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THE BAWDIES『THE SEVEN SEAS』インタビュー


ー では改めて11月20日リリースのNEW SINGLE『THE SEVEN SEAS』についてですが、タイトルトラックの“THE SEVEN SEAS”はフォークロック調のメロディが新鮮でした。

ROY:お!ありがとうございます!! まぁ新しいことをやろうとして作った楽曲ではないんですがいつものTHE BAWDIESと基本は何も変わりません。僕らが愛している古き良き時代のロックンロールがベースになって、そこから現代の時代を生きている者としての感覚が混ざった時にTHE BAWDIESサウンドになる。そういう意味では何も変わらない気持ちでは作っていましたが、今迄とはっきり状況が違ったのは初めての全国全県ツアーでした。今年の2月からスタートし、6月までで59カ所を回る最長のツアーだったんですが、この “THE SEVEN SEAS” は、そのツアー中に作られた楽曲でした。僕らはツアー期間と制作期間を分けて考えているので、同時進行も過去に何回かはありますが基本的にはほとんどないんです。例えばツアー中に楽曲を作るということになった場合は、ライヴモードになっているのでそれこそ気持ちが前のめりになっている。だからわりとアップテンポなロックンロールが生まれやすいんです。でも今回はツアー中にも関わらず、出来たのがそういう感じではなかった。


ー 何か要因はあったんでしょうか。

ROY:このツアーは今迄味わったことのないような、それこそ過酷なツアーではありました。色々な意味で。その中で普段感じたことのない感情が僕の中にあったというか。いつもならツアー中でも、聴くのはロックンロールや暑苦しい(笑)ソウルミュージック。そういう方が僕は好みなので。でも先ほど言って下さったようなフォーク調というか、頭の中で流れてくる音楽がThe Byrdsみたいなものだったんです。そういう音楽や感覚に触れたいと思っていた時期でした。それはやはり普段ずっと煮えたぎっているというか、緊張感をほぐす瞬間がなかったからかもしれませんが。あのツアーは約半年間続いていたので途中で力を抜くと、プツンと緊張の糸が切れちゃいそうで。ずっとそれを保っていなければいけない部分があったので、その中でもどこか穏やかなものに触れたいという気持ちから生まれた楽曲です。


ー ラヴソングではあるけれど、“THE SEVEN SEAS”というタイトルからも想像しうる大きな世界観を歌っているのかなと感じました。

ROY:楽曲自体の制作は今言ったようにツアースケジュールの中でしたが、ライヴとは別ものとして感じられる瞬間だったんです。勿論ライヴのことを常に考えていなければいけないけど、楽曲を作っている時はライヴのことを考えなくていい。当然悪い意味ではありませんが。


ー 分かります。

ROY:楽曲だけに携わっている時間だけは、自分の中で心のオアシスみたいな感じでした。だからツアー中、この楽曲を作っている時はすごく幸せでしたし、この曲に触れることによってリフレッシュも出来ました。すごく暖かいものに包まれているような気持ちになれたんです。その感覚を歌詞にした時、ラヴソングなんだけども今まで以上に世界観が広かったり、包まれる愛情や光が差し込む感覚、そういうものがただのラヴレターを渡すようなラヴソングではなくて、人生を通しての愛情みたいなものが宿っていった感じがしたんです。


ー サウンド面で言うと、イントロのクリアなギターの音色を含め、MARCYさんのドラムにも空間というか広がりを感じました。

ROY:自分の中で音のイメージがThe Byrdsやあの時代の空気感があったので、サウンド自体はあの時代が持つ音に近づけたかった。ただあの時代をそのままやったらあの時代のフォーク調で終わってしまう。そこにMARCYが現代的なダンスビートのリズムを入れることによって現代の音楽にしたかったんです。だからMARCYがリズムで現代的な解釈をしてもサウンドがぶれないように、逆にサウンド面ではあの時代を忠実に再現するというか空気感を大切にするというのは心がけました。

MARCY:ベーシックは一発録りするんですが、結構アグレッシブにやりました。こういう曲調だからニュアンスを抑えめにしようとはあまり思わなくて、その時代をそのまま持って来る。特殊なことをしているわけではなくてストレートに良い音でこういう楽曲にこういうリズムを乗せたいという考えでした。しかもリズム自体が結構なんでも当てはまってしまうんです。それこそThe Byrdsっぽくやろうと思えばそのまま出来てしまうし。でも僕らが今それをやっても意味がないし、当然THE BAWDIESらしさは出したかったです。だからリズムに関しては考えましたけど、音に関してはすごく良く抜ける音で、あの中で特に目立つわけでもなく、気持ちよく聴けるところに持っていけたらと思いました。


ー MVもジャケットもメンバーの姿が出ていないんですね。ジャケでメンバーの姿が出ていないのは初めてじゃないですか?

ROY:そうですね。MVではアニメーションもありましたがジャケでは初めてです。この楽曲が出来た時に、今迄よりも世界観の広い楽曲だと思ったので映画みたいなMVにしたかったんです。自分たちどうこうではなくて映画のサウンドを担当した位の感覚で出来たら良いなと。それは最初から考えていたんですが、そういった中で僕らが出ることによって映画を観ている集中力を乱したくなかった。だから僕らが出る必要はないかなと。(完全生産限定盤のオリジナル絵本を観ながら)この絵本も最初は映画のパンフレットのようにしたかったんです。結果、話し合いの中で形は変わっていきましたが、MVを絵本で再現したら面白いんじゃないかというアイデアが出てきて最終的にこういう形になりました。勿論歌詞カードはついていますが、これ自体が歌詞カードにもなっている。だからMVを観た後でも観ながらでも良いですが、この絵本を追いかけながら映像を観てもらうと、より映像が蘇ると思います。


ー 表紙の布張りの質感も含めしっかりしたコンセプトで作られたんですね。

ROY:そうですね。作品として大切にしたいという気持ちが、今回はより強く出た形になりました。


ー 確かに最近は配信が主流ですが、パッケージを楽しむことは個人的にも大切にしたいと思います。

ROY:今音楽って、色々な形で手に入りますが僕らはやはりレコードが大好きなんです。レコードを手に取った時の喜びというのは何とも表現しがたいですよね。本物の1枚を自分が持っているあの喜び。勿論音楽なので“音”なんですが、でもそれを手にした時の喜びはやはり伝えたいし、今はそういうものに対する価値観がどんどん薄くなってきていると思うので、物に対する気持ちや手にした喜びを伝えていくのも僕らの役割のひとつだと思っていますので、その部分はこだわっていきたいです。


ー そういう想いをこめたMVやパッケージの出来上がりを最初に観た時はどういう感覚でしたか?

ROY:嬉しかったです。この絵本は部屋に飾りたくなりますしね。

MARCY:MVも完成時に観ましたが、今回は本当に僕らが出なくて良かったなと思いました、世界観という意味でね(笑)。音楽以外で音楽にリンクさせたものというのがひとつしっかり、そして綺麗に出来上がっていたのでとても感動しましたし、それだけ大きなものに繋がるだけの楽曲が出来たことも嬉しかったです。


ー c/wの“1-2-5”はガレージバンドThe Hauntedのカヴァーですが、何故この曲を?

ROY:僕らc/wやライヴでカヴァーをやることも多いんですが、カヴァー楽曲をやる時は好きな楽曲を選んでいるだけなんです。いつもはわりとR&Bやソウルミュージック、ブラックミュージックからの影響を直接的に出すことが多いんですが、ガレージは僕らのルーツのひとつでもあります。それこそThe Sonicsから始まったバンドなので。R&Bやソウルミュージックも日本ではマニアックな音楽ではあると思うんですが、それ以上にガレージはもっと幅の狭いジャンルだなと思っていて。最近はあまり聞かなくなっちゃったけどガレージも10年位前まではみんな結構使っていた言葉ですよね。


ー そうですね。

ROY:でもそのわりに本当のガレージって何なんだというところまでちゃんと探っていった人が多いかというと、そうでもないと思うんです。だからガレージ自体が浸透していないというのも僕らとしては悲しいので、ロックンロール同様ガレージもしっかり伝えていくというのも僕らの役割のひとつだと考えています。今回はガレージから自分たちが好きな楽曲を選ぼうということでこの “1-2-5”を選びました。まぁ他にも好きな曲やバンドはあるんですが、今回はたまたまこの曲だったんです。前回のアルバムタイトルが『1-2-3』だったので、関連性みたいなものを感じられたら…ということはなかったんですが(笑)。


ー え、ないんですか?密かにそこの関連性かと思っていました(笑)。

MARCY:本当にたまたまだったんです(笑)。


 

リリース情報

最新シングル「THE SEVEN SEAS」
2013年11月20日リリース

□ トラックリスト
THE SEVEN SEAS
1-2-5
MUSIC IS MY HOME

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完全生産限定盤(CD+BOOK)
VIZL-606 / ¥1,680(taxin)
完全生産限定盤はCD+オリジナル絵本「THE SEVEN SEAS」の特殊仕様。海外で撮影されたミュージックビデオ「THE SEVEN SEAS」を再現したオリジナル絵本が付属。ヴィンテージ感あるれるハードカバー装丁、40ページの本格的な上製本仕様!

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通常盤CD
VICL-36854 / ¥1,200(taxin)

LIVE情報

11.24(日)宮城県石巻Onepark「東北ジャム2013 in 石巻」
12.02(月)渋谷AX w/KEN YOKOYAMA「LIVEBURGER SPECIAL vol.2」
12.07(土)日本武道館「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ 2013」※本公演はROYのみの出演となります

Eli "Paperboy" Reed × THE BAWDIES JAPAN TOUR 2013
12.15(日)新木場 STUDIO COAST

12.17(火)名古屋 CLUB DIAMOND HALL

12.18(水)なんば HATCH

12.21(土)広島 BLUE LIVE「マキシマム ザ ホルモン 予襲復讐ツアー」
12.22(日)岡山 CRAZY MAMA KINGDOM「マキシマム ザ ホルモン 予襲復讐ツアー」
12.29(日)インテックス大阪「FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY」

Interview

Live Report

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