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見田村千晴『寝そべった夕暮れを切り裂いてバスはゆく』インタビュー


ー “もう一度会ってはくれませんか” は、頭の中にショートストーリーのような映像が浮かんでくる、そんな世界観を持った楽曲だと感じました。

ありがとうございます。この曲は大切な恋人が今日とか明日、急にいなくなったらと考えた時に書いたんです。いなくなるということはもう取り戻せないということ…つまりそれは「時間」なんですが、そういうどうしようもない場面に直面した時に、自分はどうなってしまうのだろうか?と考えたら、きっと泣きわめいたり、「何で!?」って叫ぶエネルギーもなくて、無の状態で何も出来ないんだろうなと。どう頑張っても取り戻せないものってあるよなと思って。ただそれは、恋人だけでなく、家族でも同じことが言える気がするんです。例えば私の祖父母はもう亡くなっているんですが、どうやって生きてきたかということを殆ど知らなくて。でも大人になればなるほど、そういうことを知りたくなるもので、「どういう青春時代を送ったんだろう?」「どういう食べ物が好きで、どういう音楽が好きだったんだろう?」って気になってくる。でもそういうことって、もう知り得ないなと思って。すごく近い人の筈なのに何もしらないやって。


ー 確かに、近い人って存在を当たり前に思ってしまうから、そうかもしれないですね。

そう思います。


ー “悲しくなることばかりだ”(『ビギナーズ・ラック』収録)では、台詞まわしのような歌詞の乗せ方をしていましたが、この曲でもメロディに対して歌詞の言葉数が多かったりと、見田村さんって譜割りが独特ですよね。

多分楽譜にすると大変なことになるかも(笑)。インディーズの頃から言葉が多いというのは自分でも分かっていました。多分、歌詞から書くからだと思うんですが。


ー 詞先って結構珍しいですよね。

そうみたいですね。最近知りました(笑)。「次に何を言うんだろう?」と思った方が楽しいだろうし、自分がリスナーの立場になった時に、次の言葉が予測できる間延びした感じよりも「次は何を言うんだろう。」って期待出来る方が好きなんです。


ー それこそボブ・ディランや、そこから影響を受けた日本の60年代、70年代フォークがルーツかと思っていました。

全然ないんです。それこそ小室哲哉さんみたいな、これこそJ-POP!というものが好きでした。


ー そうだったんですね。それと、“もう一度会ってはくれませんか” では打ち込みと共にピアノのフレーズをループさせることで感情的になりすぎない面白さを感じましたが、それはこの曲だけでなく、例えば“砂のお城”や “センチメンタル” でも効果的に用いられていますよね。

はい。HIPHOPとフォークの融合的感覚で新しい挑戦をしてみました。 今迄やったことがなかったんですが、すごく楽しかったです。


ー ちなみに “砂のお城” のイントロループの音は、レコーディングブースとコントロールルームの間のガラスの壁の音と伺いましたが。

そうなんです(笑)。プロデューサーの松岡さんが、何か音はないかなと試す中で、あの音が一番いいねということになって。 本当に「感性の人」だなと思いました。


ー いいですね。松岡さんはそうやって現場で色々な発想を生んだり提案してくれたりするんですか?

はい。例えば歌詞についても、言葉の数を合わせることを教えてもらいました。やはり歌詞を先に書くので、つい言葉を優先にしがちなんですけど、一番と二番でメロディを揃えて歌詞をそこに合わせるということを教えてもらいました。そういうことはインディーズ時代にはやってなかったので、とても勉強になりました。


ー この “砂のお城” は、自分の嫌いな部分を生んだ環境や家族を責めてしまう自分自身の甘えへの苛立ちを歌った曲だとか。

多分、 誰かのせいにしてしまうことって、みんなどこかであると思うです。「あの時あの人がああしたから、もしくはああしなかったから、今こうなっているんだ。」とか。どうしても上手くいかない時に、そうやって状況や自分の育ってきた環境のせいにしてしまいたくなり、そこから抜け出せなくてどこへも行けない人もいるじゃないですか。でもそれは勿体ないなと思って。歌詞では「だからこうした方が良いよ、こうあるべきだ。」ということは言ってないけど、誰かのせいにしてしまう、そういう自分を受け入れり現実を観たりする上で、自分のことを分かる。それがまず第一歩だと思うんです。


ー 曲を聴いていて思ったのは声の表現力が繊細ということでした。ライヴではなく音源を聴いているだけでも、「今、笑顔で歌っているかな。」と感じたり、同じフレーズでも違う意味を持っているように感じたりと。

それはすごく嬉しいです! 歌唱力でいえば巧い人は沢山いるし、私が綺麗に派手に歌おうとしても限界はある。それに、あまり綺麗に歌い上げるということが好きではない。それよりもちゃんと表情が見える、「文字」ではなく文章として入ってきたり、映像として入ってきたりして欲しい。だから歌詞カードなんて見なくても、聴いた瞬間に絵になるというか。そういう歌だったら歌えるかもしれない。そういうことはいつも意識しています。


 

リリース情報

メジャー・セカンド・ミニアルバム
「寝そべった夕暮れを切り裂いてバスはゆく」

2014.4.16 release

nesobetta_jk.jpg
¥1,800(+tax)VICL-64146

収録曲
1  レプリカ
2  もう一度会ってはくれませんか
3  砂のお城
4  MUSIC
5  花嫁
6  センチメンタル
7  だいたい思ったとおり

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LIVE情報

見田村千晴ワンマンライブ2014「寝そべった夕暮れを切り裂いてバスはゆく」
2014年05月10日 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
Open 17:00 / Start 17:30
料金前売り¥3,500- / 当日¥4,000-(1drink別)
※全席指定
※消費税増税の為、4/1以降のご購入は前売り料金3600円となります。


見田村千晴フリーLIVE TOUR
タワーレコード渋谷店1Fイベントスペース
2014年4月19日(土)15:00スタート

代官山 蔦屋書店3号館 2階 音楽フロア
2014年4月23日(水)20:00スタート

タワーレコード新宿店7F イベントスペース
2014年4月27日(日)18:00スタート

タワーレコードNU茶屋町店イベントスペース
2014年4月29日(火・祝)13:00スタート

名古屋パルコ店 西館1Fイベントスペース
2014年4月29日(火・祝)17:00スタート

Interview

Live Report

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