ー ちなみに“飼っている”ということは名前もつけてるの?
つけてます!最初、3鉢くらいしかなかった時はハンちゃん、ドンちゃん、ジンちゃん。それはハンドンジンくんという軍隊で同期だった人の名前からきてるんですけどね(笑)。彼が日本に来た時に見せましたが、名前をカタカナで書いてあったから彼は読めなくて当然何も反応してなかったです(笑)。
ー これからまた日本でKとして音楽活動をする上で、こういうアーティストになりたいという願望は何かありますか?
それって日々変わることかなと思っているんです。だから僕はどうありたいかということをあまり決めつけたくはなくて。基本的には感じたことを素直に表現することが自分として一番出来ることなのかなと思っています。勿論描く理想というのはありますが、固定概念に捉われずオープンにいきたいです。僕の本名はカン・ユンソンというんですが、カン・ユンソンとしてこういう人間になりたいという理想像はありますし、そうなれるように努力すれば自ずとアーティスト“K”やその音楽もついてくると思うので、人として色々な経験を積みたいです。
ー 今、話に出た「こういう人間になりたい」という理想像は?
僕は子どもの頃、自分の父親のことがあまり好きではなかった…というか、怖かったんです。それに地味だし(笑)。
ー 地味?(笑)
特にアーティストになってからは、他の人の家庭を色々と見るようになって。お父さんやお母さんが特別なお仕事をしているアーティストが周りで結構多かったんです。
ー そうなんだ。
でもうちの父親は公務員で普通の生活をしていて、何て地味な家族なんだろうって、どこか反発するような気持ちもあったんですが、「今一番尊敬している人を書きなさい。」って言われたら、迷いなく「親父」って書くようになりました。昔は父親という人間がすごく大きく見えていて、僕が少し大人になった頃はすごく小さく見えた。でもまた今の年齢になると再び大きく見える。父親があの時に言っていた一言一言が家族のためだったんだと分かると、やはり親父みたいな人間になれたらいいなと思うようになりました。うちの親父はすごく家族想いなんです。色々あって家が大変だった時期も家族のことを一番に考えていたし。
ー なるほど。
それと昔父親に怒られて、何年経っても理解できないことがあったんです。「あれはやっぱりなかったんじゃないかな。」って。でもそれを言った頃の父親の年齢って、今の僕より10歳位年齢を重ねているだけだったんです。そう考えると父親もそんなに大人じゃなかったんだなって思えるようになってきて。父親も一人の人間だし色々な迷いがあった上で、教育上僕を怒っていたんだなと考えると、親父は親父で気持ち的にも相当大変だったんだろうなと。そう考えると余計に父親のことを尊敬するようになりました。
ー それでは、mFound読者のみなさんに一言お願いします。
まずはやはり「ただいま!」ですね。戻って参りましたので約2年間ブランクがあった分、やりたいことも沢山ありますし、伝えたいことも沢山あります。待っていてくれた人達にも恩返しをしたいので、これからの活動や歌っていく上での応援に期待しています(笑)。これからも満足できるような作品を沢山作っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします!
ー ありがとうございました。
取材・文/秋山昌未
■ K オフィシャルサイト
http://www.k-official.com/