ー 歌詞作りはどういう感じだったんですか？

私が思っていることだけではなくて、みんながそれぞれ今思っている気持ちを出しあって、康さんがそれを一旦持ち帰り歌詞が出来ました。


ー じゃあ本当にチーム一丸となって出来た曲だし、みんなの想いが凝縮されている歌詞なんですね。

そうです!もう、メロディだけでもグッときちゃうし。


ー 確かに!

曲を聴いてもらった時に、まず康さんが泣いたんです、このメロディで。それで何度も意見交換をして、康さんが歌詞を作り上げてくださって今度は都志見さんがその歌詞を見て泣いて、ディレクターも泣き。私も歌詞を見た時に「この曲は私が歌わなきゃいけない曲んなんだ。」という直感がありました。レコーディングも最終段階近くになった頃、自分が「歌う」という意識から、「聴く」というチェックの耳に入った時に、曲を聴いていてるとすごくこみ上げてくるものがあったんです。今迄の出会いや、「あの人があの時に、こういうことを言ってくれたよな」とか。だから泣きそうな気持ちをぐっと堪えていたんですけど、ふと隣を見たらディレクターがもう泣いているんですよ!

ディレクター：（照笑）

それを見た途端、「もう我慢してたのにー!」って、気持ちが溢れ出てきて、そこからは涙の伝染ですよ。


ー 笑っちゃいけないけど、上間さんより先に!?って感じですね（笑）。

そうなんです!!!

ディレクター：いや、お恥ずかしい（笑）。でも本当に想いが沢山詰まった良い曲だしメロディーがまた良くて…。


ー 確かに。

今回この曲のMVを信藤三雄さんに撮っていただいたんですが、信藤さんも沖縄に拠点があるということで、これも縁だなと感じました。


ー 本当ですね。

それで3日間色々一緒に回って撮ったんですが撮影も終わり、チェックの時はスタッフみんなで信藤さんの事務所に行ったんです。 今迄はレコーディングなので音だけの世界でしたが、今度はそれに映像も加わったのできっと厳しい目で修正箇所とかを確認するんだろうなと思ったんです。 それが、映像が終わってしばらく誰も口を開く人がいなくて。


ー まさか？（笑）

はい（笑）。徐々にすすり泣きが始まりまして。本当に良く泣く現場!!

＜一同爆笑＞


ー 上間さんが一番クールなのでは？

…と、そういう風に言っていますけど、実は私もしっかり泣いています（笑）。

ディレクター：上間ちゃん、結構よく泣いていますからね（笑）。


ー ほんとに?!

そう、レコーディングでも泣いたし。抑えきれないんですよ、特に隣で泣く人がいると…って、スタッフのせいにしてるけど（笑）。

ディレクター：大の大人がマジ泣きするんですよ。不思議な力がある曲というか。


ー でもこの曲は泣いてしまうと思います。包容力のあるメロディだし、自分がちょっと疲れていると感じている時に聴くと自分の機能が壊れたんかと思うほど、無防備に涙が出ちゃう!

上間・ディレクター：そうそう!!!

また、康さんの歌詞も難しい言葉を並べているというより、ストレートな言葉でひとつひとつが読むたび、歌うたびに気持ちの中に入っていくんです。本当に魂がこもっているなと感じます。


ー 実際、綺麗ごとはなにひとつ無いですよね。「命の行方を風はしるのやら、波はしるのやら」という部分も、時には脅威となる自然の前に晒された命の行方の儚さを感じ取れました。

そう。強くもあるけど儚くもある。赤ちゃんが泣きながら生まれてくるように、 この曲自体も泣きながら生まれてきたんじゃないかと思うんです。そこにいるみんなが母親であり、母親も泣きながら産む。それで聴いてくれた人は、育ての親になる。そういう曲な気がします。


ー ちょっと楽曲の話とはずれますが、上間さんを観ていると凛と生きているように感じます。ダラダラしたところがないというか。

表はね（笑）


ー 裏は？（笑）

休みの日にお家でひとりでいて、何もしなくていいんだったらなーんにもしません!


ー 三線を弾いたりは？

気が向いたらします（笑）。


ー ちなみに民謡以外で趣味的なことは？

趣味ね。何かあるといいんですけどね（笑）。でもずっと唄ばかりだったのでこれと言ってないんです。だからこうやって取材などで趣味を聞かれることも増えてきたので、「よし!趣味を持とう!!」って思っているんですけど、結局全部音楽に絡んできちゃう。香りが好きなのでアロマをやることはありますが、趣味でコレクトするという程でもなく…。だから突き詰めることといったらやはり歌になってしまいますね。


ー 歌に一途なんですね。

そうですね、歌と三線には一途。でも後は続いてないな。合わないなと思うとすぐやめちゃう（笑）。


ー 一途といえば、c/w曲の“里よ”ですが、この発音は「さとよ」ではないんですよね。

「さとぅよ」と読みます。