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THE BAWDIES『THE SEVEN SEAS』インタビュー


ー 楽曲の話に戻りますが、c/wの“MUSIC IS MY HOME”は、間違いなくライヴで盛り上がりそうな曲ですよね。

ROY:そうですね!

MARCY:口笛をライヴでどう表現しようか。

ROY:ね、どうしよう(笑)。この楽曲はツアーが終わってから作ったのでわりと肩の力が抜けているというか、清々しい風が通り抜けている感じがしたんです。ズシッとくるロックンロールというよりは、爽やかなロックンロール。良い意味で聴き流せるというか、何回も聴きたくなる。そういう楽曲を作りたかったんです。 本当にストレートなロックンロールだと思うんですが、ストレートなものをただストレートに表現して終わりではなく、そこにフックを持たせたり、ポップに聴かせたり出来るのがTHE BAWDIESの良いところだと思うので、そういった大きなフックがないかなと考えた時、口笛がアイデアとして出て来たんです。


ー あの口笛は誰が吹いているんですか?

ROY:TAXMANです。この口笛が入ったことで音がすごくポップになった。でも僕らのライヴはかなり爆音なので、この口笛がかき消されちゃうんじゃないかな。

MARCY:会場全体で口笛を吹いてもらうとか。

ROY:え、伝えるの? それはどうだろう…(笑)。でも口笛吹けない人も多いからね。


ー 私、吹けないです(笑)。

ROY:あ、吹けないですか?

MARCY:僕も出来ないです。

ROY:僕も(笑)。


ー え、本当に?

MARCY:音を出すことは出来ますけど、音程を保てないです。でもあのイントロだけはやってもらいたいよね。

ROY:そうだね。


ー 歌詞も重くメッセージを伝えるというよりは、ライヴで一体感を楽しめるというか、それこそ爽快感がありますね。

ROY:はい。c/wの3曲目としてサラッと入っていますが、今言ってくださったように重くないメッセージで伝える。つまりTHE BAWDIESがいつも言っていることがそのまま歌詞にした楽曲です。c/wの曲だと思って、ナメたら駄目だぞってね(笑)。

MARCY:なんかそんなフレーズ、昨日テレビで観たな(笑)。

ROY:あはは。


ー 他の曲もそうですが、この曲もサウンド面ですごくライヴアレンジを楽しめそうですね。

ROY:ライヴで楽曲って変わってきたりしますからね。ひとつツアーをやるだけで全然違う楽曲に成長することもあるし。


ー それこそ<1-2-3 TOUR 2013>ではMARCYさんが何曲かカクテルドラムを立奏していましたもんね。

MARCY:はい。ドラムの種類もそうですし、やるフレーズも変わってきます。というのも、ずっとツアーをやっているとちょっと違うことをやりたくなってくるんです。それで次の公演では違うことに挑戦してみたり。そういう意味では“THE SEVEN SEAS”もすでに変化はしています。この曲は夏フェスからやっているのでイントロのフレーズも多少手数が多くなったりしてるし。


ー そういうライヴでの変化というのはやはり良いですよね。ライヴといえば、12月のEli "Paperboy" Reed(イーライ“ペーパーボーイ”リード)さんとのジャパンツアーですが、最初にイーライを知るきっかけはファンからのプレゼントだったとか。

ROY:そうなんです。 まだ僕らもインディーズの頃で、ちょうどイーライが『Roll With You』をリリースした時でした。ルーツミュージックが自分たちとすごく近いところにある同世代の白人がいるというのを何かのレビューで読んで、聴いてみたいと思っていたんです。そんな時にちょうど僕らがライヴ終わりでライヴハウスから出てきた時にお客さんが、発売したばかりなのに自分で何度も聴いたであろうCDを持って来て「ROYさん、これ聴いてください。絶対気に入りますから。」ってくれたんです。


ー 新品ではなくて(笑)。

ROY:そう(笑)。「これ知ってる!聴きたかったんだ。」って言ったら、「あげますので是非聴いて下さい!」って。でも そのCDは未だに大切に持っています。


ー 実際聴いてみていかがでしたか?

ROY:めちゃめちゃ衝撃がありました。凄い人だなって。だから勝手に自分たちの中でライバル心を持っていて(笑)。


ー 勝手にというのがいいですね(笑)。

ROY:当然生で観てみたいと思ったんですが、2009年にイーライがFUJI ROCKに出演した時は、僕らも観に行っていたんですがスケジュールの都合でイーライのステージを観られなくて。だから「観たかったなぁ。いつか一緒にライヴが出来たらいいな。会えたらいいな。」ということをずっと思いながら、彼が新しい音源をリリースすれば気にしながら聴いて、カッコいいと思う反面悔しいという気持ちもありつつ(笑)。本当にルーツがすごくかぶっているんですよ。表現の仕方はまた少し違うけど。彼の方がもっとストレートに表現している。でも現代的な解釈もありますし。僕があの人を凄いなと思うのはソウルミュージックって大きな括りでビンテージソウルを現代的に表現する人やノーザンソウル、モータウンサウンド。そういう洗練されたソウルミュージックに影響を受けた人は沢山います。でもサザンソウルにかなり限定されているアーティストってとても少ないですし、白人の若者であそこまでサザンソウルへの愛情を歌に込められる人っていないと思います。それは僕からしたら妬みじゃないですが(笑)、羨ましい。


ー あはは。かなりリアリティに溢れた感情ですね。

ROY:彼は大学の頃に、60年代に活躍したディープソウルの女性シンガーMitty Collier(ミティ・コリア)に見いだされて、彼女が持っている教会のゴスペルリーダーとして抜擢されたんです。だからゴスペルがルーツにあって、しかも憧れの人に認められた、そんな経歴を持ちつつ更に最近の活動で言うと、僕らも好きでずっとレコードも聴いているVernon Garrett (ヴァーノン ギャレット)など伝説のシンガーを呼んで一緒にライヴをしているんです。そんな〜、ねぇ(笑)。


ー あはは。

ROY:そんな夢みたいなことを実現していっている人なんです。だから最初に感じたライバル心みたいなものはやはりズレてはいなかったなと。ソウルミュージックのルーツでありツボは似ている人なので、彼がアクションを起こすたびにそれは改めて感じます。だから今回ようやく実現出来て嬉しいです。日本だとまだそんなに浸透していないミュージシャンだと思いますが、やっていることがマニアックすぎて表に出てきていないというだけ。本当に凄い人ってそんなに表に出てこない。僕はそう信じているんです。The Sonicsもそうですけど、やはり振り切れた感覚の人は良い意味で感覚が変態的だと思うので。


ー それはすごく分かります!

ROY:だからイーライもなかなか日本に来るアーティストではないので是非この機会は逃さないで欲しいと思います。


ー 最後にmFound読者のみなさんへ一言お願いします。

MARCY:『THE SEVEN SEAS』という作品が出来て、MVから何から何迄全部しっかり世界観を感じ取れるものになったので、僕らを知らない人でもMVやCDジャケットを観て気になって購入して欲しいです。そういう、感覚的な部分からでも良いので一度手に取って聴いてもらいたいです。よろしくお願いいたします。

ROY:僕らは、音楽を通して“考える”ことよりも “感じる喜び”、身体が感覚的に反応する音楽の楽しみ方を伝えていきたいと思っています。ライヴもそうですし音源もそう。イーライとのライヴもそう。感覚的に自分の感情が爆発出来るようなものを作っていきたいし、紹介していきたいと思っています。その感覚は実際味わってもらわないと分からないことだと思うので、騙されたと思ってライヴも来て欲しいですし音源も聴いて欲しいです。まずは触れてみて何かワクワクしたり、少しでも楽しいと思えればその感情を押し殺さないで表に出して表現して欲しいなと思います。そのことによって音楽の聴き方や生活していく上での生き方で変わるものが絶対あると思うので。そういったきっかけになるものをTHE BAWDIESはこれからも発信していきたいと思いますので、よろしくお願いします!


ー ありがとうございました。


取材・文/秋山昌未


■ オフィシャルサイト
http://thebawdies.com/


 

リリース情報

最新シングル「THE SEVEN SEAS」
2013年11月20日リリース

□ トラックリスト
THE SEVEN SEAS
1-2-5
MUSIC IS MY HOME

20131007204428.jpg
完全生産限定盤(CD+BOOK)
VIZL-606 / ¥1,680(taxin)
完全生産限定盤はCD+オリジナル絵本「THE SEVEN SEAS」の特殊仕様。海外で撮影されたミュージックビデオ「THE SEVEN SEAS」を再現したオリジナル絵本が付属。ヴィンテージ感あるれるハードカバー装丁、40ページの本格的な上製本仕様!

20131007204525.jpg
通常盤CD
VICL-36854 / ¥1,200(taxin)

LIVE情報

11.24(日)宮城県石巻Onepark「東北ジャム2013 in 石巻」
12.02(月)渋谷AX w/KEN YOKOYAMA「LIVEBURGER SPECIAL vol.2」
12.07(土)日本武道館「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ 2013」※本公演はROYのみの出演となります

Eli "Paperboy" Reed × THE BAWDIES JAPAN TOUR 2013
12.15(日)新木場 STUDIO COAST

12.17(火)名古屋 CLUB DIAMOND HALL

12.18(水)なんば HATCH

12.21(土)広島 BLUE LIVE「マキシマム ザ ホルモン 予襲復讐ツアー」
12.22(日)岡山 CRAZY MAMA KINGDOM「マキシマム ザ ホルモン 予襲復讐ツアー」
12.29(日)インテックス大阪「FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY」

Interview

Live Report

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