TBS系 木曜ドラマ9「あぽやん～走る国際空港」主題歌にもなった『ランナーズ愛』のMVではCG無しで炎と格闘する姿が話題となったシンガーソングライターのRake。夢を持ってプロミュージシャンとなった4年目のスタート、彼が歌うのはまるで自叙伝のような『夢を抱いて〜はじまりのクリスロード〜』。楽曲に対しての想いを当時の状況、今作プロデューサーの佐橋佳幸氏についてやカヴァー曲に取り組む気持ちについても想いを語ってくれた。


ー その今作『夢を抱いて〜はじまりのクロスロード〜』ですが…。

これ“クロス”ロードじゃなくて “クリス”ロードなんです（笑）。


ー（慌てて資料に目を通しながら）本当だ、すみません!!!

いや、みなさんに言われるんです。「クリス」ではなく「クロス」の間違えではないかって（笑）。


ー ちなみにクリスロードというのは？

実は仙台のアーケードにある商店街の名前なんです。そこは僕がデビュー前にストリートライヴをやっていた場所で、Rakeとしてのはじまりはそこにあるので「〜はじまりのクリスロード〜」というサブタイトルをつけています。最初はタイトルそのものにしようかとも思ったんですけど、それではさすがに仙台の人以外は分からないだろうということでメインタイトルに「夢を抱いて」とつけました。


ー 歌詞を見ると、Rakeさんの自叙伝ソングそのものですよね。

まさにその通りです。自分が小さい頃にギターを手にしてから今日に至るまでの音楽と自分、自分の中にある音楽に対する想いを歌っている曲です。


ー この曲は アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」エンディングテーマということですが、書き下ろしですか？

書き下ろしではないです。でも「NARUTO-ナルト-疾風伝」という作品も、忍者学校（アカデミー）に通いながら忍者になる夢を抱いて色々な試練に向かっていくストーリーなので、楽曲のテーマやイメージともすごくリンクしているということで選んでいただきました。


ー 曲自体はいつ頃出来たんですか？

半年前位かな。そこからアレンジを加えてレコーディング自体は四月位でした。


ー Rakeさんはデビューして今年一月で丸三年。現在は四年目に入りましたが、今このタイミングで自分のルーツを辿るような曲を書こうと思ったのはやはり三年という節目がキーワードになっているんでしょうか。

それは自分でも大きいと感じています。まず右も左も分からない一年目。少し自分の色を出したい、でもなかなか難しい二年目。楽しくなってきた三年目。そして四年目がスタート。「石の上にも三年」ということわざもあるように、三年はひとつの区切りじゃないですか。中学、高校もそうですし。


ー そうですね。

アマチュアとしての活動期間の方がまだ長いですがメジャーデビューして三年。もう新人ではないしプロとしての自覚や、音楽をプロとして楽しむ感覚が自分の中ですごく生まれてきました。だからデビューしてからというよりは、デビュー前からひと続きの「今」なんだと感じられるようになりました。


ー 以前は？

以前は断片的でした。アマチュアでやっていた頃の自分。デビューしてからの自分。今。それをなかなかひと続きには思えない自分がいましたが、それが今は全てを肯定出来るようになったんです。


ー 肯定ということは、それ以前は断片的なだけでなく否定的でもあった？

クリスロードで僕の歌を聴いてくれる人が誰もいない日々に対しては否定的でした。でも今はそういうことも肯定出来るようになったから、この歌が生まれたのかもしれません。


ー 逆にその時期がないと、今という形はないのかもしれませんね。

本当にそう思います。僕はあの頃を暗黒時代と呼んでいるんですが…


ー 暗黒時代って!!（笑）

でもあの暗黒時代があったからこそ、今こうやってみんなにも出会えている。


ー 歌詞の中で、アマチュア時代に組んだバンドのエピソードが出てきますが、はじめて組んだバンドメンバーや当時の仲間とは今も交流がありますか？

あります! ライヴに来てくれたりもするし。


ー それは嬉しいですね。初めてのバンドというのは高校時代？

いや、中学時代です。中学一年生。でもその時は部活もやっていたので夏休みとか空いている時間の合間合間で集まって練習していました。空き家があったんです。


ー 空き家？

友達の親戚が持っている家が空き家になっていて、そこを自由に使わせてもらっていたんです。リビングにみんなでアンプとか持ち寄って夏休みにバンドっぽいことをやっていたのが最初です。


ー そういう友達と未だに繋がりがあるというのはすごいですね。

ありがたいことです。


ー この曲では「だれでも夢は叶うと信じている」と歌っていますが、夢の大小あれど、夢を叶えるのは結構大変じゃないですか。

大変ですね。


ー Rakeさんが夢を叶えるために一番大切なことは何だと思いますか？

ひとつは自分のやっていることを信じる。僕であれば音。自分の出す音を信じる。作る曲を信じる。それはきっと間違っていないと信じる。そこを自分自身が信じられなければ聴いている人にも届かないと思うんです。僕がストリートで歌ったりショッピングモールでライヴをしたり、シンガーさんのバックでギターを弾いたりしている時に周りの人達からは「何で東京にいかないの？」とか「もっと沢山オーディションに出た方がいいんじゃない？」とか「もっとデモテープを色々なところに送った方がいいんじゃない？」とか言われたこともありました。「本当にプロになりたいの？」って。


ー そうなんだ。

そう。でも僕の中ではミュージシャンとして胸を張れるライヴや作品、音をまだ出せないと思っていたんです。勿論早く夢に辿り着きたいけど、やはりプロミュージシャンだから、自分が奏でる音楽がしっかりしていなければ本物の夢には辿り着けないと思っていました。だからみんなに何を言われようが「いや、僕はまだ自分が納得するまで努力や練習をしたい!!」と言っていました。