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THE BAWDIES『THE SEVEN SEAS』インタビュー


ー そうなんだ(笑)。ちなみにガレージでは他にどんなバンドが好きですか?

ROY:The Sonicsが一番ですが、サイケっぽいバンドだとCOUNT FIVE、ビートバンドの流れも汲みつつアメリカのサウンドもあるという意味ではTHE REMAINSとか。


ー The ChocolateWatchbandとかは?

ROY:あー、好きですけどそこまで行くとサイケが強すぎるかな。もうちょっと荒々しさが残るCOUNT FIVEの方がやっぱり好みです。


ー なるほど。この曲ではクロマニヨンズの甲本ヒロトさんがブルースハープで参加されていますね。

ROY:はい。僕らはブルースハープを吹きながら演るというバンドではないので、ブルースハープの代わりに例えばFUZZのギターなどで置き換えられないかなと思ってやってみたんですけど、あんまりしっくりこなかったんです。しかもこの楽曲は思ったより単調で。Aメロが4回来るだけ。それで、このままじゃつまらないなって思って(笑)。でもThe Hauntedのオリジナルは何であんなにカッコ良いんだろうなって考えたらやっぱりブルースハープだったんです。だからブルースハープは外して考えられないと思ったんですが、いざ入れようと思うと普段ブルースハープを吹いていない僕らではあのカッコよさは出せないということで誰かにお願いしたいなと。勿論巧く吹ける人、カッコ良く吹ける人は沢山いると思うんです。でも、あの楽曲を理解していて尚かつ愛情を持って吹ける人。僕らが知っている中ではヒロトさんしかいなかったんです。


ー あー、それはすごく分かる気がします!

ROY:それでヒロトさんに声を掛けたら勿論楽曲も知っていましたし、快諾してくださって。しかも伝説的トラックが出来たと思います。


ー というと?

ROY:ヒロトさんとはレコーディング当日までこの楽曲についての連絡は取ってなかったんです。以前から交流もありましたし、ライヴも一緒にやっていますし、お酒を呑みながら音楽の話をしたりもしてましたので、先輩後輩という問題ではなく同じ音楽のルーツを持った同志みたいな繋がりがあると僕は信じていたので、特に「この曲はこうしましょうね。」といった話をわざわざしなくても出来るんじゃないかと思っていたんです。それでレコーディング当日、スタッフが準備をしてる間もヒロトさんとは一切楽曲の話はせずに、「最近こういう7インチ買ったんだけど。」とか「こういう本読みましたか?」みたいな音楽大好きな人同士の話をしていました。それで準備も整い、ヒロトさんが「原曲を大切にしながら自分なりに吹いてみるよ。」と言ってくれて。ヒロトさんがそう言ってくれるなら間違いはないなと。それで「とりあえずやってみるね。」と言った最初のテイクが今回のテイクなんです。


ー ワンテイク!

MARCY:そう!びっくりしたね、あれは。

ROY:びっくりした!もうめちゃめちゃカッコ良い!!本当に凄い人は凄い。その場で伝説を観た感じでした。やはり音楽に対して愛情を持っていないとあの音は出ないと思いますし、僕らは本当にびっくりして「最高です!!」って言ったら「じゃあこれでいいの?」って言われて、もう「ハイ!」としか言えなかったですよ。そしたらそのまま「バイバイ」って帰っていきました。だから30分居なかった位。凄いですよね。


ー 凄い!まさに伝説ですね。

ROY:でしょ!


ー 確かにほぼオリジナルに近い形のアレンジでしたが、オリジナルでは後半、ギターリフで盛り上げるところを、ヒロトさんのハープと絡みながらをMARCYさんのドラムアレンジで盛り上げていますね。

MARCY:あのフレーズ自体はスタジオでみんなでやっている時に自然と出てきたんです。それで改めてああいう箇所を作ろうということで考えたら、これしかないだろうということになり。みんなが身体に入っているガレージ的なフレーズだし、テンポが早くなってから自然と元に戻るみたいな感じは本当に自然と作れました。そこにヒロトさんのブルースハープをかましてもらおうと!あの部分は良いですよね。個人的にも大好きです。やったなっていう感じ。昔からみんなでこもって沢山の曲をカヴァーしてきましたが、その中でまたひとつ形になったのがすごく嬉しかったです。

ROY:勿論The Hauntedへのリスペクトなんですが、元々はガレージへのリスペクトでもあるんです。あのフレーズはあの当時のバンドがよくやっているテンポの変化で、それこそCOUNT FIVEとかThe Litterとかが得意とする手法です。あれを入れることによってガレージを好きな人が聴いた時にThe Hauntedの曲なんだけど、「COUNT FIVEやThe Litterのアレを入れてきたんだね!」というところでちょっとムフフってしてもらえるんじゃないかなと。


ー なるほど。

ROY:カヴァーって結構難しくて、まず歌詞を変えてはいけないんです。だから歌以外の部分で編曲するしかない。


ー じゃあそこでどうアレンジを効かせるかがバンドの腕次第になってくるわけですね。

ROY:そうなんです!そしてその伝説が入っています。今回は「THE SEVEN SEAS」というものをとても大切にしています。それはパッケージであったりMVであったり。シングルとしてタイトルトラックは勿論ですが、c/wにも伝説が入っているのでこれは是非とも聴いてもらいたいです。それは「THE BAWDIESのカヴァー、どうだ!」という問題ではなくて、ヒロトさんの伝説を味わうだけでも良いので聴いてもらいたいです。


ー これぞカヴァーの素晴らしき形!というものを感じられてムフフとしました(笑)。

ROY:ありがとうございます!


ー 世代を越えて音楽を共有する楽しさは音楽をやる上でも聴く上でも共通する喜びがありますからね。

ROY:「ロックンロールって何だろう?」という若い世代の人たちに届けていくということは、今後ロックンロールが日本に根付いていくという上ですごく大切なことだと考えています。でもやはり自分たちとしては、ロックンロールがどんな世代でも通じる音楽なんだということを証明したいんです。それまでロックンロールに対して知識がなかったり、古いものだと思って聴かなかった若い人たちもいるでしょうが、僕らが信じたのは聴いたことがないだけで聴いたら絶対反応するということ。その自信があったのでTHE BAWDIESを結成して少しずつではありますが浸透してきた。やはり触れてくれることによって変わるものがあると僕らは感じています。


ー 食わず嫌いならぬ、聴かず嫌いにはなって欲しくないと。

ROY:そうです。でもそれこそガレージを元々大好きな人ですとか、ロックンロールを元々愛してらっしゃる先輩方は沢山いると思うんですが、そういう先輩方からすると今度は「ロックンロールは元々愛しているけど、君たち若いバンドでしょ?」という観点から聴いてもらえない。でもそういう人たちにも是非聴いてもらいたいんです。そこで「あぁ、本当に音楽を愛している奴らなんだな。」ということが分かった時に伝わることは沢山あるんだと思うので、そういう人たちにもしっかり届けていきたいです。初めての人からすれば、カヴァーがマニアックだろうがそうじゃなかろうが、とりあえず新鮮に届くと思うんです。でもあえてマニアックなカヴァーをすることで本来ロックンロールやガレージを愛している人が「お!この曲やったんだ。」と思ってもらえる。そしてその出来を観てもらった時に本当に大好きだということは分かってもらえる筈だと思っています。


ー 入り口はTHE BAWDIESなんだけど、メンバーのルーツ音楽に触れてからまたTHE BAWDIESの音楽を聴くと、聴こえ方や捉え方も違ってくるかもしれないですよね。

ROY:僕らThe Beatlesがそうだったんです。初めて意識的に聴いたのは中学、高校生時代なんですが、当然その時代のものではないので最初はぴんとこなかった。でも何かに触れるごとにどんどん音楽の幅が広がっていって。僕らの場合はブラックミュージックとの出会いがありLittle Richard、Chuck Berryを聴いてからThe Beatlesに戻った時に「あ!こういうことなんだ。」というのが分かり、よりThe Beatlesが楽しくなってきたんです。そういうことは絶対あると思います。特に現代で言うとブラックミュージックのカルチャーってすごく浸透してきてるじゃないですか。それこそHIPHOPとか。そういうところから日本の音楽を聴いている人たちも実は普段からブラックミュージックに触れている。ただ50、60年代の音楽まで辿っているかというのは別の話ですが。だからそういうものに触れている人は、僕らを通してでも良いですし、ルーツになっている50、60年代のブラックミュージックを聴いてから普段聴いているブラックミュージックを聴きかえすと、また楽しみ方が変わってくると思います。


 

リリース情報

最新シングル「THE SEVEN SEAS」
2013年11月20日リリース

□ トラックリスト
THE SEVEN SEAS
1-2-5
MUSIC IS MY HOME

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完全生産限定盤(CD+BOOK)
VIZL-606 / ¥1,680(taxin)
完全生産限定盤はCD+オリジナル絵本「THE SEVEN SEAS」の特殊仕様。海外で撮影されたミュージックビデオ「THE SEVEN SEAS」を再現したオリジナル絵本が付属。ヴィンテージ感あるれるハードカバー装丁、40ページの本格的な上製本仕様!

20131007204525.jpg
通常盤CD
VICL-36854 / ¥1,200(taxin)

LIVE情報

11.24(日)宮城県石巻Onepark「東北ジャム2013 in 石巻」
12.02(月)渋谷AX w/KEN YOKOYAMA「LIVEBURGER SPECIAL vol.2」
12.07(土)日本武道館「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ 2013」※本公演はROYのみの出演となります

Eli "Paperboy" Reed × THE BAWDIES JAPAN TOUR 2013
12.15(日)新木場 STUDIO COAST

12.17(火)名古屋 CLUB DIAMOND HALL

12.18(水)なんば HATCH

12.21(土)広島 BLUE LIVE「マキシマム ザ ホルモン 予襲復讐ツアー」
12.22(日)岡山 CRAZY MAMA KINGDOM「マキシマム ザ ホルモン 予襲復讐ツアー」
12.29(日)インテックス大阪「FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY」

Interview

Live Report

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