ー “センチメンタル” は色々なパーカッションや変わった音が用いられていますね。

ループさせている部分はサンプリングなんですが、生活音を使っています。例えばセロテープをビッと引っ張る音とか、消しゴムでこする音とか。それと私が持っていたギタレレも松岡さんに弾いていただきました。打ち合わせをした時から、ちょっと音で遊ぶような楽曲にしたいというアイデアが出たので、サウンドもそこを意識した仕上がりになりました。幼稚園生くらいの想像力や発想力って羨ましかったり、本当に突拍子もないもないことを考え出したりするので、たまに想い出したりすると楽しくなってくるんです。だからそういう歌詞の部分を様々な音やリズムで表現しました。


ー ちなみに見田村さんはどういうお子さんでした？

とにかく大人しくて喋らなかったです。幼稚園の頃、お昼ご飯の時間にクラスみんなの前で「いただきます。」を言う当番があって、それをする前に自分の名前を言わなきゃいけないんです。それがすごく恥ずかしくて、ずっと出来なくてみんなを待たせた覚えがあります。それほど人前で話すことが苦手だったので、親戚のおじさんにうちの親が心配された位でした（笑）。


ー そんな見田村さんが、みんなの前でライヴをしているなんて、当時を知る人は驚いているのでは？

驚いていると思います。それにギターを弾いてるということに対しても「え、ギター？バイオリンやってたよね？」って言われそう（笑）。ギターは大学の頃、上京してから始めましたからね。元々矢井田瞳さんが大好きで、自分もライヴをしたいと思ってギターもその時に始めたんですが、実は小さい頃からずっと歌手にはなりたくて。あんまり人には言えなかったんですが。親にも「無理無理」って相手にされてなかったし（笑）。


ー でも実際夢が叶ったわけですし。

いや、まだまだです（笑）。


ー アルバム最後の曲、“だいたい思ったとおり”のシンプルさは、個人的にこのアルバムでも1、2位を争うほど好きな曲です。

あ、本当ですか！？ ありがとうございます！この曲は、自分を守るために強がったり、弱さを隠すため、防御のために強く見せたりしてしまう気持ちを歌詞にしました。まぁ、そういう部分に可愛さもあるんですが。


ー 見田村さん自身も防御してしまう？

だいぶ防御しますね！守りすぎな感じで（笑）


ー 何から？（笑）

それはやっぱり東京という街から…嘘です（笑）


ー あはは！では最後にmFound読者のみなさんに一言お願いします。

「こうしよう。」とか「こうした方がいいよ。」とかのひとつ前にある感情、例えば「私はこう思う。」とか「こういうことがあった。」とか。そういうのを言葉にすることで、自分と似たような人たちに「一緒だ」「言葉には出来なかったけど、こういう意味だったんだ。」と、ひとつでも何か腑に落ちて一歩でも自分自身に近づける言葉を書いた作品になりましたので、届いて欲しいと思います。


ー ありがとうございます。


取材・文／秋山昌未


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