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ドレスコーズ『バンド・デシネ』インタビュー


ー その感覚分かる!

ね!でも言葉上は共有している。それって「私のこと好き?」みたいなもんじゃないですか。


ー あはは。

「うん、好き好き」って僕が言えば言葉上は共有しているけど、実はその「好き」にはズレがあるかもしれない。でもCMYKってすごく的確でしょ。そしたら勘違いしようがない。淡いピンクではなく、M20%とか。あと、最初は「Kが80」だったんです。ただ単に言い易かったというか。でもK80って、ほぼ黒やん!って。


ー うん、どす黒いね(笑)。

それで「Kが14」に変更して。でも、きっと後で言われるだろうなと思って僕も色を作ってみたら、なんじゃこれ!って色になって(笑)。


ー そうそう。だってゴッホといえば青や黄色、オレンジが特徴的なのに、このCMYKのパーセントは微妙なエンジ色だから、もしかしてこの後ジャケットなどのアートワークに使われるのかなと考えた。

あー、なるほどね!!


ー アートワークの話だけど、今作は信藤三雄さんがディレクションで、ポートレートが田島一成さん。

はい。


ー クールで仕上がりはファッション誌を多く手がける田島さんならではだし、ターゲットを中心にもってくる構図も田島さんらしい。ただ、『バンド・デシネ』が持つ漫画というキーワードと、モノクロのクールなジャケットにギャップは感じました。

僕も最初はすごく色味の鮮やかなものを想像していたんです。それこそウォーホルみたいな、いかにもポップアートな感じだったり、キテンスタインやピエト・モンドリアンみたいなビビッドなものをイメージしていたんですが、信藤さんと話をした時に「このアルバムを聴いてやっと分かったのが、ドレスコーズってThe Cureっぽいね。」って言われたんです。


ー へー。分かるような分からないような(笑)。

でも僕“Boys Don't Cry”位しか知らなくて。ただその1曲だけはめちゃくちゃ好きなんですけど他は興味ない。でも信藤さんはそこからイメージが発展していったようです。「多分タジマックスが撮れば世界で一番カッコいい写真になるね。タジマックスに志磨くんを撮らせたいんだよ。」と言ってくれて。これは後々知ったんですが、僕も昔好きでよく読んでいた雑誌とかの写真を田島さんが担当されていたりして。


ー ファッションだけでなくカルチャー誌も手がけているからね。でもジャケットとか、あのままファッション誌で使えそう。

ね!あれすごいですよね。


ー あと、今回ゴッホMVを志磨くんが監督。

はい。(取材時)本編の編集は終わって、あとはショートヴァージョンを作れば終わりです。「監督をやってみたら?」と言われて、僕も映画とか観るのが好きだから「やりたい、やりたい!」って手を上げたんだけど、撮って初めて気がつくことも多かったです。撮っている時は自分の中で全部が意味あるシーンなわけですが、編集で初めて音楽に当てはめると全部に意味がありすぎて逆に音楽とまったくリンクしなかった。勿論脚本通りなので物語としてはリンクしているんだけど、映像のテンポ感と音楽のテンポ感がチグハグになるんですよね。だからもっと無意味なシーンをいっぱい撮っておけば良かったかなとか。例えばただボーッとしているところとか、足をブラブラしているシーンをただ長回しさせておくとか。


ー 結構MVってそういうシーンあるからね。

そう!走っているシーンとかもあるんだけど、意味ある距離しか走らないでしょ。でもそうではなくて、走っているところをただ並走して撮るとかすればもっとMVっぽくなるんだなと思いました。ただ僕が監督をするということは、従来のMVっぽくなくて良いんじゃないかと考えるようになってきて。だから従来のMVっぽさは考えず、ただ自分のイメージを撮りました。


ー ある意味、曲作りと似ているのかな。

あ、すごい似ていました! まぁ作っている本人ですから、歌詞を書いたりアレンジをする時に大体視覚的なイメージはありますが、それをそのまま映像にしたら面白くないなと思って。それって本人による曲解説みたいな断定でしかないじゃないですか。だから全く違うものをもうひとつ上から加えるというか、同じテーマから派生した違うイメージを重ねようと思ったんです。「ゴッホじゃやなんだ」から違う作品を作ったという感じ。


ー なるほど。

ウォーホルには「未来には、誰でも15分間は世界的な有名人になれるだろう」という言葉があるんですが、それがあの人の発想なんでしょうね。変な話だけど、犯罪を犯しちゃえば有名になれるとか。それもゴッホの対義語みたいになっていますけど(笑)。


ー あはは、本当だね。

評価とか名声…有名という言葉が一番近いかな。中身がなくても有名になれるけど中身があっても有名になれないゴッホ。そういえば今年の夏、やたらTwitterを賑わす問題があったじゃないですか。冷蔵庫に入っちゃうとか。


ー あー、はいはい(笑)。

あれこそまさにウォーホルの言葉そのものだなと思ったんです。めっちゃウォーホルやん!って(笑)。しかも次々に出てくるからどんどん忘れられていく。それってある意味すごいポップと思って。他にも置き換え可能というか、大量生産的で。どんどん消費されていく刺激。


ー ニュースの問題は別にしても、確かに大量生産という思考はポップだよね。

そうなんです!芸術は逆に、時間に対してどれだけ耐えうるかという部分が大きいので100年、200年経ってまだ進化が損なわれていないものであるべき。それに対してポップは「今」。今、意味があるか今、価値があるか。そういうものを僕らは書いては忘れ、書いては忘れすれば良いんです。勿論良い曲を書こうとは思いますが、500年経ってからやっと良くなる曲には興味がない。僕が好きな音楽は今のために歌われた曲ばかりだから、それなら次から次へ忘れたって構わないという感じの話を映像にしたくて作りました。


ー 曲の話に戻りますが、シングル『トートロジー』に収録の“Zombie” のオリジナルバージョンが収録。スネアとアウトロのギターが特に違いますね。

本当はあれが完成形であり、シングルに入った “Zombie”って実は仮MIXなんです。


ー え!! だからこちらがオリジナルバージョン?

そう。『トートロジー』の収録曲としてはタイトルトラックの“トートロジー”と、c/wの“フォークソングライン” だけが出来上がっていたんですが、ちょっとミスがあって…(笑いながらスタッフを見る)。

<スタッフ、頭を下げながら苦笑>


ー そうなんだ(笑)。

それで、あと1曲欲しいということになりスタッフからはカラオケ案も出たけどそれは嫌だった。でも時間がない。もうすでにアルバム制作にも入っているしそれ以外で今すぐ出せそうな曲を探したら “Zombie”があったんです。でもMIXする時間もなくて仮MIX状態で世に出したんです。可哀想な子と思いながら(笑)。でもあの曲すごく好きなんです。だから今回はきちんと完成した形のものを入れました。


 

リリース情報

ドレスコーズ2nd アルバム
「バンド・デシネ」
2013年11月6日発売


収録曲
M-1:ゴッホ
M-2:どろぼう
M-3:Zombie(Original Ver.)
M-4:ハーベスト
M-5:トートロジー
M-6:シネマ・シネマ・シネマ
M-7:Silly song, Million lights
M-8:Eureka
M-9:(She gets)the coat.
M-10:Teddy Boy
M-11:We are
M-12:バンド・デシネ
 
Disc2 DVD(初回生産限定盤)
1  誰も知らない
2  TANGO, JAJ
3  Puritan Dub
4  ストレンジピクチャー
5  レモンツリー
6  Automatic Punk
7  ベルエポックマン
8  Trash
Live at 日本青年館(2013.3.8)

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初回生産限定盤
COZP-808~9 / ¥3,465(税込)
初回盤DVD:Live at 日本青年館(2013.3.8)

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通常盤
COCP-38213 / ¥2,940(税込)

LIVE情報

More Pricks Than Kicks TOUR

11/21(木)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
11/22(金)仙台JUNK BOX
11/24(日)札幌cube garden
11/27(水)名古屋QUATTRO
11/28(木)高松DIME
11/30(土)福岡DRUM LOGOS
12/01(日)広島ナミキジャンクション
12/03(火)梅田AKASO
12/07(土)SHIBUYA-AX

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