さずに歩きましょうねというような、とても身近なことを歌っています。例えば大きな自然の力のように、自分の力だけではどうにもならないことや、自分以外の誰かの大きな力があるとすれば、それは自分だけではどうにもならないんだけど、そういう状況で大切な人と手を繋いでいくのはすごく大切なことだと思うんです。だから“手”をひとつのキーワードとして、人との繋がりを歌っています。


ー サウンドのルーツにはやはり民謡的な要素も感じさせながらも穏やかなポップサウンドですね。この曲は作曲が都志見 隆さん、作詞が康 珍化さん。康さんが久しぶりに書き下ろした詞ということですが、お二人とは曲や詞について何かお話をされましたか?

何度も何度も話をしました。最初、都志見さんにまず私を観てもらおうと思ってアプローチをしたら、すぐにライヴを観にきてくださったんです。ライヴ後にも会いに来てくれて、握手で「ファンになりました!」って。


ー それは嬉しいですね。

はい!初対面だったんですが自分の気持ちが伝わったんだなって、すごく嬉しかったです。それでまず、“ソランジュ”のメロディが生まれたんですが、歌詞をどなたに書いていただこうかという話になった時にまさか私の口から康さんでお願いしたいなんてことを言えるわけもなく(笑)。


ー まぁ確か言いづらいかも(笑)。

でも話し合いの中で康さんの名前が出て来たのと、都志見さんが以前康さんとお仕事をなさったということもあり、都志見さんが「上間だったら康さんまで話を持っていける。」と言ってくださってお会いすることになりました。


ー 康さんはどういう方でしたか?

上間綾乃がどういう人間で、今どういうことを思って何をやってきたか。何を大切に考えているか。そういうことをこちらがお渡しした資料以上に本当に色々調べてくれて。それで「一緒にやりましょう!」と言ってくださり、今回のチームが出来ました。


 

リリース情報

上間綾乃 1st Single
「ソランジュ」

2013年6月19日発売
soranju.jpg
日本コロムビア
COZA-772~3 ¥1260

DISC1(CD)
1. ソランジュ 作詞:康 珍化 作曲:都志見 隆 編曲:澤近泰輔
2. 里(さとぅ)よ 作詞:上間綾乃 作曲:伊集タツヤ  編曲:澤近泰輔
3. ソランジュ (Instrumental)

DISC2(DVD)
1. ソランジュ Promotion Video
2. メイキング・オブ・ソランジュPV
3. 悲しくてやりきれない(ウチナーグチバージョン)Promotion Video
4. ハリクヤマク
~2012.6.23『唄者』LIVE TOUR SHIBUYA Mt RAINIER HALLより

LIVE情報

1stシングル「ソランジュ」発売記念インストアライブ
2013年06月22日(土)ららぽーと柏の葉 2Fセンタープラザ 15:00~(観覧無料)
2013年06月23日(日)銀座わしたショップ 地下売場 16:00~(観覧無料 *整理券配布あり)

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